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納骨とはいつまでにしたら良い?時期や準備・流れ・対応方法など解説

2024.11.05
2025.01.15
納骨

納骨は、故人の遺骨を最終的な安息の地に納める大切な儀式です。

本記事では、納骨の定義や目的から、いつまでに行えば良いのかという時期やタイミング、準備の流れ、費用など、納骨に関する総合的な情報をお届けします。また、お墓や納骨堂以外の選択肢や、よくある疑問についても解説します。故人を敬い、遺族の心に寄り添いながら、納骨に関する疑問や不安を解消し適切な選択ができるよう、ぜひ最後までご覧ください。

 

納骨とは

納骨は、故人の遺骨をお墓や納骨堂などの最終的な安置場所に収める儀式です。この行為は、故人への敬意を表し、遺族が故人との別れを受け入れる大切な過程です。

まずはじめに、納骨とは何かという定義や目的などを解説します。

納骨の定義と解説

納骨とは、火葬後の遺骨を骨壷に収め、お墓や納骨堂に安置する行為を指します。

一般的には、墓石の下にあるカロート(納骨棺)に骨壷をそのまま納める方法が最も一般的です。地域によっては、遺骨を納骨袋に入れ替えて埋葬する習慣もあります。

近年では、都市部を中心に納骨堂の利用も増加しており、建物内の棚やロッカーに骨壷を保管する形式が主流となっています。納骨の時期は、四十九日法要や百箇日法要、一周忌などの節目に合わせて行われることが多いです。

納骨の目的と意義

納骨の主な目的は、故人の遺骨を尊厳を持って永続的に安置し、遺族や親族が故人を偲び、供養を続けられる場所を提供することです。仏教の教えでは、四十九日は故人が極楽浄土に行けるかどうかが決定する日とされており、この日に納骨を行うことで、故人の霊が安らかに成仏できるよう願いを込めます。

また、納骨は遺族にとって故人との最後の別れを象徴する儀式でもあり、悲しみを乗り越え、新たな生活へ踏み出すきっかけです。このように、納骨は故人への敬意と遺族の心の整理、そして家族の絆を強める大切な役割を果たしています。

 

納骨のタイミングや時期を解説

多くの方が、いつ納骨すべきか、時期はあるのかと悩まれると思います。本章では、一般的な納骨のタイミングや、宗派による違いなどを詳しく解説します。詳しく見ていきましょう。

納骨に法的な期限はない

納骨に関して、法律で定められた期限はありません。

「墓地埋葬等に関する法律」にも、納骨の時期についての規定はないため、遺族の意向に応じて自由に決めることができます。そのため、故人の遺骨を自宅で保管し続けることも可能です。

ただし、長期間保管する場合は、遺骨を大切に扱い、適切な場所で保管することが大切です。納骨の時期は、遺族の心の準備や家族の事情に合わせて決めることができるので、焦る必要はありません。

一般的な納骨のタイミング

法的な期限がないことはわかりましたが、一般的に選ばれやすいタイミングがいくつかあります。

多くの場合、四十九日法要、百箇日法要、一周忌などの節目に合わせて納骨が行われます。これらの時期は、親族が集まりやすく、故人を偲ぶ機会としても適しているためです。これらの法要と納骨を同時に行うことで、参列者の負担を軽減できるメリットもあります。

四十九日法要での納骨

四十九日法要は、故人の死後49日目に行われる法要で、納骨のタイミングとしてよく選ばれるのが四十九日法要です。

仏教の教えでは、人は死後49日目に浄土へ往生すると考えられており、この日に納骨することで、故人の霊が安らかに成仏できるよう願いを込めます。また、四十九日法要は「忌明け」とも呼ばれ、遺族が本格的に日常生活に戻る節目でもあります。

しかし、新しくお墓を建てる場合、四十九日までにお墓が完成しないことが多いため、四十九日法要での納骨は、既存のお墓がある場合や納骨堂を利用する場合に適したタイミングといえます。

百箇日法要での納骨

百箇日法要は、亡くなってから100日目頃に行われる法要で、納骨のタイミングとしても選ばれることがあります。

四十九日法要よりも時間的余裕があるため、新しくお墓を建てる場合や、遠方の親族が参列しやすいように日程を調整したい場合に適しているでしょう。

百箇日までの期間があれば、遺族の心の整理がつきやすく、落ち着いた気持ちで納骨に臨めるメリットもあります。地域や宗派によっては百箇日法要を行わない場合もあるので、百箇日法要を選択する場合、菩提寺や寺院に確認しましょう。

一周忌までの納骨

一周忌は、亡くなってから1年後に行われる法要で、納骨の時期として一般的です。

一周忌までに納骨を済ませることで、故人との別れを受け入れ、新たな生活に踏み出すタイミングです。一周忌までの期間があれば、新しいお墓の建立や納骨の準備を十分に整えることができます。

また、遺族の心の整理がつきやすく、故人を偲びながら納骨を行えるメリットもあります。ただし、一周忌まで待つ場合は、その間の遺骨の保管方法や場所について、家族で話し合っておくことが大切です。

浄土真宗における納骨の時期

浄土真宗では、他の仏教宗派とは異なる納骨の考え方があります。一般的に、浄土真宗では火葬後すぐに納骨を行う傾向があります。遺骨に執着せず、故人の魂はすでに阿弥陀如来のもとに往生したと考えるためです。

しかし、地域や個人の事情によっては、四十九日法要や一周忌などに合わせて納骨を行うこともあります。浄土真宗の寺院に所属している場合は、納骨の時期について寺院に相談し、適切なタイミングを決めましょう。

また、浄土真宗では「お骨あげ」を行わない場合もあるので、事前に確認しておくことが大切です。

納骨の方法と種類

納骨には様々な方法と種類があり、故人の意思や遺族の希望、経済的な事情などに応じて選択できます。本章では、主な納骨の方法と種類について詳しく解説します。自分や家族にとって最適な納骨方法を選ぶ際の参考にしてください。

お墓への納骨

お墓への納骨は最も一般的な方法で、墓石の下にあるカロート(納骨棺)に骨壷を納めます。お墓は管理費や墓地の永代使用料が必要となりますが、定期的な墓参りを通じて故人との絆を感じられる点が特徴です。ただし、後継者の問題や維持管理の負担を考慮する必要があるでしょう。

納骨堂への納骨

納骨堂は、建物内の棚やロッカーに骨壷を保管する方法です。都市部を中心に人気が高まっており、管理が容易で費用も比較的抑えられるのが特徴。

屋内にあるため天候に左右されず、立地の良い場所に多いのも利点です。一般的に複数の遺骨を納められますが、施設によっては制限がある場合もあります。お墓と同様に管理費が必要ですが、墓地の購入や墓石の建立が不要なため、初期費用を抑えられます。

その他の納骨方法(樹木葬、散骨など)

近年、自然に還る納骨方法として樹木葬や散骨が注目されています。それぞれの供養方法を表でまとめました。

供養方法 特徴 適する方
樹木葬 樹木や植物を墓標の代わりにして土中に遺骨を埋葬 自然との調和を重視する方
散骨 遺骨を海や山などに撒く 特定の場所に縛られない自由な供養を望む方

 

樹木葬や散骨は、管理の負担が少なく、費用も比較的抑えられるのが特徴です。ただし、樹木葬は改葬が不可能で、散骨は法的な制限や場所の選定に注意が必要です。その他にも近年供養方法として、海洋散骨や宇宙葬など、より個性的な選択肢も増えています。

納骨にかかる費用

納骨は大切な故人を最終的な安息の地に送る重要な儀式ですが、それに伴う費用に不安を感じる方も多いでしょう。納骨にかかる費用は、納骨の方法や場所、規模によって大きく異なります。本章では以下に関して詳述します。

  • 納骨式の費用内訳
  • お墓や納骨堂の費用
  • 費用を抑える方法

 

それぞれ見ていきましょう。

納骨式の費用内訳

納骨式の費用は供養の方法によって変動します。今回はお墓に納骨するパターンで納骨式にかかる費用を見ていきましょう。

項目 費用の目安
お墓の開閉作業費用 1.5万円〜5万円
墓石への戒名彫刻料 3万円〜5万円
僧侶へのお布施 3万円〜5万円
卒塔婆供養料 2千円〜1万円
お供え物の費用 5千円〜1万円
会食費用(1人あたり) 3千円〜1万円

 

合計すると、一般的な納骨式では10万円前後の費用が必要です。ただし、これらの費用は地域や規模、個別の事情によって変動する可能性があり、新しくお墓を建てる場合や納骨堂を利用する場合は、別途費用が必要です。

お墓や納骨堂の費用

お墓と納骨堂では、かかる費用に大きな差があります。新しくお墓を建てる場合でそれぞれを表で見ていきましょう。

種類 初期費用 年間管理費 備考
一般的なお墓 150万円~300万円 1万円~3万円 墓石代、永代使用料を含む
納骨堂(ロッカー型) 20万円~50万円 1万円~2万円 場所や規模により変動
納骨堂(仏壇型) 50万円~150万円 1万円~2万円 個人用か家族用かで異なる
納骨堂(自動搬送型) 80万円~150万円 1万円~2万円 設備により価格が変動
納骨堂(位牌型) 10万円~20万円 5,000円~1万円 比較的安価

 

納骨堂を利用する場合は、年間1万円程度の管理費が必要です。選択する納骨方法によって費用が大きく変わるため、家族で十分に相談して決めましょう。

費用を抑える方法

納骨にかかる費用を抑えるためには、いくつかの方法があります。費用を抑えるヒントを以下に記載します。

方法 概要
納骨の時期を柔軟に設定 四十九日にこだわらず、百箇日や一周忌に合わせることで、準備費用を分散させられます。また、お墓の建立や納骨堂の選択にも余裕を持って対応できるようになります。
納骨堂の選択 ロッカー型や位牌型など、比較的安価な納骨堂を選ぶことで初期費用を抑えられます。管理も容易で、将来的な負担も軽減できる利点があります。
納骨式の規模を縮小 参列者を近親者に限定し、会食を簡素化することで、式の費用を抑えられます。故人を偲ぶ気持ちは変わらず、経済的な負担を軽減できます。
樹木葬や自然葬の検討 墓石を必要としない樹木葬や自然葬を選択することで、大幅に費用を抑えられます。自然に還るという考え方に共感する方におすすめです。
公営墓地の利用 民間の霊園に比べて比較的安価な公営墓地を利用することで、墓地の使用料や管理費を抑えられます。ただし、待機期間が必要な場合があります。
永代供養墓の活用 個別の墓石を持たず、共同の墓に納骨する永代供養墓を選ぶことで、初期費用と管理費を大幅に抑えられます。将来の管理の心配も軽減できます。
寺院や業者との交渉 複数の寺院や業者から見積もりを取り、条件交渉することで費用を抑えられる可能性があります。支払い方法の相談も効果的です。
手作りの供物や装飾 供物や装飾品を手作りすることで、費用を抑えつつ心のこもった納骨式を行えます。家族で協力して準備することで絆も深まります。

 

これらの方法を組み合わせることで、より効果的に納骨の費用を抑えることができます。費用面で不安がある場合は、寺院や石材店、納骨堂の管理者に相談し、自分たちの予算に合った方法を見つけましょう。

 

納骨式の準備と当日の流れ

納骨式は、故人の遺骨を最終的な安息の地に納める大切な儀式です。準備から当日の流れまでを適切に計画することで、滞りなく心を込めた式を執り行うことができます。本章では、納骨式を行うための準備と当日の流れについて詳しく解説します。確認し家族や親族と相談しながら、故人にふさわしい納骨式を準備していきましょう。

納骨先の決定(お墓、納骨堂、その他)

納骨先の選択は、故人の意思や家族の希望、将来の管理のしやすさなどを考慮して決定します。

一般的な選択肢としては、お墓、納骨堂、樹木葬などがあるでしょう。お墓は伝統的な方法で、先祖代々の墓地がある場合はそこに納骨することが多いです。納骨堂は、都市部を中心に人気が高まっており、管理が容易で費用も比較的抑えられます。樹木葬や海洋散骨など、自然に還る方法を選ぶ方も近年増えています。

家族で十分に話し合い、故人の希望や家族の事情に合った納骨先を選びましょう。

必要書類の準備

納骨式を行うには、いくつかの必要書類を準備する必要があります。

最も重要なのは「埋葬許可証」です。埋葬許可証は、火葬時に受け取った「火葬許可証」が兼ねています。火葬許可証は大切に保管し、納骨式当日に忘れずに持参しましょう。

また、お寺や霊園によっては、戸籍謄本や住民票などの追加書類を求められる場合もあります。事前に納骨先に確認し、必要な書類をすべて揃えておくことが大切です。書類の準備は早めに行い、当日の混乱を避けるようにしましょう。

参列者への連絡

納骨式の日程が決まったら、参列者への連絡を行います。一般的に、納骨式は家族や親族を中心とした小規模な集まりで行われることが多いですが、故人との関係性によっては友人や知人を招くこともあります。

連絡する際は、日時や場所、服装などの注意事項を明確に伝えましょう。高齢者や遠方からの参列者には、交通手段や宿泊の手配が必要かどうかも確認します。また、子供や体調の優れない方には、無理に参列を求めず、柔軟に対応することが大切です。

納骨式当日の流れと時間配分

納骨式当日の一般的な流れと時間配分を以下に表でまとめました。

段階 内容 所要時間
集合 参列者が集合し、施主が挨拶 5-10分
読経 僧侶による読経 15-20分
納骨 お墓や納骨堂への納骨 10-15分
焼香 参列者による焼香 10-15分
挨拶 施主による締めの挨拶 5分
会食(任意) 参列者との会食 30-60分

全体の所要時間は、会食を除いて約45分〜1時間程度ですが、所要時間は、参列者の人数や宗派、地域の習慣によって多少の変動があります。

当日はスムーズに進行できるよう、事前に僧侶や墓地管理者と打ち合わせをしておくことをおすすめします。また、天候や参列者の体調にも配慮し、柔軟に対応できるよう準備しておきましょう。

納骨を行わない選択肢もある

納骨は故人の遺骨をお墓や納骨堂に安置する一般的な方法ですが、近年では様々な理由から納骨を行わない選択肢も増えています。

家族構成の変化や価値観の多様化、経済的な事情などにより、従来の納骨方法にとらわれない新しい供養のかたちが注目されています。納骨を行わない選択肢を知ることで、故人や遺族にとって最適な供養方法を選ぶ際の参考になるでしょう。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

遺骨を自宅で保管する

遺骨を自宅で保管することは、法律上問題ありません。故人を身近に感じたい、すぐに納骨する準備が整わないなどの理由で選ばれることがあります。自宅保管の方法としては、仏壇や専用の供養スペースに安置するのが一般的です。

また、遺骨の一部を手元供養品として加工し、残りを納骨する手元供養の選択肢もあります。

散骨や0葬(ゼロソウ)の選択肢

散骨は、粉末状にした遺骨を自然に還す方法で、海や山などで行われます。法律上の規制はありませんが、他人に迷惑をかけない場所を選ぶなど、マナーは守りましょう。

一方、0葬(ゼロソウ)は火葬後に遺骨を引き取らず、火葬場で処理を依頼する方法です。散骨と0葬は、お墓の維持管理や継承の問題を解決できる選択肢として注目されています。金額は散骨は3万円から5万円程度、0葬はさらに低コストで実施可能です。

ただし、これらの方法は従来の価値観と異なるため、故人の意思や遺族の理解が必要です。

 

納骨に関するよくある質問

納骨の経験は人生において数少ない経験となり、悩まれる方も少なくないはず。本章では納骨に関するよくある質問とその回答をまとめました。

納骨後に遺骨を取り出すことは可能か

納骨後に遺骨を取り出すことは可能です。ただし、手続きや注意点があります。

遺骨を取り出す場合は「改葬」の手続きが必要となり、自治体への申請が求められます。改葬許可申請書の提出や、新たな埋葬地の受入証明書の準備が必要です。

お墓から遺骨を取り出す際には、墓石の開閉作業や閉眼供養(魂抜き)を行う必要があります。これらの手続きや作業には費用がかかるため、事前に寺院や石材店に相談し、必要な手続きと費用を確認しておきましょう。

納骨堂の場合は、管理者に直接相談して手続きを進めることになります。

複数の場所に分骨することはできるか

複数の場所に分骨することは可能です。分骨とは、遺骨を複数の場所に分けて納めることを指します。例えば、一部をお墓に納め、残りを手元供養用のミニ骨壷に入れるなどの方法があります。

分骨の理由は様々で、菩提寺が遠方にある場合や、故人と常に一緒にいたい遺族の思いなどが挙げられます。分骨に法的な制限はありませんが、宗教的な観点から抵抗感を持つ方もいます。

分骨を行う場合は、火葬場で実施するか、既に納骨された遺骨を取り出して行うかの2つの方法があります。どちらの場合も、必要な手続きや証明書の準備が必要となるため、事前に関係機関に確認しましょう。

納骨の際に心を慰める方法はありますか?

納骨の際に心を慰める方法は、個人の感情や状況に応じて様々な方法があります。

故人との思い出を大切にし、家族や親しい人と共有することで悲しみを和らげたり、自分の気持ちを日記や手紙で表現するのも効果的です。また、遺骨の一部を手元供養品にすることで、故人とのつながりを感じられる場合もあります。

無理に気持ちを整理しようとせず、自分のペースで少しずつ前に進むことが大切です。自分の感情に正直に向き合い、必要に応じて周囲のサポートを受けることで、納骨の際の心が整理でき、故人との新しい関係性を築いていくことができるでしょう。
 

まとめ:納骨の未来のありかたと多様性とは

納骨堂は、都市部での土地不足や維持管理の簡便さを重視する新しい埋葬スタイルとして、今後さらに注目されることが予想されます。

そして、日本が多死社会に突入する中で、死生観や葬儀、供養の在り方は急速に変化し、家族構成や商習慣の変化とともに、従来の墓地や供養の形式に代わる選択肢として、納骨堂のような新しい形が求められています。

参拝やご供養の方法などもデジタル化が進み、事業者側も生活者側も多様性を受け入れる必要があるでしょう。私達goennは納骨や参拝などを支援するプラットフォームを展開し「どこからでも、いつでも」故人に会える場所を提供しています。

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