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お墓の基礎情報

お墓はいらない時代?その理由とおすすめの供養方法を解説

2024.11.19
2025.01.15
永代供養

「お墓っていらない?」と悩んでいませんか?

近年「先祖代々の墓石を守りたいけれど、子供がいないから墓石はいらないのでは?」「維持費用が負担だからお墓はいらない」「家族や心臓が遠方に住んでて管理が難しい」など、お墓に関する不安を抱える方が増えています。

このようなお墓の悩みを放置したままでは、将来的な管理の問題や家族間のトラブル、さらには無縁墓となるリスクも高まってしまいます。

本記事では、「お墓がいらない」と言われている背景から、樹木葬や納骨堂などの新しい供養方法、そして既存のお墓の墓じまいまで、具体的な選択肢と手順を解説します。

これらの情報をもとに、あなたと家族に合った供養方法を探すことで、お墓に対する将来への不安を解消し、故人を安心して供養できる道筋が見えてくるはずです。

お墓はいらないと考える人の理由

現代社会では、「お墓はいらない」と考える人が増えております。この背景には、日本の社会構造の変化や価値観の変化があります。

特に少子高齢化や核家族化が進んだことにより、今までのようなお墓の継承や管理が難しくなってるのが現実です。ここでは、お墓の中でも課題としてあげられることが多い、後継ぎの問題、維持管理の困難さ、経済的負担について解説します。

お墓を継承する人がいない

現代社会では、少子高齢化と核家族化により、お墓の継承問題が深刻化しています。厚生労働省の調査によると、男性の生涯未婚率は20.1%、女性は10.6%に達しており、独身による後継者不在の可能性が高まっています。

また、結婚しても子供を持たない選択をする夫婦も増加しており、将来的にお墓の管理者がいなくなってしまうケースも増えているのが現実です。

子供がいる家庭でも、進学や就職を機に遠方へ移住するケースが多く、定期的なお墓参りやお墓の管理が物理的に困難な状況が生まれています。

お墓を持つことによる経済的負担が大きい

お墓を所有するには、建立時の初期費用から継続的な管理費用など、経済的負担が発生します。新規でお墓を購入する場合、場所や規模によっても費用は大きく異なりますが、一般的な墓石の建立には相応の費用が必要です。

また、建立後も年間の管理費や供養料が継続的にかかります。お墓を管理するのに必要な費用は、若い世代や高齢者世帯にとって深刻な問題となっています。

お墓に対する価値観やライフスタイルの変化

お墓はいらないと考えている人の背景には、価値観やライフスタイルの変化があり、従来の「家墓」という考え方から、個人の希望を重視する傾向が強まっています。

近年は、若い世代を中心に、樹木葬や納骨堂など、自然に還る形式の供養方法を選択する人が多いです。また、夫婦や親しい友人との合葬など、血縁関係にとらわれない新しい形態の供養方法もあります。

従来の形式にとらわれずに「自分らしさ」を死後の供養にも反映させたいという価値観が、お墓はいらないと考える人の背景にあるのでしょう。

お墓を持つ意味とは?メリットとデメリットを解説

お墓は、人生の最期を迎えた後の大切な場所として、日本の文化や伝統の中で重要な役割を果たしています。

現代社会では新しい供養方法も増えていますが、お墓には世代を超えて受け継がれてきた独自の価値があります。以下では、お墓の具体的なメリットとデメリットを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

墓石を持つメリット

はじめにお墓を持つメリットを以下の表で確認しましょう。

メリット 詳細内容
子孫が供養することができる お墓は、世代を超えて先祖供養ができる貴重な場所である。子どもたちはお墓参りを通じて命の尊さや家族の歴史を学び、先祖を敬う心を自然と身につけていく。また、供養の形を示すことで教育面にも大きく貢献し、先祖との精神的なつながりを実感することができる。
遺骨の保管に困ることがない お墓があることで、大切な故人の遺骨保管場所に困ることがなくなる。永続的な供養の場所が確保されることで、遺骨がバラバラに保管されるリスクを防ぎ、代々受け継がれてきた供養の形式を守ることが可能だ。
家族との繋がりを感じることができる お墓は家族の絆を深める役割を担っている。お盆やお彼岸などに家族が集まり、故人との思い出を共有する機会を提供する。定期的な集まりは、疎遠になりがちな家族や親族間のつながりを維持・強化し、世代を超えた家族の絆を深める助けとなる。

お墓参りを通じて、子どもは先祖を敬う心を自然と身につけることができ、現代社会において失われつつある大切な価値観を育む機会となります。お墓参りによって、家族で故人を偲び、想い出を語り合うことで、世代を超えた家族の絆が深まります。

このように、お墓は単なる供養の場所としてだけでなく、家族の歴史を紡ぎ、世代を超えた絆を育む大切な存在として、現代社会においても重要な役割を果たしているのです。

墓石を持つデメリット

お墓を持つことには上記で説明した通り多くのメリットがありますが、デメリットも無視できません。

以下でお墓を持つことで起こり得るデメリットを紹介します。

デメリット 詳細内容
経済的な負担 テ墓地の土地代や墓石の設置費用、さらに永続的な維持管理費がかかるため、遺族にとって経済的負担が大きくなる。これらの費用は長期的な支出を伴うことが多く、遺族にとって大きな負担となり得るため慎重な計画が必要である。
管理の手間 テ墓地の維持には定期的な清掃やメンテナンスが不可欠であり、遠方に住む家族には頻繁な訪問が難しいことも多い。また、墓じまいの手続きには時間と費用がかかり、家族にとって大きな労力を要する。
価値観の変化 テライフスタイルや価値観が多様化する現代では、従来の墓地に依存しない供養方法として樹木葬や散骨が選ばれることが増えている。
環境問題への配慮 テ墓地開発による自然環境への影響が懸念されており、森林伐採や土地の造成が生態系に与える負荷が問題視されている。

 

お墓を持つことのデメリットとして、まず経済面での大きな負担が挙げられます。

土地代や墓石の設置費用、維持管理費など、長期的な支出を伴うことが多いのが現状です。また、定期的な清掃やメンテナンスといった管理の手間も無視できません。さらに、環境問題への配慮や、価値観の多様化により、従来型の墓地離れが進んでいる点も見逃せません。

このように、お墓の所有には経済的負担や管理の手間、環境への影響など、現代社会において様々な課題が存在しているのです。

お墓はいらないと考える人におすすめの供養方法

現代社会では、従来のお墓を持たない新しい供養方法が注目を集めています。

ここで紹介する扶養方法は、経済的な負担の軽減や環境への配慮、家族形態の変化など、現代人のお墓はいらないと考える人に応える形で発展してきました。以下の扶養方法は、独自の特徴があり、個人の価値観やライフスタイルに合わせて選択することができるので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 樹木葬
  • 納骨堂
  • 散骨
  • 手元供養
  • 0葬(ゼロ葬)

 

それでは順に確認しましょう。

樹木葬

樹木葬は、自然と共生する形での供養を望む人々に人気の扶養方法です。

樹木葬は、遺骨を樹木の根元に埋葬し、自然の一部として還元されることを目的としています。樹木葬の最大の魅力は、環境への配慮と永続性です。

従来のお墓と違い、石やコンクリートの構造物が必要ないので、自然環境を損なうことなく、残された人々が故人を偲ぶことができます。また、お墓の維持費や管理費がいらないので、お墓はいらないと考えている人にとって問題となる経済的な負担も軽減します。

樹木葬は故人が自然の一部として永遠に生き続けるという意味を持ちます。自然を愛し、その中で安らかに眠ることを希望する人々にとって魅力的な選択肢です。

また、樹木葬には個別式の樹木型と複数の方が一緒に眠る合葬タイプの樹林型があり、選択の幅も広がりつつります。

樹木葬は、お墓はいらないと考える人が多い現代の価値観やライフスタイルに合った供養方法として、支持されています。

納骨堂

納骨堂は、故人の遺骨を個別に保管する施設で、お墓をいらないと考える人にとって新しい選択肢として注目されています。

メリット 詳細内容
管理の手間が少ない 納骨堂は、墓石の清掃や草むしりなどの管理が不要であり、施設側が管理を行ってくれるため、遠方に住む家族でも安心して供養を続けることができる。
天候に左右されない 従来の墓地とは異なり、納骨堂は室内に設置されているため、天候に左右されずに来訪できる。
経済的なメリット お墓を建てる際に必要な土地の購入費や墓石の費用、年間管理費が不要または抑えられるため、納骨堂は比較的安価に供養が可能である。特に都市部の墓地費用が高騰する中、費用を抑えたい人に支持されている。
多様な供養スタイル 納骨堂には、合祀タイプや個別タイプ、デジタル技術を用いたタイプなど多様なスタイルがあり、個人の価値観や宗教的信念に合わせた選択が可能である。これにより、故人や家族の希望に沿った供養方法が選べる柔軟性がある。

 

上記のメリットに加えて、納骨堂は、都市部に多く存在するので、交通の便が良く、忙しい現代人にとって訪れやすい環境も整っています。

納骨堂は、伝統的なお墓に代わる現代的な供養方法として、今後は今以上に需要が高まることでしょう。家族のライフスタイルや自身の経済状況に合わせて、納骨堂を選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

散骨

散骨は、遺骨を自然に還す新しい供養方法として注目されています。

特に海洋散骨が一般的で、遺骨を粉末状にし、海に撒くことで自然に還します。散骨は、お墓を持たない選択肢として、経済的負担を減らせる点が魅力です。散骨は法律上も問題なく、環境に配慮した方法で行う必要があります。具体的には、散骨業者が専門的な知識と技術を用いて、遺骨を処理し、海や山などの指定された場所で撒くのが一般的です。

また、散骨は家族の同意が必要であるため、事前に家族とお墓について話し合いを行うことが重要です。遺族の中には、従来のお墓に対する供養の概念を持つ人もいるため、理解を得ることが円滑に散骨を実施するコオtに繋がります。

以下が散骨を選択するメリットです。

メリット 詳細内容
維持管理の手間や費用がかからない 散骨は、お墓のような定期的な清掃や年間管理費が不要であり、経済的な負担が極めて少ない。特に遠方に住む家族や多忙な現代人にとって、時間的・金銭的な負担を軽減できる供養方法である。
自然と一体化できる 海や山などの自然の中で散骨を行うことで、故人の魂が大地や海に還り、永遠の安らぎを得られる。自然の一部となることで、散策や旅行の際に故人を身近に感じることができ、新しい形での供養が可能となる。

 

自分らしい供養を望む人にとって、散骨は一つの選択肢としておすすめです。

手元供養

手元供養は、お墓を設ける代わりに、遺骨や遺灰を自宅で保管する供養方法です。近年、ライフスタイルの多様化やお墓に対する価値観の変化から、故人を身近に感じたい人に向いている方法です。

以下に、手元供養のメリットをまとめます。

メリット 詳細内容
故人を身近に感じられる 遺骨を加工したペンダントやオブジェとして手元に置くことで、いつでも故人を想い出すことができ、心の繋がりを日常的に感じることが可能。場所や時間を選ばず、故人との精神的な絆を保つことができる。
経済的な負担が少ない 従来の墓地購入費用や管理費が不要で、個々のニーズに合わせた供養スタイルを選択できる。また、遺骨を小型の骨壷や仏壇、アクセサリーに納めることで、限られた居住スペースでも無理なく供養を継続することが可能。

 

手元供養は、故人を自分のペースで供養したいと考える方やマンションなど居住スペースが限られている独身の方などに向いている扶養方法です。

家族との絆を大切にしながら、故人を身近に感じ続けるための新しい選択肢として、手元供養を検討してみてはいかがでしょうか。

0葬(ゼロ葬)

0葬(ゼロ葬)は、お墓を持たない選択肢として注目されている新しい供養方法です。従来のお墓や納骨堂に遺骨を納めるのではなく、火葬後に遺骨を引き取らずにそのまま火葬場で処理します。

以下の表で、0葬のメリットを紹介します。

メリット 詳細内容
経済的負担がない お墓の購入費用、年間管理費、将来的な墓じまいにかかる費用が一切不要。遺族の経済状況に関わらず、尊厳ある供養を実現できる点が特徴。遺族の将来的な金銭的不安を解消することができる。
維持管理の心配がない 家族や親族が遠方に住んでいる場合や、後継者が不在の場合でも安心して選択できる。お墓の清掃や管理といった継続的な労力が不要で、遺族に将来的な負担が及ぶことはない。

 

上記のようなメリットがある一方で、0葬は物理的な形として供養の場がないため、故人を偲ぶ場所がなくなってしまうことに抵抗を感じる方もいます。しかし、価値観やライフスタイルの変化に伴い、供養の形も変わってきている現代で、0葬は一つの選択肢として受け入れられつつあります。

0葬は、故人の意思を尊重しつつ、遺族の負担を軽減するための新しい供養の形として、注目を集めています。

お墓はいらないと決めた後の対応

お墓はいらないから持たないといった選択は、自分自身の価値観や家族の将来に関わる重要な決断です。この決定を円滑に進めるためには、家族や親族との話し合いや、手順に基づいた対応が不可欠です。特に既存のお墓がある場合は、墓じまいという選択肢も視野に入れる必要があります。

ここでは、お墓はいらないと決めた後の具体的な対応方法と、家族との合意形成のポイントについて解説します。

家族との相談・報告の重要性

お墓はいらないという選択をする際には、まず家族や親族との話し合いが不可欠です。

特に年配の親族は、お墓に対して強い思い入れや価値観を持っている場合が多いので、丁寧な話し合いが求められます。話し合いの際は、自分がお墓いらないと考える具体的な理由を明確に説明し、将来の供養方法についての具体的な提案を準備しておきましょう。

また、事前に墓じまいの流れや必要な費用についても調べておいた上で理解を深め、家族からの質問に答えられるようにしておくことで、前向きな話し合いが実現することでしょう。

一方的に話すのではなく、家族一人一人の意見や感情を汲み取りながら、お墓に対して互いの理解を深めるために段階を踏んでいくことが大切です。

必要であれば墓じまいを視野に入れる

既にお墓が存在する場合は、墓じまいという選択肢を検討する必要が出てきます。墓じまいは墓石の撤去だけでなく、多くの手続きや配慮が必要となる重要な工程です。

第一に、お墓がいらないことに対して家族や親族全員の同意を得ることが不可欠です。その上で、お墓のある寺院や霊園に相談し、具体的な手順や必要な手続きについて確認します。同時に、新しい供養方法についても具体的な検討を進め、故人の遺骨を移転する場所を決定しなくてはなりません。

手続きの面では、改葬許可申請などの行政手続きも必要で、漏れなく進めることが大切です。墓じまいには一定の費用が必要ですが、将来的な管理費用などを考慮すると、長期的には経済的に低コストになる可能性もあります。

墓じまいは一度実施すると元に戻すことが難しいので、慎重に判断をして進めることが求められます。

墓じまいの手順

墓じまいは、現在のお墓との大切なお別れの過程であり、丁寧と配慮を忘れてはいけない重要な手続きです。墓じまいを実施するには、親族との合意から行政手続き、そして実際の工事まで、複数の段階を踏む必要があります。

特に、お墓に対する家族それぞれの思いを尊重しながらも、将来に向けた新しい供養方法のかたちを整えていく必要があります。

ここでは、墓じまいを円滑に進めるための手順について、段階的に解説していきます。

親族の同意を得る

墓じまいを実施するには、まず親族全員の同意を得ることが必要です。

上述した通り、お墓がいらないと考えた上で墓じまいを選択する理由と、その後の供養方法について明確な説明をしなくてはなりません。特に重要なのは、費用負担についての話し合いです。親族間で意見の相違や対立が生じやすい話題なので、十分な時間をかけて丁寧に進める必要があります。

将来的なお墓トラブルを防ぐためにも、ここででの合意は重要です。話し合いの場では、各親族がもつお墓に対する意見や気持ちに耳を傾けましょう。特に年配の方々のお墓に対する思い入れにも配慮しながら、家族全体で前向きな決断ができるように進めていくことが大切です。

お墓の現状を確認する

お墓の現状確認は、墓じまいの具体的な計画を立てる上で不可欠なステップです。まず、墓石の大きさや状態を確認し、お墓の撤去に必要な費用や時間を把握しましょう。

また、お墓の管理費等に未払いがないかを確認することも重要です。未払い金がある場合は、墓じまいの手続きに支障が出る可能性があります。

墓石や周辺部分も必要な修繕や清掃の有無を確認することで、お墓の撤去作業全体の見通しを立てることができます。

墓じまいする旨を伝える

墓じまいの意向を寺院や霊園の管理事務所に伝えるのは、手続きを正式に開始するための重要なステップです。まず閉眼供養の日程調整を行い、お寺との関係を整理していく必要があります。特に注意が必要なのは、離檀料や返還手続きに関する相談です。

寺院や霊園により手続きや費用が異なるので、確認をしましょう。

また、墓じまいに必要な書類や手続きの期間についても事前に確認しておくことで、スムーズに進行するための準備を整えられるでしょう。

新しい納骨先を決める

新しい納骨先の決定は、墓じまいにおいて欠かせません。

永代供養、納骨堂、樹木葬など、様々な選択肢の中から、自分自身、家族の希望や状況に合った方法を選択します。新しい納骨先を決める際は、受入証明書の取得が必要です。

費用面は、初期費用だけでなく、継続的な管理費用についても確認しましょう。

新しい供養方法における管理方法や参拝の仕方についても理解を深め、家族全員がお墓はいらないことに対して納得できる選択をすることが大切です。

墓じまいを依頼する

墓じまいの実作業を依頼する際は、信頼できる業者の選定が重要です。複数の業者から見積もりを取得し、費用面だけでなく、作業内容や実績についても比較した上で検討しましょう。

見積もりの際は、下記項目を確認してください。

  • お墓の撤去費用
  • お墓の処分費用
  • お墓の工事に伴う諸経費など

 

また、工事スケジュールの調整は、閉眼供養の日程や改葬許可証の取得時期なども考慮し、無理のない計画を立てる必要があります。

特に、天候による影響も考慮し、余裕を持ったスケジュール設定を心がけましょう。

改葬許可証を受け取る

改葬許可証の取得は、墓じまいに必要な重要な行政手続きです。この手続きには、埋葬証明書や新しい納骨先からの受入証明書など、複数の書類が必要になります。書類を揃えたら、お墓を管轄する自治体に申請を行います。

手続きの際は、申請書類の記入内容に不備がないよう、十分に確認しましょう。改葬許可証の発行には一定の時間がかかるので、余裕を持って申請を行う必要があります。特に、複数の自治体を利用する場合は、手続きが通常よりも複雑になる可能性があるので注意が必要です。

ご遺骨を取り出す

遺骨の取り出しは、墓じまいの中でも慎重に行わなければいけない作業です。

以下が主な流れです。

  • 閉眼供養を実施し、故人への敬意を表す
  • 専門業者の方で遺骨の取り出し作業を行う
  • 必要に応じて洗骨を行う
  • 新しい納骨先への移動に備える

 

作業の全過程において、遺骨の取り扱いには最大限の注意と敬意を払い、丁寧に進めることが不可欠です。

墓地を管理者に返還する

墓地の返還は、墓じまいの最終段階です。墓石の撤去と、墓地を更地に戻す作業を行い、お墓の管理者から確認を受けます。周辺の墓地に影響を与えないよう、細心の注意を払いながら作業を進めましょう。

更地への復旧後は、最終確認を実施し、返還手続きを完了させます。この段階で、管理費の精算や必要書類の最終確認なども行います。

すべての手続きが完了したことを確認し、思い出に残る墓地との別れを告げることで、墓じまいの一連の流れが終了します。

墓じまいにかかる費用

墓じまいは複数の項目で費用がかかります。

総費用の目安は50万円から200万円程度で、お墓の大きさやお墓のある地域によって変動します。以下の表で、費用の目安を確認しましょう。

項目 費用範囲
墓石の解体・処分費用 10万円 ~ 15万円 / 平方メートル
閉眼供養のお布施 3万円 ~ 5万円
離檀料 3万円 ~ 20万円
改葬許可申請等手数料 0円 ~ 1,500円
樹木葬 30万円 ~ 150万円
納骨堂 3万円 ~ 10万円
永代供養墓 10万円 ~ 100万円

 

墓石の解体・処分費用は平方メートルあたり10万円から15万円が相場で、閉眼供養のお布施は3万円から5万円程度必要となります。また、寺院との関係を終了する際の離檀料は3万円から20万円と幅があり、改葬許可申請等の行政手続きには1,500円までの手数料が発生することがあります。

墓じまいの総費用は、選択する納骨方法や地域によって大きく変動するため、事前に十分な情報収集と費用計画を立てることが賢明な選択といえるでしょう。

一部の自治体では墓じまいの補助金制度を設けているケースもあるため、事前に確認するのがおすすめです。

お墓を撤去する際の費用負担については、家族間で十分な話し合いを行い、将来的なトラブルを防ぎましょう。

 

墓じまい時によくあるトラブルと対処法

墓じまいは、寺院との交渉、業者との契約、親族間の合意形成など、お墓に対して様々な場面でトラブルが発生する可能性があります。お墓のトラブルを未然に防ぎ、円滑に進めるためには、起こりうる問題と適切な対処法を事前に理解しておくことが重要です。

ここでは、主なトラブル事例とその具体的な解決方法について解説していきます。

離檀料をめぐるお墓のトラブル

離檀料に関するお墓のトラブルは、墓じまいにおいて最も頻繁に発生する問題の一つです。法外な金額を請求されたり、先祖代々分の離檀料を要求されたりするケースがあります。

重要なのは、離檀料には法的な根拠がないという点です。

一般的な相場は数万円〜数十万円程度とされていますが、お墓のある地域や寺院によって異なります。お墓のトラブルを回避するには、寺院側とのコミュニケーションが大切です。墓じまいを選択した背景や事情を説明し、理解を深めることで、納得できる金額で行うことができるでしょう。

また、必要に応じてお墓の専門家からアドバイスを求めることも有効です。

墓石解体料をめぐるお墓のトラブル

墓石の解体工事に関するお墓のトラブルは、予想外の費用発生という形で起こることが多く、対応を誤ると大きな損失につながります。特に問題となるのは、当初の見積もりと実際の費用が大きく異なるケースや、工事途中での追加料金の要求です。

お墓のトラブルの背景には、お墓に対する事前の確認不足や契約内容の曖昧さが潜んでいます。お墓のトラブルを防ぐために必要な方法は、複数の業者から相見積もりを取ることです。3社以上の見積もりを比較することで、適正な価格帯が把握できるので、不当に高額な見積もりを避けることができます。

また、契約前には見積書の内容を細かく精査し、作業の範囲や付随する費用について明確な記載があるかを確認します。特に、墓石の撤去、お墓の処分、更地への復旧など、各工程での具体的な作業内容と費用を書面で明確にすることが重要です。

また、契約書には想定外の事態が発生した場合の対応についても明記しておくことで、追加料金の発生を最小限に抑えることができるでしょう。

親族間でのお墓トラブル

墓じまいを巡る親族間でのお墓トラブルは、感情的な対立に発展しやすい特徴があります。特に、墓じまいや費用負担の分担については、世代間や立場の違いによって意見が分かれることが少なくありません。お墓のトラブルを防ぐためには、十分な時間をかけた話し合いが重要です。

大切なのは、墓じまいを検討するに至った経緯や理由を明確に説明し、家族一人一人の意見や気持ちに耳を傾けることです。また、費用負担については、各自の経済状況も考慮しながら、公平で現実的な分担方法を検討しましょう。

感情的な対立を避けるため、必要に応じてお墓の専門家に仲介を依頼するのもおすすめです。

移転先とのお墓トラブル

新しい納骨先との間で発生するお墓トラブルは、将来に大きな影響を及ぼす可能性があります。受け入れ条件に対する突然の変更や、予想外の費用発生といったお墓の問題に直面する場合が多いです。お墓のトラブルを防ぐためには、契約内容を確認し、すべての条件を書面で残すことが重要です。

特に、永代供養料や管理費などの将来的な費用についても、明確な説明を求めましょう。また、万が一の場合に備えて、お墓の移転先は複数選択肢として持っておくのがおすすめです。

新たなお墓の移転先の選定は、アクセスの利便性や将来的な管理の利便性を含めて、総合的な判断が必要になります。

お墓に関するよくある質問

お墓に関する選択は、さまざまなリスクが潜んでいるので多くの方が不安や疑問を感じやすいテーマです。お墓で起こりうる法的な問題から実務的な問題まで、様々なお墓に対する質問が寄せられています。ここでは、特に多く寄せられる質問について、具体的な回答と対応策を解説します。

墓石はいらない選択肢は法的に問題ないの?

お墓はいらないという選択は、合法的な選択肢として認められています。

遺骨の取り扱いについては、制約がありますが、基本的に自由の利く選択ができます。例えば、遺骨を自宅で保管することは、墓地以外への埋葬を行わない限り合法です。また、納骨堂への安置や永代供養への預託も、一般的に広く認められている方法です。

散骨についても、各自治体の条例に従って実施する限り、法的な問題は生じません。ただし、散骨を行う場合は、お墓を散骨する場所や方法について事前に確認することが必要です。

お墓を建てない場合に供養方法の永続性は?

お墓を建てない場合でも、永続的な供養を実現する方法は存在します。一般的な方法は、永代供養墓です。

寺院が継続的に供養を実施する形式で、比較的低コストで実現可能です。また、納骨堂も永続的な供養方法として人気があり、専門のスタッフによる継続的なお墓の管理が利点です。

近年は、自然に還りながら永続的な供養が可能な方法として樹木葬も注目をされています。

墓じまいをしないとどうなってしまうの?

墓じまいを行わずに放置した場合は、深刻な問題が発生する可能性があります。最も重大な問題は、お墓に対する管理費の未払いや連絡不通により「無縁墓」として扱われる可能性があることです。無縁墓となった場合、一定期間経過後に墓地管理者により強制的に撤去される可能性があり、遺骨は合祀墓に移されます。また、合祀墓に移された遺骨は二度と取り出すことができなくなります。

他にも、管理されていないお墓は周辺のお墓にも悪影響を及ぼし、他の使用者に迷惑をかけることにもなるので注意が必要です。

墓じまいの必要性を感じた場合は、できるだけ早期に対応を検討しましょう。

まとめ:お墓はいらない時代の新しい供養のあり方

少子高齢化や核家族化の進展により、「お墓はいらない」と考える人が増えており、新しい供養方法を選ぶ人が増えております。

本記事で紹介したように、お墓を持たない選択の背景には、後継者不足や経済的負担、価値観の変化があります。現代では、樹木葬や納骨堂、散骨、手元供養など、多様な供養方法の選択が可能です。

また、近年はテクノロジーの活用により、時間や場所の制約を超えた参列が可能となりました。より多くの人々が故人を偲ぶ機会を得られるように、オンラインでの供養という新しい形式も増えています。

大切なのは、形式にとらわれすぎず、故人を偲び、遺族や参列者の心に寄り添うことです。私達「goenn」は参拝や供養などを支援するプラットフォームを展開し「どこからでも、いつでも」故人に会える場所を提供しています。

供養を通じて、家族とのつながりを再確認したいが、日程や時間が合わない方はぜひ「goenn」のサービスをご利用ください。

 

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