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納骨堂

納骨堂とは?種類や費用・メリットデメリットを解説

2024.11.05
2025.01.15
納骨堂

納骨堂は、従来の墓地とは異なる新しい供養の形として注目を集めています。本記事では、定義から種類、費用、メリット・デメリットなど、幅広く解説します。また、自分や家族にあった選び方のポイントなども紹介し、これから検討される方に役立つ情報をお届けします。納骨堂とは何かという点について、知りたい方におすすめの内容です。

 

納骨堂とは

納骨堂は、遺骨を安置するための現代的な施設です。従来の墓地に代わる選択肢として注目を集めています。

本章では、納骨堂とはという点で、定義や特徴などを解説します。

定義と特徴

納骨堂は、墓地埋葬法において「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」と定義されています。

特徴として、ロッカー式、自動搬送式、仏壇式など多様な形態があり、利用者のニーズに合わせて選択が可能です。

また、屋内に設置されているため、天候に左右されずに墓参りができる点も特徴的です。納骨堂は、寺院や自治体、民間企業など様々な主体によって運営されており、宗教や宗派を問わず利用できる施設も多くあります。

一般墓の違い

納骨堂と一般墓の主な違いは、遺骨の安置場所と管理方法にあります。それぞれの違いを以下表にてまとめました。

項目 納骨堂 一般墓
定義 室内に遺骨を安置する施設。 屋外に設置された墓地に遺骨を埋葬する墓石。
場所 室内や建物内に設置され、主に都市部に多い。 寺院の境内や墓地に設置され、都市部・郊外に広く分布。
費用 比較的低価格で、維持管理費が少ない場合が多い。 墓地の購入や墓石の設置、維持費が必要で高額になりがち。
管理 管理会社や寺院が定期的に管理。 家族や親族による定期的な手入れが必要。
宗教 宗派を問わない場合が多く、誰でも利用しやすい。 寺院墓地の場合、特定の宗教・宗派が条件となることがある。
スペース コンパクトでスペースを取らず、場所に困らない。 ある程度のスペースが必要で、都市部では取得が難しい場合も。
アクセス 施設内にエレベーターやバリアフリー設備が整っていることが多い。 墓地の場所によってはアクセスが不便な場合がある。
天候の影響 屋内なので、天候に左右されず訪問しやすい。 屋外にあるため、天候によっては訪問が難しいことも。
維持管理 維持管理が施設側で行われるため、個人の負担が少ない。 家族での手入れが必要で、定期的な掃除やメンテナンスが必要。

 

このように、納骨堂と一般墓では違いが多く見られます。どちらが良い悪いではなく、どちらを選ぶかは、個々のニーズや状況によります。

永代供養墓との比較

納骨堂と永代供養墓は、どちらも従来の墓地に代わる選択肢として注目されていますが、いくつか違いがあります。以下の表で、両者の主な特徴を比較します。

特徴 納骨堂 永代供養墓
設置場所 主に屋内 主に屋外
遺骨の安置方法 個別の収蔵スペース 多くは合祀型(立体型・個別集合型・樹木葬型等)
供養形態 施設による(永代供養可能な場合あり) 永続的な供養を約束
墓参りの形式 施設内での参拝 屋外での墓参り

 

納骨堂は個別の収蔵スペースを持つことができ、個人的な供養が可能です。一方、永代供養墓は寺院や霊園が責任を持って永続的に供養を行うことが特徴です。

納骨堂の中には永代供養のサービスを提供しているものもあり、永代供養墓の特徴を兼ね備えた選択肢も存在します。選択の際は、個人や家族の希望、費用、管理の手間、将来的な継承の問題などを総合的に考慮することが重要です。

無縁仏になる心配がない

納骨堂の大きな利点の一つは、無縁仏になる心配が少ないことです。多くの納骨堂では、永代使用や長期の使用期間が設定されており、管理者が継続的に遺骨の管理と供養を行います。

そのため、家族や親族がいない場合でも、納骨堂の運営主体が責任を持って遺骨を管理するために、無縁仏化のリスクの低下になることも。一部の納骨堂では、将来的に合祀される仕組みを持っているものもあり、長期的な供養の継続が保証されています。この特徴は、少子高齢化や核家族化が進む現代社会において、大きな安心感を提供しています。

 

種類と特徴

納骨堂には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。以下の4つのタイプについて詳しく解説します。

  • ロッカー型納骨堂
  • 仏壇型納骨堂
  • 墓石型納骨堂
  • 自動搬送型納骨堂

 

ロッカー型納骨堂とは

ロッカー型納骨堂は、その名の通りコインロッカーのような外観を持つ納骨堂です。

個別の納骨スペースが整然と並び、効率的に多くの遺骨を安置できるのが特徴です。一般的に費用が比較的安く、経済的な選択肢として人気があります。各納骨スペースにはカギがついており、プライバシーが保たれます。

ただし、スペースが限られているため、大きな供物を置くことは難しい場合があります。ロッカー型は、シンプルで機能的な納骨堂を求める方におすすめです。

仏壇型納骨堂とは

仏壇型納骨堂は、伝統的な仏壇のデザインを取り入れた納骨堂です。上段に位牌や遺影を安置し、下段に遺骨を納める構造が一般的です。

ロッカー型よりも高価ですが、より本格的な供養を望む方に適しています。仏壇型は、お花や供物を飾るスペースがあり、従来の墓参りに近い形式でお参りや供養ができます。

また、宗教や宗派を問わず利用できる施設も多く、無宗教の方でも利用しやすいのが特徴です。

墓石型納骨堂とは

墓石型納骨堂は、従来の墓石のデザインを取り入れた納骨堂です。屋内に設置されているため、天候に左右されずにお参りができる点が特徴です。

一般的な墓石と同様に、家名や戒名を刻むことができ、伝統的な墓石の形態を好む方に適しています。永代使用権付きの場合が多く、長期的な視点で見ると経済的な選択肢となる可能性があります。

墓石型は、従来の墓地の雰囲気を大切にしつつ、管理の手間を軽減したい方におすすめです。

自動搬送型納骨堂とは

自動搬送型納骨堂は、最新技術を活用した近代的な納骨堂です。ICカードなどを使用して、バックヤードから参拝ブースまで遺骨が自動で搬送されるシステムを採用しています。

セキュリティが高く、プライバシーが守られる点が特徴です。また、多くの遺骨を効率的に管理できるため、都市部を中心に人気があります。自動搬送型は、手ぶらでお参りができ、管理の手間がほとんどかからないため、忙しい現代人のライフスタイルに適しています。

納骨堂の費用

納骨堂の費用は、一般的な墓石型のお墓と比較して比較的安価であることが特徴です。

納骨堂の購入費用の相場は、およそ20万円から150万円程度となっています。この価格帯は、納骨堂のタイプや規模、立地条件などによって大きく変動します。都市部、特に東京都などの関東圏では、土地代の影響もあり、やや高めの傾向にあります。一方で、地方や郊外では比較的安価な納骨堂も見つけやすくなっています。

タイプ別費用

納骨堂の費用は、そのタイプによって大きく異なります。それぞれ表でまとめたので見ていきましょう。

タイプ 費用相場 特徴
ロッカー型 20~80万円 コインロッカーのような外観、比較的安価
仏壇型 50~150万円 伝統的な仏壇デザイン、家族用は高額
自動搬送型 80~150万円 最新技術を使用、高価だがセキュリティ高
墓石型 100万円~ 従来の墓石デザイン、屋内設置

 

これらの費用には、使用料、永代供養料、年間管理費などが含まれることが一般的ですが、詳細は各施設によって異なる場合があります。また、タイプによって費用が異なるため、自分や家族のニーズに合わせて選択することが大切です。

 

納骨堂を選ぶメリットとデメリット

骨堂を選ぶ際には、メリットとデメリットを十分に理解することが重要です。本章では、納骨堂の主なメリットとデメリット、そして注意点について詳しく解説します。

納骨堂を選ぶメリットとは

納骨堂には、従来の墓石型のお墓と比較して、以下のメリットがあります。

  • 費用が一般的な墓石よりも安い
  • 天候に左右されずお参りができる
  • 永代供養のオプションがある場合が多い

 

それぞれ見ていきましょう。

費用が一般的な墓石よりも安い

納骨堂の最大のメリットの一つは、費用面での優位性です。一般的な墓石型のお墓では、墓地の購入費用や墓石の建立費用などを含めると、200万円から300万円程度の費用がかかることが多いです。

一方、納骨堂の場合、個人利用であれば50万円前後から利用できるケースもあり、費用を抑えることができます。特に、ロッカー型や位牌型の納骨堂は比較的安価な選択肢となっています。

天候に左右されずお参りができる

納骨堂の多くは屋内施設であるため、天候に左右されずにお参りができることも大きなメリットです。

雨や雪、強風などの悪天候時でも、快適に参拝できます。また、屋内施設であることから、冷暖房が完備されていることも多く、季節を問わず快適な環境でお参りができます。

永代供養のオプションがある場合が多い

多くの納骨堂では、永代供養のオプションが用意されています。永代供養のオプションは、将来的に遺骨の管理や供養を継続的に行ってもらえるサービスです。

特に、跡継ぎがいない場合や、将来的な管理に不安がある場合には、大きな安心材料です。永代供養により、無縁仏になる心配も軽減されます。ただし、永代供養のオプションがある場合でも、具体的な内容や費用は施設によって異なるため、事前に確認しましょう。

納骨堂のデメリットと注意点とは

納骨堂にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。主に以下のデメリットや注意点があるでしょう。

  • 使用期限がある場合がある
  • 混雑時の参拝に時間がかかる可能性がある
  • 運営会社の倒産リスクに注意

 

それぞれ詳述します。

使用期限がある場合がある

一部の納骨堂では、使用期限が設定されている場合があります。

例えば、「33回忌まで」などの期限が設けられていることがあり、期間終了後は合祀墓に移されるケースもあります。期限がある場合、長期的な個別の供養が難しくなる可能性も。

また、合祀後は遺骨の取り出しができなくなることもあるため、将来的な計画や家族の意向を十分に考慮する必要があります。

混雑時の参拝に時間がかかる可能性がある

納骨堂は、特定の時期(例:お盆やお彼岸)に多くの人が訪れる傾向があります。そのため、混雑時には参拝に時間がかかる可能性があります。

特に自動搬送型の納骨堂では、システムの処理能力に限りがあるため、待ち時間が発生することがあります。また、エレベーターや参拝スペースが混雑し、ゆっくりとお参りができない場合も。

混雑を避けるためには、比較的空いている時期や時間帯を選んでお参りすることをおすすめします。

運営会社の倒産リスクに注意

納骨堂、特に民間企業が運営するものについては、運営会社の倒産リスクに注意する必要があります。

運営会社が倒産した場合、納骨堂の管理や運営が滞る可能性があり、最悪の場合、遺骨の管理や供養に支障をきたす恐れがあります。このリスクを軽減するためには、運営会社の財務状況や実績、信頼性などを事前に十分調査することが重要です。

また、寺院や自治体が運営する納骨堂を選択するのも一つの方法です。

自分や家族に合った選び方のポイントとは

自分や家族のニーズに合った納骨堂を選ぶことで、長期的に満足できる選択になるでしょう。本章では、以下の納骨堂選びに重要なポイントについて解説します。

  • 立地とアクセスを確認する
  • 宗教や宗派の制限を確認する
  • 将来的な継承や管理の計画を立てる
  • 家族や親族の意見を聞く

 

順に見ていきましょう。

立地とアクセスを確認する

納骨堂の立地とアクセスは、長期的な利用を考える上で大切です。

特に、頻繁にお参りに行きたい場合は、交通の便が良い場所を選ぶことが大切です。東京都や関東圏では、駅から徒歩圏内にある納骨堂も多く、こうした施設は利便性が高いと言えます。

また、車でのアクセスを考える場合は、駐車場の有無や周辺の道路状況も確認しましょう。将来的に高齢になっても無理なくお参りできる場所を選ぶことで、長く利用できる納骨堂となります。

宗教や宗派の制限を確認する

納骨堂には、宗教や宗派による制限がある場合とない場合があります。寺院が運営する納骨堂では、特定の宗派に限定されていることがありますが、民間企業や自治体が運営する施設では、多くの場合宗教や宗派を問わず利用できます。無宗教の方や、特定の宗教にこだわりがない場合は、宗教不問の納骨堂を選ぶことで選択肢が広がります。

契約前に必ず宗教や宗派に関する制限を確認し、自分や家族の希望に合っているかを確かめましょう。

将来的な継承や管理の計画を立てる

将来的な継承や管理について考えることも大切です。永代供養墓の形態を選ぶことで、将来的な管理の心配を軽減できる場合があります。使用期限や合祀の条件なども確認しておくべき点です。

一部の納骨堂では、一定期間後に合祀されるケースもあるため、長期的な計画を立てる際にはこの点も考慮に入れましょう。

家族や親族の意見を聞く

納骨堂の選択は、個人だけでなく家族全体に関わる重要な決定です。ですので、家族や親族の意見を聞くことが大切です。

特に、夫婦や兄弟姉妹など、直接関係する家族の意見を尊重し、全員が納得できる選択をしましょう。また、将来的に墓参りをする可能性のある親族の意見も参考にすると良いでしょう。

家族で納骨堂を見学に行くなどして、実際の雰囲気や設備を確認することも、合意形成には有効です。家族全員が納得できる納骨堂を選ぶことで、将来的なトラブルを防ぎ、安心して利用できる環境を整えることができます。

 

納骨の流れと必要な手続きとは

納骨堂における納骨までの流れと必要な手続きを、以下の表にまとめました。

手順 内容
納骨堂の選定と契約 納骨堂の種類(ロッカー型、位牌型、自動搬送型など)を選び、管理者と契約を交わします。施設の特徴、管理費用、アクセス条件を確認し、契約時に初期費用を支払います。
火葬許可証と埋葬許可証の取得 火葬後、市区町村役所で火葬許可証を埋葬許可証に切り替えて取得します。これらの許可証は、納骨堂で遺骨を安置する際に提出が必要です。
納骨の日程調整 納骨堂の管理者と相談し、納骨の日程を決定します。宗教儀式を伴う場合は、僧侶や神父の日程も調整します。
宗教儀式の準備 納骨堂での納骨は宗教儀式と共に行われることが多いため、お経や祈りの準備を行います。僧侶や神父を招いて法要を計画し、式の内容や進行を確認して準備します。宗教儀式に関わる費用も事前に準備し、当日支払うことが多いです。
納骨の実施 当日は納骨堂での手続きを進めます。管理者の指示に従って遺骨を所定の場所に安置し、宗教儀式がある場合は式典に参加して故人を偲びます。
お礼と報告 納骨後は、僧侶や神父、納骨堂のスタッフへのお礼を行い、親しい人々に納骨が完了したことを報告します。宗教儀式に伴う費用や管理費用の残りをこのタイミングで精算することもあります。

 

このように、計画的に進めることでスムーズに行うことができます。

 

よくある質問

納骨堂の利用方法や特徴について疑問を持つ方も多いでしょう。納骨堂に関するよくある質問とその回答をまとめました。

無宗教でも納骨堂は利用可能?

多くの納骨堂では無宗教の方でも利用可能です。近年、宗教や宗派を問わない「宗旨宗派不問」の納骨堂が増えており、特定の宗教を信仰していない方でも安心して利用できます。

例えば、東京都や関東圏の都市部では、民間企業や自治体が運営する宗教不問の納骨堂が多く見られます。これらの施設では、無宗教の方はもちろん、仏教以外の宗教を信仰する方も受け入れています。

ただし、寺院が運営する納骨堂の中には、特定の宗派に限定しているケースもあるため、事前に確認することをおすすめします。

納骨壇とは何ですか?

納骨壇は、納骨堂内で遺骨を安置するための個別のスペースを指します。一般的に、ロッカー型や仏壇型などさまざまなタイプがあり、各家族や個人ごとに割り当てられます。納骨壇のサイズや形状は施設によって異なりますが、多くの場合、遺骨を収めた骨壷や位牌を安置できます。

納骨堂での供養やお参りの方法やルールはある?

納骨堂での供養やお参りの方法は、施設によって異なりますが、一般的なルールや方法があります。

多くの納骨堂では、参拝時間が設定されており、その時間内であれば自由にお参りできます。供養の方法としては、お線香をあげたり、お花や供物を供えたりすることが一般的です。ただし、火気の使用や大きな供物の持ち込みが制限されている場合もあるため、各施設のルールを確認しましょう。

 

まとめ:礼拝の未来のありかたと多様性とは

納骨堂は、都市部での土地不足や維持管理の簡便さを重視する新しい埋葬スタイルとして、今後さらに注目されることが予想されます。

そして、日本が多死社会に突入する中で、死生観や葬儀、供養の在り方は急速に変化し、家族構成や商習慣の変化とともに、従来の墓地や供養の形式に代わる選択肢として、納骨堂のような新しい形が求められています。

参拝やご供養の方法などもデジタル化が進み、事業者側も生活者側も多様性を受け入れる必要があるでしょう。私達goennは納骨や参拝などを支援するプラットフォームを展開し「どこからでも、いつでも」故人に会える場所を提供しています。

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