お正月に親とお墓の話をするのは縁起が悪い?家族が集まる日にこそできる話
年末年始は、実家に帰省する方が増える時期です。
家族がそろううちに、お墓のことを話しておきたいと考える方もいるでしょう。
その一方で、「お正月に死やお墓の話なんて縁起でもない」と、切り出せないまま帰ってくる方も多いはずです。
株式会社goennで、お墓や納骨堂を探す方と寺院・石材店をつなぐ仕事をしている𫝆橋計貴(いまはし かずき)です。
この記事では、お正月にお墓の話をするのは本当に縁起が悪いのか、角が立たない切り出し方、親と確かめておきたいことを順番にお話しします。
【この記事の結論】お正月に親とお墓の話をするコツがわかる5つのポイント
- お正月にお墓の話をしてはいけないという決まりはなく、受け止め方は家ごとに違います。
- 民俗学では年神をご先祖とみる見方があり、お正月はご先祖を迎える行事でもあります。
- 葬儀の希望がある親の4割は、子に「話したいがまだしていない」という調査があります。
- 保険や財産より「うちのお墓、どうする?」から入ると、お金の話もしやすくなります。
- 帰省中に、お墓の場所、管理料をいつまで払ってあるか、管理先の連絡先を確かめます。
お正月にお墓の話は縁起が悪い?正月はもともとご先祖を迎える行事
「縁起でもない」と感じるのは、正月を晴れの日と考えるから
お正月は、一年でいちばん晴れやかな行事です。
そこに弔いやお墓の話を持ち込むのは気が引ける、と感じるのは自然なことです。
ただ、お正月にお墓の話をしてはいけないという決まりはありません。
お正月のお墓参りも、控える家があれば三が日に参る家もあります。
年神さまはご先祖さまだった、という民俗学の見方
門松や鏡餅は、もともと年神(としがみ)を家に迎えるための支度です。
常陸大宮市の資料は「民俗学において、この年神の正体は祖霊(ご先祖様)だと考えられています」と紹介しています。
お正月は、ご先祖が家に帰ってくる時期だと考えられてきたわけです。
地域によって伝え方は違うので、一つの見方として受け取ってください。
おまいりは、カルチャーだと私は思っています。
お正月にご先祖やお墓の話をするのは、行事の意味から外れていません。
気になる家族がいるなら、松の内を過ぎてからでもいい
親や親戚が縁起を気にするなら、元日にわざわざ切り出す必要はありません。
松の内は、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとされることが多いようです(ウェザーニュース)。
明けてから話しても遅くありません。
大事なのは日にちより、家族がそろっているうちに話すことです。
親とお墓の話をしたいのに話せていない。だから家族が集まるお正月がいい
葬儀の希望がある親の4割は「話したいが、まだしていない」
燦ホールディングスが2025年7月に行った調査では、60〜70代の親の45.0%が自分の葬儀に何かしらの希望を持っていました。
そのうち41.5%は、子どもに「話したいがまだしていない」と答えています(発表資料)。
まだ話していない理由の1位は「タイミングがわからない」(47.5%)でした。
安心葬儀の調査では、子どもの側も66.4%が親と終活について話したことがなく、理由の1位は「切り出しにくい、話しにくい」でした。
話し始めるきっかけに悩む親子がいます。
帰省の時期は、お墓の相談をされる方が増える
私たちのところでも、帰省の時期にはお墓のことを相談される方が結構いらっしゃいます。
人が集まる時期は、これからのことを話し合ういい機会です。
冬は、高齢の親の体調も気になる季節です。
もしものときにどうするかと合わせて、少なくともお墓の話はしておいてください。
親とお墓の話の切り出し方。「うちのお墓、どうする?」から始めると話しやすい
保険や財産の話より、お墓の話のほうが切り出しやすい
「保険には入ってるの?」「うちの財産っていくらあるの?」
こうした話は、親子でもとても切り出しにくいものです。
ところが「うちにもお墓があるよね。あれ、これからどう管理していく?」と、お墓を起点にすると空気が変わります。
親は「この子は自分たちの将来を考えてくれている」と受け取ってくれるからです。
そこから財産や遺産のこと、これからどうしたいかまで、意外とすんなり話が進むことが多いと感じています。
お墓は、家族で話をするためのきっかけになります。
「そろそろ私たちが管理する番だね」と、自分ごととして話す
コツは、親に「どうするの?」と迫らないことです。
「そろそろうちも、お墓を管理していかなきゃいけない立場になるね」と、引き継ぐ側として相談してみてください。
お墓の話はお金の話ほど生々しくないので、家族も構えずに話せます。
子どもから話すこと自体が、親にとっても身の回りを整理するきっかけになります。
そのまま使える、話し始めの一言
重くしたくないときは、お墓参りや思い出話から入ると話しやすくなります。
- 「次のお墓参り、いつ行く?」
- 「うちのお墓って、管理料はどうなってるの?」
- 「おじいちゃんのお墓、建てたのっていつだっけ?」
- 「そろそろ私も、お墓のこと手伝おうか」
お正月に親と確認しておきたいお墓のこと。場所・管理料・お寺の連絡先
お墓の場所と、管理しているお寺・霊園の連絡先
子どもがお墓の場所を正確に知らないケースは実際にあります。
霊園やお寺の名前と区画、管理先の連絡先を聞いておきましょう。
親でも分からないことは、霊園や菩提寺に早めに問い合わせておくと安心です。
管理料は、いつまで払ってあるか
霊園の管理料が払われないままになっているケースも、実は少なくありません。
私の家は逆で、祖父母がお寺にお墓を買ったとき、30年分の管理料を先にまとめて払っていました。
払ったことは家族みんな覚えているのに、それがいつだったかは誰も覚えていなかったんです。
管理料の長い滞納は、市町村が無縁のお墓かどうかを判断する目安の一つにもなっています。
総務省の調査では、市町村が公営墓地の無縁墳墓に気づいたきっかけも、管理料の滞納が最も多くなっていました(無縁墳墓等があった42市町村のうち20市町村)。
身寄りのない方の遺骨と費用の扱いは、無縁仏の費用は誰が払う?で詳しく書いています。
お墓の裏に彫られた建立の年を見ておく
お墓の裏には、誰がいつ建てたかがたいてい彫られています。
建てた年が分かれば、30年分の管理料がいつまでだったかの見当もつきます。
お正月の前後にお墓参りに行くなら、墓石の裏ものぞいてみてください。
確かめておきたいことを、表にまとめました。
| 確かめること | 誰に聞くか | メモしておくこと |
|---|---|---|
| お墓の場所 | 親 | 霊園・お寺の名前、区画 |
| 管理先の連絡先 | 親・霊園 | 電話番号、問い合わせ窓口 |
| 管理料の支払い | 親・霊園・お寺 | いつまで払ってあるか |
| 菩提寺 | 親・お寺 | お寺の名前と宗派 |
| お墓を継ぐ人 | 家族 | 親の希望があるか |
よくある質問(FAQ)
Q. お正月にお墓参りをしてもいいですか?
してはいけないという決まりはありません。
迷ったら、家族の習わしや菩提寺の考え方に合わせてください。
時期の考え方はお墓参りの時期はいつが最適?でもまとめています。
Q. 親がお墓の話を嫌がったら、どうすればいいですか?
その場で無理に聞き出さなくてかまいません。
お墓参りの予定や思い出話に戻して、場所と管理先の連絡先だけでも分かれば十分です。
続きは、次の帰省やお盆に回しましょう。
Q. きょうだいがそろわないお正月でも、話しておいたほうがいいですか?
そろわなくても、聞いたことをメモしてきょうだいに共有すれば十分です。
お墓を誰が継ぐかなどは、全員がそろう機会に回してかまいません。
まとめ
お正月にお墓の話をするのは、縁起が悪いと決まっているわけではありません。
家族がそろう数少ない日だからこそ、「うちのお墓、どうする?」と聞いてみてください。
そこからお金のことやこれからの希望まで、話は案外広がっていきます。
まずは、お墓の場所、管理料、管理先の連絡先の3つを確かめるところからで十分です。
お墓の引き継ぎや墓じまいを考え始めたら、墓じまいとは?も参考にしてください。
新しくお墓や納骨堂を探すときは、goennのお墓検索で地域と種類から比べられます。
執筆・監修:𫝆橋計貴(株式会社goenn 代表取締役)
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