納骨堂
納骨堂とは?種類や費用・メリットデメリットを解説

納骨堂とは、従来の墓地とは異なる新しい供養の形として注目を集めているスタイルです。とはいえ、「納骨堂って何?」「選んだ後で後悔しない?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
十分な情報がないままに納骨堂を選んでしまい、思わぬ負担やトラブルにつながるのは避けたいものです。将来にわたって安心できる供養を実現するには、納骨堂について正しい情報を理解することが欠かせません。
本記事では、納骨堂の定義から種類、費用の目安に加え、利用するメリット・デメリットなどを解説します。納骨堂を選ぶ前に知っておくべき基本情報を理解し、後悔のないお墓選びにつなげましょう。
納骨堂とはどのようなもの?一般墓との違いを比較
納骨堂は、遺骨を安置するための現代的な施設です。従来の墓地に代わる選択肢として注目を集めています。
ここからは、納骨堂とはどんな施設なのか、定義や特徴から一般墓といった従来のお墓との違いまでを解説します。
納骨堂の定義と特徴
納骨堂は、墓地埋葬法において「他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設」と定義されています。
〈納骨堂の特徴〉
- 屋内に設置されているため、天候に左右されずに墓参りができる
・ロッカー式、自動搬送式、仏壇式など多様な形態があり、利用者のニーズに合わせて選択が可能
・寺院や自治体、民間企業など様々な主体によって運営されており、宗教や宗派を問わず利用できる施設も多い
このように、納骨堂は多様なニーズに応えられる柔軟性を備えており、現代のライフスタイルに合った新しい供養の形として注目されています。
納骨堂と一般墓の比較
一般墓と納骨堂では、遺骨の安置場所や管理方法が大きく異なります。維持管理がしやすく費用負担も軽減しやすいことから、長期的な視点で見ても納骨堂を選ぶメリットは多いといえるでしょう。
以下の表で、納骨堂と一般墓の主な違いを比較します。
項目 | 納骨堂 | 一般墓 |
定義 | 室内に遺骨を安置する施設。 | 屋外に設置された墓地に遺骨を埋葬する墓石。 |
場所 | 室内や建物内に設置され、主に都市部に多い。 | 寺院の境内や墓地に設置され、都市部・郊外に広く分布。 |
費用 | 比較的低価格で、維持管理費が少ない場合が多い。 | 墓地の購入や墓石の設置、維持費が必要で高額になりがち。 |
管理 | 管理会社や寺院が定期的に管理。 | 家族や親族による定期的な手入れが必要。 |
宗教 | 宗派を問わない場合が多く、誰でも利用しやすい。 | 寺院墓地の場合、特定の宗教・宗派が条件となることがある。 |
スペース | コンパクトでスペースを取らず、場所に困らない。 | ある程度のスペースが必要で、都市部では取得が難しい場合も。 |
アクセス | 施設内にエレベーターやバリアフリー設備が整っていることが多い。 | 墓地の場所によってはアクセスが不便な場合がある。 |
天候の影響 | 屋内なので、天候に左右されず訪問しやすい。 | 屋外にあるため、天候によっては訪問が難しいことも。 |
維持管理 | 維持管理が施設側で行われるため、個人の負担が少ない。 | 家族での手入れが必要で、定期的な掃除やメンテナンスが必要。 |
納骨堂と一般墓には、多くの違いがあります。どちらが優れているというわけではなく、それぞれのニーズや事情に合った選択をすることが大切です。
納骨堂と永代供養墓の比較
納骨堂と永代供養墓は、どちらも従来の墓地に代わる選択肢として注目されていますが、役割や運用方法にいくつかの違いがあります。
以下の表で、両者の主な特徴を比較しましょう。
特徴 | 納骨堂 | 永代供養墓 |
設置場所 | 主に屋内 | 主に屋外 |
遺骨の安置方法 | 個別の収蔵スペース | 多くは合祀型(立体型・個別集合型・樹木葬型等) |
供養形態 | 施設による(永代供養可能な場合あり) | 永続的な供養を約束 |
墓参りの形式 | 施設内での参拝 | 屋外での墓参り |
納骨堂は、個別の収蔵スペースを設けて遺骨を安置することが可能です。参拝スペースが個人や家族単位で用意されているため、故人とのつながりを大切にした供養がしやすくなります。
一方、永代供養墓は、あらかじめ定められた管理者が供養を継続する仕組みです。跡継ぎがいない場合でも管理を任せられるため、将来的な不安を軽減しやすくなります。さらに、合同での供養が一般的であることから、費用や管理面での負担を抑えたい方にも向いているといえるでしょう。
近年では、永代供養の仕組みを取り入れた納骨堂も増えてきました。両者のメリットを組み合わせた新しい供養の形として、多様なニーズに対応する選択肢のひとつとなっています。
納骨堂の人気が高まっている理由3つ
近年、納骨堂を選ぶ人が増えている背景には、従来の墓地にはなかった利便性や時代に合ったニーズへの対応があります。
ここでは、納骨堂が選ばれるようになった背景や人気の高まりにつながっている具体的なポイントについて解説しましょう。
都市部でも利用しやすい立地と利便性
納骨堂は、都市部の駅近や交通アクセスの良い立地に多く建てられている点が特徴です。このような利便性の高さが、多くの人に選ばれる理由のひとつとなっています。
〈納骨堂の立地や利便性に関するポイント〉
- 公共交通機関を使って気軽にお参りすることができる
- 車を持たない方や高齢者でも通いやすい
- 施設によってはエレベーターやバリアフリー設計が導入されており、体力に不安のある方でも安心して利用できる
職場や生活圏からのアクセスしやすい立地であれば、仕事の合間や休日にも立ち寄りやすいでしょう。日常生活の中で供養を続けやすい点も、納骨堂の人気を後押ししています。
管理や掃除の手間が少なくて負担が軽い
従来のお墓では、草むしりや墓石の掃除など、定期的な手入れが必要でした。しかし、納骨堂は屋内型が主流で、管理の手間が大幅に軽減されています。
〈納骨堂の管理がしやすい理由〉
- 多くの施設では、管理費に清掃や設備点検が含まれている
- 屋内に遺骨を安置するスタイルが一般的
- 自然災害や風雨による劣化の影響を受けにくく、長期間にわたって清潔で安全な環境を維持できる
納骨堂は、高齢の方や遠方に住むご家族、仕事で忙しい世代にとっても、無理なく管理を維持できる選択肢です。「管理がしやすい」という点で、現代のライフスタイルに合った供養の形として、多くの支持を集めています。
納骨堂は無縁仏になる心配がなく安心
納骨堂の大きな利点のひとつが、無縁仏になるリスクを抑えられることです。特に、少子高齢化や核家族化が進む現代において、身寄りのない高齢者や独身の方にとっては、安心できる選択肢となります。
〈無縁仏になりにくい理由〉
- 多くの納骨堂では、永代使用や長期使用の契約が可能
- 管理者が遺骨の保管と供養を継続して行う
- 契約終了後は合祀墓に移されるなど、供養が続けられる仕組みが整備
- 将来の管理を家族に任せる必要がなく、自ら供養の形を選んで備えられる
納骨堂は将来に対する不安を軽減し、自分自身で納得のいく供養を計画できる点が大きな魅力です。
希望の納骨堂を見つけるために…種類と特徴を知ろう
納骨堂にはいくつかの種類があり、供養方法や参拝のしやすさなどが異なります。それぞれの種類を理解しないままに価格や見た目だけで選択すると、後になって「違う形式を選べばよかった…」と後悔するかもしれません。
自分や家族にとって無理のない供養方法を選択するためにも、それぞれの特徴を把握しましょう。
- ロッカー型納骨堂
- 仏壇型納骨堂
- 墓石型納骨堂
- 自動搬送型納骨堂
ロッカー型納骨堂とは
ロッカー型納骨堂は、その名の通りコインロッカーのような外観を持つ納骨堂です。個別の納骨スペースが整然と並んでおり、限られた空間に効率よく、多くの遺骨を安置できます。
〈主な特徴〉
- 費用が比較的安価。経済的な負担を抑えたい方に人気
- 各納骨スペースにはカギがついているためプライバシーが確保されており、他者の目を気にせずお参りできる
- スペースが限られているため、大きな供物を置くことは難しい場合がある
形式にこだわらず、シンプルかつ実用性を重視した納骨堂を探している方にとって、有力な選択肢となるでしょう。
仏壇型納骨堂とは
伝統的な仏壇のデザインを取り入れた納骨堂です。上段に位牌や遺影、花立てなどを設置し、下段に遺骨を収める構造になっていることが多く、家庭内にある仏壇に近い感覚で供養を行えます。
〈主な特徴〉
- ロッカー型に比べ、価格はやや高めに設定されている傾向。ですが、その分落ち着いた空間で丁寧な供養ができる
- 故人との時間を静かに過ごしたい方や、毎回手を合わせてお線香を供えたい方向き
- 花や供物を飾るスペースが確保されており、一般的なお墓参りに近いスタイルで手厚い供養が可能
- 宗教や宗派に関係なく受け入れている施設も多く、無宗教の方でも気軽に利用できる
信仰の有無にかかわらず、自分らしい供養の形を選びたい方にとって柔軟性のある選択肢です。
墓石型納骨堂とは
従来のお墓と同じような、墓石のデザインを取り入れた納骨堂です。施設の多くは屋内に設置されており、雨や風といった天候の影響を受けず、快適にお参りできる環境が整っています。
〈主な特徴〉
- 一般的な墓石とほとんど変わらない見た目
- 屋内型のため、雨風の影響を受けず、年中快適にお参りが可能
- 多くの施設で永代使用権が付帯しており、継承者がいなくても供養が続けられる設計
家名や戒名を刻むことができるため、従来の様式にこだわりたい方や、代々の墓をイメージして供養したい方に適しています。伝統を大切にしつつ、現代的な利便性も求める方におすすめの納骨堂形式です。
自動搬送型納骨堂とは
ICカードやQRコードなどを使い、遺骨がバックヤードから参拝スペースまで自動的に運ばれてくる最新式の納骨堂です。受付端末にカードをかざすだけで遺骨が専用ブースに運ばれ、落ち着いた空間でお参りができます。
〈主な特徴〉
- 自動システムにより多くの遺骨を効率よく管理できる
- セキュリティの高さとプライバシーの保持。区画ごとに仕切られた個別ブースが設けられているため、他人の視線を気にせず、静かに供養できる
- 手ぶらでも立ち寄れる
- 掃除・補充といった日々の管理が不要
省スペースで大量の収納が可能なうえ、施設全体がスマートに運営されているため、都心部などの土地が限られた地域で導入が進んでいるスタイルです。
現代のライフスタイルに合った、新しい供養のかたちとして注目を集めています。
納骨堂の費用とは|種類によって値段は違うのか解説
納骨堂の費用は、一般的な墓石型のお墓と比べ比較的安価な傾向があります。
費用の違いを理解することは、予算と希望のスタイルとのバランスを取りながら、納得のいく選択をするために欠かせません。
後悔のないお墓選びができるよう、納骨堂の費用について事前に確認しておきましょう。
タイプ別費用
納骨堂の費用は、そのタイプによって大きく異なります。それぞれの費用の目安を表にまとめたのでご紹介します。
タイプ | 費用相場 | 特徴 |
ロッカー型 | 20~80万円 | コインロッカーのような外観、比較的安価 |
仏壇型 | 50~150万円 | 伝統的な仏壇デザイン、家族用は高額 |
自動搬送型 | 80~150万円 | 最新技術を使用、高価だがセキュリティ高 |
墓石型 | 100万円~ | 従来の墓石デザイン、屋内設置 |
これらの費用には、使用料や永代供養料、年間管理費などが含まれるのが一般的ですが、詳細は施設によって異なります。購入後のトラブルを防ぐためにも、管理費の有無や追加費用の条件などは、契約前に確認しておきましょう。
また、納骨堂の種類によって費用の仕組みも異なるため、自分や家族の希望に合ったタイプを選ぶことが重要です。費用を比較する際は、金額だけでなく「どんなサービスが含まれているか」「管理の手間はどの程度か」といった点にも注目しましょう。
自分や家族のライフスタイル、供養の考え方に合った納骨堂を選ぶことが、満足度の高い選択につながります。
後悔を防ぐ!納骨堂を選ぶメリットとデメリットとは
納骨堂を選ぶ際には、メリットだけでなくデメリットにも目を向けることが重要です。あらかじめデメリット面を把握し、許容できるかを検討したうえで選択すれば「思っていたものと違った」と後悔するリスクを減らせます。
ここでは、納骨堂の主なメリットとデメリット、そして選ぶ際に気を付けたい注意点について解説します。
納骨堂を選ぶメリット
納骨堂には、従来の墓石型のお墓と比較して、以下のメリットがあります。
- 費用が一般的な墓石よりも安い
- 天候に左右されずお参りができる
- 永代供養のオプションがある場合が多い
それぞれを、詳しく見ていきましょう。
費用が一般的な墓石よりも安い
納骨堂の大きなメリットのひとつは、費用を抑えやすいことです。一般的な墓石型のお墓では、墓地の購入費用や墓石の建立費用などを含めると、200万円から300万円程度の費用がかかるケースも珍しくありません。
一方、納骨堂の場合はタイプによって価格帯の幅が広く、個人利用であれば50万円前後から利用できる場合もあります。特に、ロッカー型や位牌型の納骨堂は比較的安価に契約できる傾向があり、経済的な負担を軽くしたい方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
天候に左右されずお参りができる
納骨堂は屋内に設置されているケースが多いため、次のようなメリットがあります。
- 天候に左右されずにお参りができる
- 冷暖房が完備。季節を問わず快適にお参りができる
特に高齢の方や小さなお子さま連れの家族にとっては、天候による負担が少ないことで、気軽に通いやすくなるでしょう。参拝スペースにベンチが設けられている施設もあり、体への負担を軽減できる配慮がなされている場合もあります。
季節や天候に左右されず、家族の都合に合わせていつでも足を運べる環境は、無理なく供養を続けたい方にとって大きな利点といえるでしょう。
永代供養のオプションがある場合が多い
多くの納骨堂では、永代供養のオプションが用意されています。これは、遺族に代わって施設側が遺骨の管理や供養を長期的に担ってくれる仕組みです。
〈永代供養の主なメリット〉
- 遺族に代わって供養を継続してくれる
- 跡継ぎがいない場合も無縁仏になる心配が少ない
- 将来的な墓守の負担を軽減できる
特に、継承者のいない方や、家族に負担をかけたくないと考えるご家庭にとっては、安心して利用できる供養方法といえるでしょう。
ただし、永代供養といっても内容は一律ではありません。個別供養の期間や合祀のタイミング、管理費の有無などは施設によって異なります。
契約前には、提供されるサービス内容や費用の内訳をしっかり確認しておくことが大切です。
納骨堂のデメリットと注意点
納骨堂には多くのメリットがある一方で、注意したいデメリットも存在します。契約後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、あらかじめ弱点やリスクを理解しておくことが重要です。
具体的な注意点としては、以下のようなものが挙げられます。
- 使用期限が設けられている場合がある
- 混雑時は参拝に時間がかかる可能性がある
- 運営会社の倒産リスクに備える必要がある
それぞれデメリットについて詳しく説明します。
使用期限がある場合がある
一部の納骨堂では、「33回忌まで」など使用期限があらかじめ定められている場合があります。期間満了後は、遺骨が合祀墓へ移されるケースも多く、契約前の確認が欠かせません。
〈使用期限がある納骨堂で注意すべきポイント〉
- 使用期限が終了すると、合祀される場合がある
- 合祀後は、遺骨を個別に取り出せないことが多い
- 長期間にわたり個別での供養を希望する場合は、慎重な検討が必要
将来的にも家族がお参りを続けたいと考えている場合や、遺骨を長期間にわたり個別に安置しておきたい場合には、期限付きの契約が適しているかどうかを見極める必要があります。
後悔のない選択をするためにも、使用期限の有無や合祀後の取り扱いについて家族と十分に話し合い、納得したうえで契約することが大切です。
混雑時の参拝に時間がかかる可能性がある
納骨堂は、多くの人が訪れやすいタイミングがあり、スムーズにお参りできない場合が考えられます。混雑時に起こりやすい問題として、以下のような点が挙げられます。
- お盆やお彼岸、休日は混雑しやすく、待ち時間が長くなる場合がある
- 受付から遺骨が搬送されるまでに時間がかかる場合がある
- エレベーターや参拝ブースが混み合い、落ち着いて手を合わせにくいと感じる可能性がある
こうした混雑を避けたい場合は、比較的空いている時間帯や平日を選んで訪れるのがおすすめです。施設によっては、混雑状況を事前に確認できるサービスを提供しているところもあります。活用すれば、より快適に参拝できるでしょう。
運営会社の倒産リスクに注意
納骨堂、特に民間企業が運営するものについては、運営会社の倒産リスクに目を向けることも大切です。万が一、運営元が倒産すると、納骨堂の管理や供養が継続できなくなるおそれがあります。
このリスクを軽減するには、運営会社の財務状況や実績、信頼性などを事前に十分調査することが欠かせません。契約前に情報を集め、信頼できるかどうか慎重に見極めましょう。
倒産リスクをできるだけ避けたい場合は、寺院や自治体など公的な機関が運営する納骨堂を選ぶのもひとつの方法です。安定性や信頼性を重視する方にとって、安心感のある選択肢となります。
自分や家族に合った納骨堂の選び方のポイントとは
納骨堂は長く付き合っていくものだからこそ、自分や家族のニーズに合った施設を選ぶことが大切です。事前に条件をしっかり確認し、納得したうえで選ぶことで、将来的にも満足できる決断につながります。
納骨堂選びで後悔しないために、押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
- 立地とアクセスを確認する
- 宗教や宗派の制限を確認する
- 将来的な継承や管理の計画を立てる
- 家族や親族の意見を聞く
立地とアクセスを確認する
納骨堂の立地とアクセスは、長期的な利用を考える上で大切です。特に、定期的にお参りに行きたいと考えている場合は、交通の便が良い場所を選ぶことで通いやすさが大きく変わります。
東京都や関東圏では、駅から徒歩圏内にある納骨堂も少なくありません。また、公共交通機関を利用しやすい施設は、利便性の面で高く評価されています。
車でのアクセスを考える場合は、駐車場の有無や周辺の道路状況も確認しましょう。高齢になっても無理なくお参りできる場所を選ぶことで、継続的な供養がしやすくなります。
宗教や宗派の制限を確認する
納骨堂には、宗教や宗派によって利用条件が異なる場合があります。たとえば、寺院が運営する納骨堂では、特定の宗派に限定されているケースが少なくありません。
一方で、民間企業や自治体が運営する施設では、多くの場合宗教や宗派を問わず利用できるケースが見られます。無宗教の方や、特定の宗教にこだわりがない場合は、宗教不問の納骨堂を選ぶことで選択肢が広がるでしょう。
契約前に必ず宗教や宗派に関する制限を確認し、自分や家族の希望に合っているかチェックすることが大切です。
将来的な継承や管理の計画を立てる
納骨堂を選ぶ際には、将来的な継承や管理に関する計画を立てておくことが大切です。事前に確認・検討しておくことで、後悔のない選択につながります。
〈計画時に確認したいポイント〉
- 永代供養の有無:家族の負担を軽減しつつ、長期間の供養が可能
- 使用期限や合祀の条件:契約内容によっては、一定期間経過後に合祀される場合がある
- 供養の形式:施設によって供養の方法や頻度が異なるため、事前の確認が重要
こうした条件を事前に把握しておくことで、「思っていた供養の形と違った」といった後悔を避けられます。
家族全員が納得し、長く安心して利用できる納骨堂を見つけるためには、長期的な視点に立った計画的な検討が欠かせません。
家族や親族の意見を聞く
お墓選びは、個人だけでなく家族全体に関わる重要な選択です。そのため、事前に家族や親族の意見を聞くことが欠かせません。
特に、夫婦や兄弟姉妹など、直接関係する家族の考えを尊重し、全員が納得できるような選択を心がけましょう。また、将来的に墓参りをする可能性のある親族の意見も、参考になります。
実際に家族で納骨堂を見学し、施設の雰囲気や設備を一緒に確認することも、お墓選びに役立ちます。家族全員が納得して決めた納骨堂をであれば、将来的なトラブルを避けやすく、安心して利用し続けられる環境が整うでしょう。
事前に知りたい納骨の流れと必要な手続きについて
納骨堂における納骨までの流れと必要な手続きを、以下の表にまとめました。
施設によって若干の違いがある場合もありますが、心に余裕をもって準備を進めるためにも、基本的な流れを理解しておきましょう。
手順 | 内容 |
納骨堂の選定と契約 | 納骨堂の種類(ロッカー型、位牌型、自動搬送型など)を選び、管理者と契約を交わします。施設の特徴、管理費用、アクセス条件を確認し、契約時に初期費用を支払います。 |
火葬許可証と埋葬許可証の取得 | 火葬後、市区町村役所で火葬許可証を埋葬許可証に切り替えて取得します。これらの許可証は、納骨堂で遺骨を安置する際に提出が必要です。 |
納骨の日程調整 | 納骨堂の管理者と相談し、納骨の日程を決定します。宗教儀式を伴う場合は、僧侶や神父の日程も調整します。 |
宗教儀式の準備 | 納骨堂での納骨は宗教儀式と共に行われることが多いため、お経や祈りの準備を行います。僧侶や神父を招いて法要を計画し、式の内容や進行を確認して準備します。宗教儀式に関わる費用も事前に準備し、当日支払うことが多いです。 |
納骨の実施 | 当日は納骨堂での手続きを進めます。管理者の指示に従って遺骨を所定の場所に安置し、宗教儀式がある場合は式典に参加して故人を偲びます。 |
お礼と報告 | 納骨後は、僧侶や神父、納骨堂のスタッフへのお礼を行い、親しい人々に納骨が完了したことを報告します。宗教儀式に伴う費用や管理費用の残りをこのタイミングで精算することもあります。 |
事前に計画を立てておくことで、納骨の手続きをスムーズに進められます。
宗教制度やお参りのルールは?納骨堂に関連するよくある質問
納骨堂は近年利用が広がっている一方で、具体的な仕組みや注意点については分かりにくいと感じる方も多いでしょう。
ここでは、納骨堂に関して寄せられる代表的な疑問とその回答をまとめました。安心して納骨堂を利用するために、利用方法や供養のルール、費用面などについて、把握しましょう。
無宗教でも納骨堂は利用可能?
近年では宗教や宗派を問わない「宗旨宗派不問」の納骨堂が増えており、特定の宗教を信仰していない方でも利用できる施設が主流です。
特に東京都や関東圏の都市部では、民間企業や自治体が運営する宗教不問の納骨堂が多く見られます。無宗教の方はもちろん、仏教以外の宗教を信仰する方も利用可能です。
ただし、寺院が運営する納骨堂の中には、特定の宗派に限定しているケースもあります。事前に確認しておくと、契約後のトラブルを予防できるでしょう。
納骨壇とは何ですか?
納骨壇とは納骨堂内に設けられた遺骨の安置スペースのこと。各家族または個人ごとに割り当てられており、ロッカー型や仏壇型など、さまざまな形式がある。
サイズや構造は施設ごとに異なりますが、骨壷や位牌を納められるよう設計されているのが一般的です。中には写真や供花、小さなお供え物などを置けるスペースが確保されているタイプもあり、個別性やプライバシーを重視した設計になっているものもあります。
自分や家族の希望に合った納骨壇を選べば、納骨後も気持ちよく手を合わせられるでしょう。
納骨堂での供養やお参りの方法やルールはある?
納骨堂での供養やお参りの方法は、施設によって異なるものもありますが、一般的に共通するルールや方法も存在します。
- 参拝時間が設定されており、時間内であれば自由にお参りできる
- お線香をあげたり、お花や供物を供えるなどの供養方法が一般的
- 火気の使用が禁止されている場合がある
- 大きな供物や腐敗しやすいものは持ち込みが制限されている場合がある
他の利用者に配慮し穏やかな時間を過ごすためにも、事前に施設の利用ガイドや注意事項を確認し、ルールを守って参拝しましょう。
まとめ:礼拝の未来のありかたと納骨堂の多様性とは
納骨堂は、都市部での土地不足や維持管理の簡便さを重視する新しい埋葬スタイルとして、今後さらに注目されていくと予想されます。
日本が多死社会に突入する中で、死生観や葬儀、供養の在り方は急速に変化していくでしょう。家族構成や商習慣の変化とともに、従来の墓地や供養の形式に代わる選択肢として、納骨堂のような柔軟な供養スタイルが求められています。
参拝やご供養の方法などもデジタル化が進み、事業者側も生活者側も多様性を受け入れる姿勢が必要です。
私達goennは納骨や参拝などを支援するプラットフォームを展開し「どこからでも、いつでも」故人に会える場所を提供しています。
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