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塔婆(卒塔婆)とは?立てる理由や塔婆代の相場、袋の書き方を解説

2025.07.06
2025.07.01
塔婆(卒塔婆)とは?立てる理由や塔婆代の相場、袋の書き方を解説

この記事で学べること

  • 塔婆(卒塔婆)の意味、由来、役割、重要性について
  • 塔婆を立てる理由、タイミング、場所、立て方
  • 構造、材質、書き方、処分方法
  • 塔婆代の相場と封筒の書き方

 

この記事では、塔婆塔婆(卒塔婆)とはという点から意味、立て方、処分方法まで、お墓参りや葬儀に関わる塔婆の全てを詳しく解説します。

宗派による違いや塔婆代の相場など、実践的な情報も網羅しているので是非参考にしてください。

 

塔婆(卒塔婆)とは

塔婆(卒塔婆)は、仏教における供養の象徴として広く知られています。この章では、塔婆の読み方から、意味、由来、そして卒塔婆との関係性について詳しく解説していきます。

塔婆の読み方

塔婆の読み方は「とうば」です。一方、卒塔婆は「そとうば」または「そとば」と読みます。

これらの読み方の違いは、使用される場面や地域によって異なることがあり、例えば、日蓮宗や曹洞宗などの宗派によっても、呼び方が若干変わることがあります。

塔婆の意味と由来

塔婆の意味は、仏教における供養の道具を指します。

その由来は古代インドにさかのぼり、サンスクリット語の「ストゥーパ」に由来しています。

ストゥーパとは、もともと仏舎利(仏陀の遺骨)を納めた塔のことを指していました。時代とともに、ストゥーパの概念は変化し、日本に伝わる過程で現在の塔婆の形になりました。

塔婆は通常、木製の板で作られますが、石や角柱の形状のものもあります。また、水に流して供養する水塔婆という形式もあります。

卒塔婆と塔婆の違い

卒塔婆と塔婆は、本質的に同じものを指しています。「卒塔婆」が正式名称であり、「塔婆」はその略称または別名として使用されています。

両者の違いは主に呼び方にあり、機能や目的に違いはありません。卒塔婆も塔婆も、法事や葬儀、お盆などの時期に建てられ、故人を供養する目的で用いられます。

準備や用意の方法、建てる時期や本数の目安なども同じです。ただし、宗派によっては使用方法や形式に若干の違いがある場合があります。

例えば、八事山興正寺のような特定の寺院では、独自の作法が存在することもあります。

塔婆(卒塔婆)は、仏教文化において欠かせない供養の道具であり、故人を偲ぶ大切な手段として今日も広く用いられています。

 

塔婆(卒塔婆)を立てる理由

塔婆(卒塔婆)を立てる理由には、深い宗教的意義があります。ここでは、追善供養の一環としての役割と、宗派による違いについて詳しく解説していきます。

追善供養の一環として

塔婆を立てることは、追善供養の重要な一部です。

追善供養とは、故人の冥福を祈り、その魂を慰める行為を指します。塔婆を立てる目的は、故人の善行を増やし、成仏への道を助けることにあります。

塔婆を立てる時期は、主に法事や葬式、お盆、お彼岸などの際です。これらの機会に塔婆を建てることで、故人の霊を慰め、生きている者が善行を積むという意味合いがあります。

塔婆を準備する際は、お寺に相談し、適切な本数や用意の方法を確認しましょう。

宗派による違い(日蓮宗、曹洞宗など)

塔婆の立て方や使用方法は、宗派によって異なる場合があります。ここでは、主に日蓮宗と曹洞宗、浄土真宗の違いを解説します。

各それぞれの宗派による違いを以下にまとめました。

宗派 塔婆の有無 塔婆の内容
日蓮宗 あり 通常「南無妙法蓮華経」という題目が書かれ、故人の戒名や没年月日なども記される。
曹洞宗 あり 形式や内容は日蓮宗とは若干異なる。曹洞宗の塔婆には、般若心経の一部や曹洞宗特有の文言が書かれることが多い。
浄土真宗 なし 一般的に塔婆を立てない。浄土真宗の教義が「他力本願」を重視し、阿弥陀如来の力によって救われるという考えに基づいているため。

塔婆を立てる本数や目安も宗派や地域によって異なります。

例えば、八事山興正寺のような特定の寺院では、独自の作法が存在することもあります。そのため、塔婆を立てる際は、所属する寺院や僧侶に確認し、適切な方法で供養を行うことが望ましいでしょう。

 

塔婆の構造と書かれる内容

塔婆の構造や記される内容は、宗派や地域によって若干の違いがありますが、基本的な要素は共通しています。ここでは、塔婆の形状や材質、そして塔婆に記される情報について詳しく解説していきます。

塔婆の形状と材質(板、経木、石など)

塔婆は通常、細長い板状の形をしていおり、その形状は五重塔を模し仏教の宇宙観を表現しています。材質としては、主に以下のものが使用されます。

材質 特徴
木製の板 最も一般的な材質で、軽量で扱いやすいのが特徴。
経木 薄い木の皮を使用したもので、軽量かつ経済的。
耐久性に優れていますが、重量があるため、永続的な設置に適している。
角柱 木製や石製の角柱型の塔婆も存在し、より堅固な印象を与える。

また、水に流して供養を行う「水塔婆」という形式もあります。これは、特に施餓鬼法要などで用いられることがあります。

塔婆を立てる際は、お寺や霊園の指示に従い、適切な場所に設置しましょう。多くの場合、墓石の後ろに設けられた「塔婆立て」と呼ばれる専用の場所に立てます。

塔婆に記される情報

塔婆には、故人を供養するための様々な情報が記されます。主な内容は以下の通りです。

項目 内容
梵字 塔婆の上部には、通常5つの梵字(キャ・カ・ラ・バ・ア)が記される。順に空・風・火・水・地を表し、仏教の宇宙観を象徴している。
戒名(法名) 故人の戒名または法名が記される。
命日 故人の命日(没年月日)が記される。
経文 宗派に応じた経文が書かれる。例えば、日蓮宗では「南無妙法蓮華経」、曹洞宗では般若心経の一部などが記されることがある。
供養の目的 「追善供養」や「報恩謝徳」などの文言で、供養の目的が示される。
施主名 塔婆を立てた人(通常は遺族)の名前が記される。
供養年月日 塔婆を立てた日付が記される。

これらの情報は、通常墨で手書きされますが、最近では印刷される場合もあります。

塔婆を準備する際は、お寺や僧侶に相談し、適切な内容と本数を決めることが大切です。

塔婆は、故人の存在を形に表し、供養の意志を明確にする大切な役割を果たしています。その構造と内容を理解することで、より意味のある供養を行うことができるでしょう。

 

塔婆を立てるタイミング

塔婆を立てるタイミングは、故人を供養する上で欠かせない要素です。

ここでは、主要な三つの機会について詳しく解説していきます。それぞれの時期や目的、方法について理解を深めていきましょう。

法事での塔婆

法事は、故人の命日や年忌に行われる仏事であり、塔婆を立てる代表的な機会の一つです。

法事の際に塔婆を建てることで、故人への追善供養の意を表します。また、法事の際に塔婆を用意する目的は、故人の冥福を祈るとともに、参列者が善行を積む機会としても捉えられています。

法事での塔婆の準備は、通常、葬儀を執り行った寺院に依頼し、本数については、一般的に一本から三本程度が目安となりますが、宗派や地域の慣習によって異なる場合があるので注意しましょう。

お盆と新盆での塔婆

お盆は毎年行われる先祖供養の機会であり、新盆は亡くなってから初めて迎えるお盆を指します。

この時期に塔婆を立てることは、故人との絆を再確認し、感謝の気持ちを表す上で意義深い行為です。

特に新盆の際には、塔婆を立てる習慣が広く見られます。新盆用の卒塔婆は通常、通常のものよりも大きく、より丁寧に作られることが多いです。

お盆期間中は、多くの人が墓参りをするため、塔婆を立てることで故人を偲ぶ場を提供することにもなります。

お盆や新盆での塔婆の準備は、地域の寺院や葬儀社に相談するのが一般的です。この時期は需要が高まるため、早めに準備を始めることが望ましいでしょう。

施餓鬼での塔婆

施餓鬼は、主に夏季に行われる仏教の法要で、餓鬼道に堕ちた霊を供養する儀式です。

この際に塔婆を立てることで、より広範囲の霊を供養する意味合いがあります。

施餓鬼法要では、水や食物を供える習慣があり、これに合わせて水塔婆という特殊な形式の塔婆を用いることもあります。

水塔婆は水に流すことができる材質で作られており、供養の意を表すとともに環境にも配慮した形式となっています。

 

塔婆の立て方と場所

ここでは、お墓での塔婆の立て方と、塔婆を立てる適切な位置について詳しく解説していきます。これらの知識は、故人を敬い、適切に供養を行う上で欠かせません。

順に見ていきましょう。

お墓での塔婆の立て方

お墓で塔婆を立てる際には、以下の手順を踏むことが一般的です。

手順 説明
準備 塔婆を立てる前に、必要な道具(塔婆、塔婆立て、水など)を用意する。
清掃 塔婆を立てる場所を清掃し、きれいな状態にする。
塔婆立ての設置 墓石の後ろに塔婆立てを設置する。近年では、耐久性の高いステンレス製や石製の塔婆立てが主流。
塔婆の挿入 塔婆を塔婆立てに慎重に挿入する。このとき、塔婆に書かれた文字が正面を向くように注意する。
水をかける 塔婆に水をかけて清める。これは浄化の意味がある。
合掌 最後に塔婆の前で合掌し、故人を偲ぶ。

塔婆を立てる時期は、法事や葬式、お盆、お彼岸など、供養の機会に合わせて行います。日蓮宗や曹洞宗など、宗派によって細かな作法が異なる場合がありますので、所属する寺院に確認するとよいでしょう。

塔婆を立てる適切な位置

塔婆を立てる位置は、一般的に以下になります。

位置 説明
墓石の後方 最も一般的な位置。墓石を正面から見たときに、塔婆が墓石に隠れるように立てる。
墓石の右側 墓地の区画や形状によっては、墓石の右側に立てることもある。
専用の塔婆立て場 墓地によっては、専用の塔婆立て場が設けられている場合がある。

適切な位置に塔婆を立てることで、故人への敬意を表すとともに、他の墓参りの方の妨げにならないよう配慮が大切です。

また、角柱型や石製の永代塔婆を使用する場合は、より堅固な設置方法が必要となるため、専門家に相談することをおすすめします。

 

塔婆代(塔婆料)について

塔婆代、または塔婆料は、塔婆を立てる際に寺院に支払う費用のことです。この費用は、塔婆の作成や供養の準備に充てられます。ここでは、塔婆代の相場と、封筒や袋の書き方について詳しく解説していきます。

塔婆代(塔婆料)の相場

塔婆代の相場は、地域や寺院の宗派によって異なりますが、一般的に1本あたり2,000円から10,000円程度です。日蓮宗や曹洞宗など、宗派によって金額が変わることもあります。

また、塔婆の本数や大きさ、材質(木製、石製、角柱型など)によっても価格が変動します。

例えば、一般的な木製の塔婆であれば3,000円から5,000円程度が多く、特別な時期や目的(お盆、新盆、法事など)の場合はより高額になることがあるでしょう。

水塔婆や経木塔婆といった特殊な形式の場合は、別途料金が設定されていることもあります。塔婆代の具体的な金額は、事前に寺院に確認することをおすすめします。

また、塔婆を立てる本数の目安も寺院に相談するとよいでしょう。八事山興正寺のような特定の寺院では、独自の料金体系や慣習がある場合もあります。

塔婆代(塔婆料)の封筒の書き方

塔婆代を寺院に渡す際は、専用の封筒や袋を用意し、適切な作法で記入することが大切です。以下に、封筒や袋の書き方のポイントを解説します。

項目 説明
表書き 封筒の表面中央やや上に「御塔婆料」「塔婆料」「塔婆代」のいずれかを毛筆か筆ペンで記入する。その下に施主の名前を書く。
中袋 中袋には塔婆の本数分の金額を包み、「金〇〇円」と記入する。金額は漢数字の旧字体(大字)を使用するのが一般的。例えば、5,000円の場合は「金伍阡圓」と書く。
裏書き 封筒の裏面には施主の氏名と住所を記入する。複数人で塔婆を立てる場合は、代表者の名前を書き、内側に名簿を同封するとよい。
お札の入れ方 お札は表(肖像画のある面)を上にして入れる。新札でなくても、きれいな札であれば問題ない。
封の仕方 中袋を使用する場合は封をする必要はないが、直接封筒に入れる場合は必ず封をする。

塔婆代を準備する際は、これらの作法を守ることで、丁寧な印象を与えることができます。

また、塔婆代は法要の当日、お布施とは別の封筒に入れて僧侶に渡すのが一般的です。寺院への事前の相談や準備を怠らず、適切な方法で塔婆代を用意することが大切です。

中袋がない場合の塔婆代(塔婆料)の書き方

中袋がない場合の塔婆代(塔婆料)の書き方は、一般的なマナーや作法に従いながらもシンプルにまとめることが重要です。

通常、塔婆代を渡す際には、外袋と中袋の両方を使用しますが、中袋がない場合でも適切に対処する方法があります。

まず、外袋(封筒)の正面中央に「御塔婆料」または「御塔婆代」と書きます。外袋の左下に自分の名前を書き添えてください。

次に、外袋の裏面には金額を記入します。漢数字を使用するのが正式な作法です。例えば、「五千円」ではなく「伍阡圓」と記載します。

 

塔婆の処分方法

塔婆は、時間の経過とともに劣化していきます。ここでは、古くなった塔婆の適切な扱い方と、お寺での処分方法について解説します。

塔婆の処分は単なる廃棄ではなく、供養の一環として捉えることが大切です。

古くなった塔婆の扱い方

塔婆は通常、木製の板で作られているため、屋外に立てられると風雨にさらされて劣化していきます。

一般的に、塔婆の寿命は1年から3年程度です。古くなった塔婆を放置しておくと、墓地の美観を損ねるだけでなく、供養の意味も薄れてしまいます。古くなった塔婆を扱う際のポイントは以下の通りです。

ポイント 説明
定期的な点検 お墓参りの際に塔婆の状態を確認し、劣化が進んでいないか確認する。
適切な時期での撤去 文字が読めなくなったり、木が腐り始めたりしたら、撤去の時期と考えられる。
丁寧な取り扱い 塔婆を撤去する際は、供養の意味を込めて丁寧に扱うようにする。
一時保管 すぐに処分できない場合は、一時的に自宅で保管することも可能。この場合、乾燥した場所で保管し、直射日光を避けるようにする。

 

お寺での処分方法

古くなった塔婆の最も適切な処分方法は、お寺に依頼することです。多くのお寺では、塔婆の処分サービスを提供しています。お寺での処分方法には、主に以下があります。

処分方法 説明
お焚き上げ 最も一般的な処分方法で、塔婆を火で焼却し、供養する。日蓮宗や曹洞宗など、多くの宗派で行われている。
水による供養 水塔婆などの場合、水に流して供養する方法もある。
集積所での回収 一部の霊園や墓地では、古くなった塔婆を集める専用の場所が設けられている。ここに持ち込むことで、まとめて処分される。
特別な供養法 特定の寺院では、独自の塔婆処分方法や供養の作法がある場合もある。

また、塔婆の処分を依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 事前に寺院に連絡し、処分の方法や時期、必要な準備について確認する。
  • 処分の際に必要な供養料や処分料について、あらかじめ確認しておく。
  • 複数の塔婆をまとめて処分する場合は、その旨を伝えて適切な対応を相談する。

塔婆の処分は、単なる廃棄物処理ではなく、供養の延長線上にある行為です。

お寺での処分を通じて、故人への敬意を表し、適切な形で塔婆の役目を終えさせることができます。処分の際には、感謝の気持ちを込めて丁寧に対応することが大切です。

まとめ:塔婆(卒塔婆)とは何か

塔婆は、仏教において故人を供養するための大切な道具であり、その役割や意味は、古代から現代に至るまで変わらず受け継がれてきました。

この記事では、塔婆の意味や由来、立て方、処分方法、塔婆代など、塔婆に関する幅広い情報を解説しましたが、最も重要なのは、塔婆を通じて故人への敬意を示し、ご縁を大切にすることです。

塔婆の立て方や供養の形は、時代や地域、宗派によって異なりますが、その根底にある故人への想いや感謝の気持ちは変わりません。塔婆を通じて、故人とのご縁を大切にし、ご先祖様への祈りを形に表していくことが、真の供養のあり方だと言えるでしょう。

goennは、時代に合わせた選択肢を提供し、テクノロジーの進歩と共に、ご縁を継続的に感じることができる「参拝」の新しい形を創り出します。いつでも、どこからでも、みなさまの想いが通じるように、ご縁を結ぶお手伝いをしていきます。

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