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預骨とは?初心者向けに解説。お墓が決まらない時の一時預かりサービス

2026.01.21
2026.01.21

大切な方が亡くなられた後、お墓のことが決まらず、ご遺骨をどうしたら良いか悩んでいらっしゃいませんか?

突然のことで準備ができなかったり、ご家族で意見がまとまらなかったりするのは、決して珍しいことではありません。

この記事では、葬祭カウンセラーとして多くの方のご相談に乗ってきた私が、そんな時のための選択肢の一つである「預骨(よこつ)」について、基礎から分かりやすく解説します。

【この記事の結論】お墓が決まらない時は「預骨」で時間を確保

質問(知りたいこと)結論(この記事でわかること)
「預骨(よこつ)」とは?お墓が決まるまで、ご遺骨を一時的に預かってもらうサービスです。「納骨(永続的な安置)」とは目的が異なります。
なぜ利用するの?「お墓の準備が間に合わない」「気持ちの整理がつかない」「家族で意見がまとまらない」といった課題を解決するためです。
どこで預かってくれる?寺院、霊園、専門業者などが主な依頼先です。宗旨・宗派不問の施設も多くあります。
費用はどのくらい?預け先によりますが、年間数千円〜数万円が相場です。公営霊園が最も安価な傾向にあります。
メリット・デメリットは?メリットは、焦らずに供養方法を考えられる「時間的な余裕」が生まれること。デメリットは、あくまで一時的な解決策であり、費用が発生し続ける点です。
預骨サービス完全ガイド

この記事の目次

そもそも「預骨(よこつ)」とは?納骨との違いを分かりやすく解説

まずは、「預骨」という言葉の基本的な意味と、よく混同されがちな「納骨」との違いについて、はっきりと理解しておきましょう。

「預骨」はご遺骨の“一時預かり”サービス

預骨(よこつ)とは、その文字通り「ご遺骨を一時的に預かってもらう」サービスのことです。

お墓や納骨堂など、ご遺骨の最終的な行き先が決まるまでの間、お寺や霊園といった専門の施設で大切に保管・管理してもらうための選択肢です。
様々な事情ですぐにお墓の準備ができない方のために、いわば「時間的な猶予」を与えてくれる、とても心強いサービスと言えます。

「納骨」との決定的な違いは“期間”と“目的”

預骨と納骨の最も大きな違いは、「期間」と「目的」にあります。

  • 預骨:
    あくまで「一時的な保管」が目的です。将来的に引き取り、改めて納骨することが前提となります。
  • 納骨:
    お墓や納骨堂へ「永続的に安置」することが目的です。一度納骨すると、ご遺骨を取り出すことは基本的にありません。

この違いを分かりやすく表にまとめました。

項目預骨(一時預かり)納骨
目的最終的な納骨先が決まるまでの一時保管永続的な安置・供養
期間一時的(1年〜数年が一般的)永続的
ご遺骨の扱い後で引き取る(返骨される)引き取らない(返骨されない)
法要基本的に行わない納骨法要を行う

このように、預骨は最終的な供養方法を決めるための「準備期間」であり、納骨は供養の「最終形」であると考えると分かりやすいでしょう。

関連記事: 納骨とはいつまでにしたら良い?時期や準備・流れ・対応方法など解説

なぜ今「預骨」が選ばれるのか?よくある3つの理由

近年、この預骨サービスを利用される方が増えています。
そこには、現代社会ならではの様々な背景があります。
ここでは、預骨が選ばれる主な3つの理由について、葬祭カウンセラーとしての視点も交えながら解説します。

1. お墓が決まっていない・準備が間に合わない

最も多いのが、お墓の準備が間に合わないという物理的な理由です。

  • 先祖代々のお墓がない、または遠方で入れない
  • お墓を建てるための費用がすぐに準備できない
  • 納得のいくお墓や霊園を探すのに時間がかかっている
  • 公営霊園の抽選待ちをしている

お墓は決して安い買い物ではありませんし、一度建てると何世代にもわたって受け継がれていく大切な場所です。
「四十九日までに納骨しなければ」と焦って決めて後悔するよりも、預骨を利用してじっくりと時間をかけ、ご家族全員が納得できる場所を選ぶことの重要性が認識され始めています。

2. 気持ちの整理がつくまで、手元から離したくない

大切な方を亡くされた悲しみは、すぐに癒えるものではありません。
葬儀や法要など、やるべきことに追われる中で、気づけば納骨の時期を迎えてしまい、「まだお骨を手放したくない」と感じる方は非常に多くいらっしゃいます。

葬祭カウンセラーとして、私はこのようなご遺族の気持ちに数多く触れてきました。
すぐに納骨することに気持ちが追いつかない時、預骨は心の準備をするための大切な期間(グリーフケアの時間)になり得ます。

ご遺骨を専門の施設に安心して預けながら、ゆっくりと故人様との思い出に向き合い、ご自身のペースで心の整理をつけていく。
そのための選択肢としても、預骨は大きな意味を持ちます。

3. 家族・親族間で供養方法の意見がまとまらない

供養の形が多様化する現代において、ご家族やご親族の間で意見がまとまらないケースも増えています。

  • 「先祖代々のお墓に入るべきだ」
  • 「子供に負担をかけない永代供養が良い」
  • 「故人の希望通り、自然に還る散骨にしたい」

それぞれの意見に故人を想う気持ちがあるからこそ、話し合いが平行線になってしまうことも少なくありません。
このような時、預骨期間を冷静に話し合うための冷却期間(クーリングオフ)として活用するメリットがあります。

一度ご遺骨を専門の場所に預けることで、感情的にならずにそれぞれの供養方法のメリット・デメリットを調べ、全員が納得できる結論を出すための時間を作ることができるというわけです。

預骨はどこでできる?主な依頼先4選とそれぞれの特徴

では、実際に預骨をしたいと考えた場合、どこに依頼すればよいのでしょうか。
主な依頼先は以下の4つです。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った場所を選びましょう。

取材で訪問した際の関西地方の霊園。
取材で訪問した際の関西地方の霊園。宗旨・宗派不問の場合がほとんどで使いやすいです。(撮影:goenn編集部)

1. 寺院

古くから檀家さんのご遺骨を預かってきたお寺は、預骨の最も一般的な依頼先の一つです。

メリット

  • 僧侶が身近にいるため、供養に関する相談がしやすい
  • 歴史と格式があり、安心して預けられる

デメリット・注意点

  • 檀家であることが条件の場合や、宗旨・宗派が問われることがある
  • 費用は比較的高めな傾向がある

お付き合いのある菩提寺がある場合は、まず相談してみるのが良いでしょう。

2. 公営・民営の霊園

自治体が運営する公営霊園や、民間企業が運営する民営霊園でも、納骨堂などの施設で一時預かりサービスを提供している場合があります。

メリット

  • 宗旨・宗派不問の場合がほとんどで、誰でも利用しやすい
  • 施設が新しく、設備が整っていることが多い
  • 特に公営霊園は費用が比較的安価

デメリット・注意点

  • 公営霊園は人気が高く、抽選になることや利用条件(その自治体の住民であることなど)がある
  • 民営霊園は、その霊園でのお墓建立を前提としたサービスの場合がある

宗教にこだわりがなく、費用を抑えたい方や、近代的な施設を好む方におすすめです。

関連記事: 納骨堂とは?種類や費用・メリットデメリットを解説

3. 葬儀社・石材店

葬儀を担当してくれた葬儀社や、お墓の建立を相談している石材店が、提携する寺院や霊園の預骨サービスを紹介してくれることがあります。

メリット

  • 葬儀後の一連の流れで相談できるため、手間が少ない
  • 複数の選択肢の中から、条件に合う場所を紹介してもらえる可能性がある

デメリット・注意点

  • 直接契約するよりも、仲介手数料などが上乗せされる場合がある

どこに相談して良いか分からない場合は、まず身近な専門家である葬儀社や石材店に尋ねてみるのがスムーズです。

4. 散骨や墓じまいなどの専門業者

近年では、散骨や墓じまいといった新しい供養の形を専門に扱う業者も、預骨サービスを提供しています。

メリット

  • 散骨や墓じまいを最終的に考えている場合、手続きが一貫して行える
  • 多様化する供養のニーズに詳しいため、預骨後の選択肢についても具体的なアドバイスがもらえる

デメリット・注意点

  • 比較的新しいサービスのため、実績や信頼性をしっかり見極める必要がある

将来的に散骨や墓じまいを視野に入れている方にとっては、非常に心強い相談先となるでしょう。

【費用相場】預骨にかかる料金はいくら?

預骨を利用する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。
ここでは、預け先ごとの費用相場と、契約前に確認すべき注意点について解説します。

納骨棚の写真
納骨棚の個別収納スペース。開扉された棚の内部には骨壺が安置されている。施設見学時には収納スペースの広さや管理状況を確認したい。(撮影:goenn編集部)

預け先別の費用相場一覧

預骨の費用は、預ける場所や地域、サービス内容によって大きく異なりますが、年間の管理料として支払うのが一般的です。

預け先年間費用の相場特徴
公営霊園3,000円~数万円程度最も安価な傾向があるが、利用条件が厳しい場合がある。
民営霊園1万円~3万円程度サービス内容が充実していることが多い。
寺院3万円~12万円程度お布施が含まれる場合など、費用に幅がある。
その他専門業者サービス内容による月額1,000円台から提供している業者もある。
※上記はあくまで目安です。2026年1月現在の情報であり、実際の料金は必ず各施設にご確認ください。

費用に含まれるもの・含まれないもの(注意点)

契約前には、提示された金額に何が含まれているのかを必ず確認しましょう。
後から追加費用が発生してトラブルになるケースも少なくありません。

【確認すべき費用の内訳】

  • 初期費用・保証金:
    契約時にのみ支払う料金。保証金は解約時に返金されることが多い。
  • 年間管理料:
    毎年支払う基本料金。
  • 更新料:
    契約期間を延長する際に必要な料金。
  • お布施:
    寺院に預ける場合に、管理料とは別に必要になることがある。
  • その他:
    粉骨(ご遺骨をパウダー状にすること)費用や、骨壺代などが別途必要な場合もある。

「総額でいくらかかるのか」「追加で発生する可能性のある費用はないか」を契約書でしっかりと確認することが、安心して預けるための重要なポイントです。

預骨のメリット・デメリットを専門家が徹底解説

物事には必ず良い面と注意すべき面があります。
預骨という選択をする前に、そのメリットとデメリットを専門家の視点から客観的に把握しておきましょう。

メリット:時間を味方につけ、納得のいく供養を選べる

預骨の最大のメリットは、「時間を味方につけられる」ことです。これにより、様々な余裕が生まれます。

  • 時間的な余裕が生まれる
    焦って納骨先を決める必要がなくなり、複数の霊園を見学したり、家族でじっくり話し合ったりする時間が確保できます。
  • 精神的な余裕が生まれる
    故人との別れと向き合い、ご自身の気持ちを整理するための大切な時間を持つことができます。
  • 費用を抑えられる可能性がある
    お墓の建立や永代供養に比べて、初期費用が格段に安く済みます。 預けている間に、資金計画を立て直すことも可能です。
  • 適切に保管してもらえる安心感
    自宅保管の場合、湿気によるカビの発生や、骨壺の破損といったリスクがあります。 専門施設であれば、適切な環境で管理してもらえるため安心です。

デメリット:あくまで“一時的”な解決策であること

一方で、預骨はあくまで「一時的な解決策」であるという点を忘れてはいけません。

  • 保管期間に限りがある
    多くの施設では1年〜2年単位の契約が一般的で、延長は可能でも上限が定められている場合があります。 預けている間に、必ず次の行き先を決める必要があります。
  • 費用が発生し続ける
    自宅保管とは違い、年間管理料がかかり続けます。 長期間になればなるほど、その負担は大きくなります。
  • 引き取り手がいないリスク
    万が一、契約者の方が亡くなったり、連絡が取れなくなったりした場合、ご遺骨が行き場を失ってしまう可能性があります。
    その場合、最終的には合祀墓(他の方のご遺骨と一緒のお墓)に移されることが多いため、注意が必要です。

預骨後の流れと多様化する供養の選択肢

預骨の期間中に、ご家族でじっくりと話し合い、今後の供養の形を決めていくことになります。
現代では、お墓にも様々な選択肢があります。
ここでは代表的な5つの方法をご紹介します。

1. 一般的なお墓への納骨

先祖代々受け継がれてきたような、墓石を建てる従来のお墓です。
家族のシンボルとして、お参りする場所が欲しいと考える方に選ばれています。

2. 永代供養墓・納骨堂への納骨

お墓の承継者がいない、子供に負担をかけたくない、といった方向けの選択肢です。
寺院や霊園が家族に代わって永続的にご遺骨の管理・供養を行ってくれます。

関連記事: 永代供養の費用を比較!最適な供養方法を見つけるためのポイント

3. 樹木葬

墓石の代わりに、樹木や草花をシンボルとしてご遺骨を埋葬する方法です。
「自然に還りたい」という故人やご家族の想いを形にでき、近年非常に人気が高まっています。

4. 散骨(海洋散骨など)

ご遺骨を粉末状にして、許可された海域や山林に撒く方法です。
故人の遺志を尊重し、自然の一部となって安らかに眠ってほしいと願う方に選ばれています。

5. 手元供養

ご遺骨の全て、または一部を自宅で保管し、身近な場所で供養する方法です。
ミニ骨壺や遺骨アクセサリーなど、様々な商品があり、「いつでも故人をそばに感じていたい」という方に寄り添う供養の形です。

【CPO・葬祭カウンセラーとしてのアドバイス】
ここでご紹介した選択肢に、優劣は一切ありません。
最も大切なのは、ご家族が心から納得し、「この形が私たちにとって一番良い供養だ」と思えることです。
故人様を想うそのお気持ちこそが、何よりの供養となります。

よくある質問(FAQ)

最後に、預骨に関して皆様からよく寄せられる質問にお答えします。

Q: 預骨の期間はどのくらいですか?

A: 施設によって異なりますが、一般的には1年〜2年単位での契約が多いです。 延長が可能な場合もありますが、更新手続きが必要だったり、延長できる期間に上限が定められていたりすることもあるため、契約前に必ず確認しましょう。

Q: 預骨中にお参りはできますか?

A: 多くの施設でお参りは可能です。 ただし、お骨が個別に安置されている場所まで行けるのか、共同の礼拝スペースでのお参りになるのか、また事前の予約が必要かなど、ルールは施設ごとに異なります。お参りを希望される場合は、事前に問い合わせておくと安心です。

Q: 宗旨・宗派が違っても預かってもらえますか?

A: 公営・民営の霊園や専門業者の多くは、宗旨・宗派不問です。 寺院の場合は、そのお寺の檀家であることが条件の場合や、在来仏教であれば宗派を問わない場合など様々です。 信仰する宗教がある場合は、ご自身の宗派に対応しているか、個別に確認が必要です。

Q: 預骨と自宅での保管、どちらが良いのでしょうか?

A: ご遺骨を自宅で保管することに、法律上の問題は一切ありません。 しかし、骨壺は陶器でできているため、湿気がこもりやすく、カビが発生するリスクがあります。 また、ご親族など、ご家族以外の方がお参りしにくいといった側面もあります。
専門施設である預骨は、適切な環境で管理してもらえる安心感があります。 どちらが良いかは、ご自身の状況や気持ちに合わせて選ぶことが大切です。

Q: 契約期間が過ぎて引き取らないとどうなりますか?

A: 契約内容によりますが、一定期間連絡が取れない場合、合祀墓(ごうしぼ)に移されるのが一般的です。 合祀とは、他の方のご遺骨と一緒に埋葬されることで、一度合祀されると、特定のご遺骨だけを取り出すことは二度とできなくなります。 契約期間の管理は非常に重要ですので、必ず忘れないようにしましょう。

まとめ

この記事では、お墓が決まらない時の一時的な選択肢である「預骨」について解説しました。

預骨は、単にご遺骨を預けるだけでなく、故人様と向き合い、ご家族にとって最善の供養の形を見つけるための大切な時間を与えてくれます。

株式会社goennのCPOとして、そして一人の葬祭カウンセラーとして、私が最もお伝えしたいのは「焦らないでください」ということです。
突然の別れで、すぐに気持ちの整理がつかないのは当然のことです。
多様な選択肢の中から、故人様とご自身の想いに寄り添った答えを見つけるお手伝いができれば幸いです。

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