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塔婆料とは?費用の相場は?準備から渡し方までの完全ガイド

塔婆料に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?塔婆料は、法要の際に必要となることが多く、その意味や費用、正しい準備方法に悩むことも少なくありません。
本記事では、塔婆料の基本的な意味や役割から始まり、一般的な費用相場や封筒の書き方、お布施との違いまで、あらゆる疑問を解決します。また、お寺や法要での適切な渡し方や注意点についても詳しく解説しますので、初めて塔婆料を準備する方でも安心です。
この記事を読むことで、塔婆料の準備から渡し方までを理解し、スムーズに法要を進めるための知識を身につけましょう。塔婆料の正しい知識を得ることで、心の負担を軽減し、大切な故人をしっかりと偲ぶことができます。
塔婆と卒塔婆の違いとは|塔婆料の役割と必要性も解説
墓石の後ろや脇に建てられている縦長の木製の板、これが塔婆です。法事や法要の際に用意することが多いですが、塔婆や塔婆料の意味や役割など、しっかりとした知識がないという方は少なくありません。
塔婆の役割や必要性が理解できていれば、法要の準備を進めやすくなるでしょう。正しい知識を身につけるために、ここでは塔婆の役割と塔婆料の必要性を解説します。
塔婆とは
塔婆とは、お寺や仏教行事において供養のために立てられる縦長の木製の板のことです。大きさは寺院や地域によって異なりますが、150cm〜180cmほどのもが多く見られ、大きいものだと200cm程度のものもあります。故人の供養や先祖への感謝の意を表すために用いられ、故人の名前や戒名、没年月日などが記されます。
故人や先祖の霊を慰めるだけでなく、生きている人が故人のために善行を積むという意味合いも込められているのが、塔婆の役割の一つです。
塔婆と卒塔婆は違う?
塔婆と卒塔婆は、名称に違いがあるだけで基本的には同じものです。卒塔婆は、インドの古代言語であるサンスクリット語の「ストゥーパ」に由来しおり、卒塔婆を簡略したものが塔婆といわれています。
卒塔婆が正式名称ですが、意味合いは同じであるため、塔婆と卒塔婆の違いをそこまで気にする必要はないといえるでしょう。
塔婆料とは
塔婆料とは、塔婆をお寺に依頼して立ててもらう際に必要な費用のことを指します。これは、塔婆の作成や供養のために使われる費用です。故人の供養をよりしっかりと行うために、多くの家族が法要やお盆などの際に塔婆料を支払って塔婆を立てています。
塔婆料は、生きている人が故人の冥福を祈り、追善供養を行うことが主な目的です。また、故人の霊を慰め、成仏を願うという意味合いも込められています。このように、塔婆料は故人のためだけでなく、残された家族にとっても重要な役割を担っているのです。
塔婆の必要性は宗教によって異なる
塔婆は主に仏教の儀式や供養の際に用いられますが、すべての宗教で必要とされるわけではありません。仏教においては、故人や先祖を供養するために塔婆を立てることが一般的で、特に日本の仏教文化に深く根付いています。
しかし、キリスト教やイスラム教など、他の宗教には同様の習慣がないため、塔婆は必要ありません。それぞれの宗教には異なる供養の方法や儀式が存在し、それに応じた形で故人を偲ぶことが行われています。そのため、塔婆の必要性は信仰している宗教やその教義によって異なるのです。
仏教徒でない場合は、塔婆ではなく、他の方法で故人を供養することになるでしょう。例えば、キリスト教では祈りやミサが、イスラム教では祈祷が行われます。また、浄土真宗では亡くなった後すぐに極楽浄土に導かれると考えられているため、塔婆を立てて追善供養する必要がありません。
それぞれの信仰に合った形で供養をすることが大切であり、塔婆が必要かどうかは宗教や文化的背景によつ判断が大切です。このように、塔婆の必要性は個々の宗教的信念によって異なるため、どの宗教でも必須というわけではありません。
塔婆料は地域や寺院によって異なる|一般的な費用相場とは
法事や法要では、お布施・返礼品・料理など、さまざまな費用が発生します。その中の一つに含まれるのが塔婆料です。必要な金額が分かっていれば、安心して用意を進められるでしょう。ここでは、塔婆料の費用相場を紹介します。
塔婆料の費用について
塔婆料の金額は、寺院や地域によって塔婆料の基準や目安が設けられています。寺院や地域、宗派の慣習によって目安は変動するため、事前に確認しておくのがおすすめです。
また、塔婆料はお布施とは別に包むケースが多いため、それぞれ分けて用意する必要があります。ほかのお金と混同してしまわないように、それぞれ確認しながら準備を進めていきましょう。
一般的な相場はいくら?
塔婆料の費用は、お寺や地域によって異なりますが、一般的には1本あたり2,000〜10,000円が目安とされています(※)。その中でも、3,000〜5,000円程度に設定されていることが多いです。ただし、法要の形式や地域の慣習によっても価格が変動することがあるため、事前に確認しておくのが良いでしょう。
寺院の中には、「法要のお布施に含めてお気持ちでご用意ください」や「〇円〜〇円程度の、ご無理のない金額」のように、明確な金額を提示していケースもあります。どの程度用意したら良いのか分からない場合は、直接寺院に確認すると安心です。
※参照:https://www.sougi.info/column/column_385
塔婆に種類はある?基本的な塔婆の種類を紹介
一言に塔婆といっても、以下のようにさまざまな種類があり、それぞれに異なる役割と意義があります。
- 板塔婆
- 角塔婆
- 水塔婆 / 経木塔婆
- 七本塔婆
- 梢付塔婆 / 生木塔婆
塔婆を選ぶ際には、故人の意向や供養の目的、そして施主の信仰心に応じた適切なものを選ぶことが大切です。各塔婆の特性を理解し、故人の霊を慰めるためにふさわしい供養方法を選択することで、心のこもった供養を行えるでしょう。
板塔婆
塔婆でよく用いられているのが、平らな形状の板塔婆です。故人の命日や法要の際に立てられることが一般的で、故人の戒名や没年、施主の名前などが記されています。
長さ1〜2m・厚さ1cm程度の木材で作られており、お墓の後ろに立てることが多いです。板塔婆を立てるのには、以下のような意味があります。
- 故人の冥福を祈る
- 追善供養
- 成仏を願う
最初の板塔婆は納骨時に立て、その後は法要ごとに差し替えることが多いでしょう。ただし、塔婆が古くなっている場合などであれば、法要以外のタイミングで差し替えても問題ありません。
角塔婆
角塔婆とは、四角柱状で長さ120cm〜210cm・太さ10cmほどの塔婆のことで、墓地や寺院の行事などで使用されます。故人の供養や祈願のために、墓石の後ろや横に立てられることが多いです。また、墓石が建つまでの間、墓標として立てられることも珍しくありません。その他にも、寺院の新築や改築、新しいお堂ができた際の落慶用法など、板塔婆よりも幅広い用途で使われるのが特徴です。
五輪塔を模した形状で、上から空(宝珠型)・風(半球型)・火(三角形)・水(円形)・地(方形)の梵字、その下には故人の戒名が記され、ほかにも命日や施主の名前などが記されています(※)。
※参照:https://sotouba.net/blog/knowledge/stupa/itatouba-kakutouba/
水塔婆 / 経木塔婆
水塔婆と経木塔婆とは、経木(きょうぎ)という薄い木を使って作られた塔婆のことを指します。これらは、特に水に関連した供養や、餓鬼道に苦しむ霊を供養する施餓鬼法要などで用いらることが多いです。お盆や法要の際、水に浮かべたり川に流したりする方法で、供養として使われます。長さは27cm〜36cm・厚さ1mm程度の薄い板状のものが多いでしょう。
水塔婆は、川に流したり水に浮かべたりして、故人の供養の一環として使用されます。また、通常の塔婆よりも小さく薄いため、施主が用意しやすく、手軽に扱えるという理由で選ばれることもあります。一方経木塔婆は、薄く削った木片を用いたもので、軽量で持ち運びやすく、法要の際に簡単に使用できるのが利点です。
どちらも、故人への感謝や祈りを込めて捧げる意味合いが込められ、法要の際に用いられています。
七本塔婆
七本塔婆は、初七日から四十九日までの間に行われる7回の法要ごとに使用する塔婆です。法要ごとに一本づつ立てる場合やまとめて立てる、法要ごとに一本づつ抜いていくなど、地域や宗派によって供養方法は異なります。そのため、七本塔婆と立てる場合は、事前に確認しておくと安心です。
長さ30cm〜40cmほどの大きさの七本塔婆は、故人の冥福を祈り追善供養のために立てらるのが一般的で、一本づつ立てるものや扇状にまとまっているものなど、さまざまな形状があります。
梢付塔婆 / 生木塔婆
梢付塔婆(こずえつきとうば)や生木塔婆(なまきとうば)も、塔婆の種類として知られています。梢付塔婆は、木の枝が付いたままの状態で塔婆を立てる方法で、弔い上げ(三十三回忌や五十五回忌など)の際に立てられることが多いです。
生木塔婆は、枝葉のついた生木を使用することからその名が付けられた塔婆のことで、主に仏教の儀式や故人を偲ぶために用いられています。故人の追善供養や、弔い上げの法要の際に用いられることが多く、特定の宗派や地域で重視される供養方法です。
梢付塔婆と生木塔婆は、どちらも故人の霊を慰め、成仏を願う意味合いが込められています。
塔婆料の準備方法|封筒の選び方・書き方を紹介
塔婆料を準備する際、「袋や封筒の種類は?」「どのように書いたらい良い?」など、さまざまな疑問が出てきて不安になる方もいるでしょう。塔婆料の書き方は、寺院や地域によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
ここでは、余裕を持って塔婆料を準備できるように、一般的な封筒の選び方から書き方、包み方までを詳しく紹介します。
封筒の選び方
塔婆料を包む際は、水引のない白い無地の封筒を選ぶのが一般的です。塔婆料を包む目的で封筒を使用する際は、茶封筒や文字が印字されているような封筒は避けるのが望ましいでしょう。また、市販されている「御塔婆料」と印字された封筒を利用するのもおすすめです(※)。
その他に、奉書紙で包む方法もあります。奉書紙を使用する場合は、半紙や封筒で包んだお金を奉書紙の上に置き、適切な手順で包みましょう。
※参照:https://www.tokyohakuzen.co.jp/media/369
塔婆料の封筒の書き方
塔婆料の封筒には、表書き・中袋・裏書に決まった内容を記載する必要があります。それぞれの書き方は、以下のとおりです。
表書き |
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中袋 |
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裏書 |
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忌み言葉となるため、4と9のつく数字は避けるのが望ましいです。記載する際は、縦書きで丁寧に書くことを心がけましょう。
法要での塔婆料の渡し方・タイミングは?正しいマナーを知ることが大切
塔婆料は、法要の際に渡す必要があるお金です。しかし、正しい渡し方を知らないと恥ずかしい思いをするかもしれません。安心して塔婆料を渡せるように、正しい渡し方のマナーと注意点を確認しておきましょう。ここでは、お寺や法要での塔婆料の渡し方をわかりやすく解説します。
塔婆料の渡し方とタイミング
寺院で法要を行う際の塔婆料は、当日に寺院に渡すのが一般的とされています。特に、親戚や他の参列者と一緒になることも多いため、スムーズに進められるようにあらかじめしっかりと準備しておくのが安心です。
法要当日、僧侶に直接挨拶する場合は、挨拶をするタイミングまたは儀式後にお布施と一緒に渡すのが望ましいです(※)。その際、手渡しするのではなく、切手盆または袱紗に包んで渡しましょう。袱紗の場合は、袱紗に包んだまま渡し、僧侶の前で袱紗から出して渡します。
※参照:https://www.tokyohakuzen.co.jp/media/369
お布施との違いは?
塔婆料とお布施は混同されがちですが、それぞれ目的が異なります。塔婆料は塔婆の作成や供養に対する費用であり、お布施は僧侶や寺院への謝礼の意味合いがあるのです。
お布施と塔婆料を一緒に包んでしまうと、「塔婆料を受け取っていない」と勘違いされてしまう可能性があります。そのようなことを避けるためにも、お布施と塔婆料は別々の封筒に用意しておくのが安心です。お布施と塔婆料を一緒に包んでしまった場合は、渡す際に「お布施と塔婆料です」と伝えるのが良いでしょう。
寺院に渡すお金のため、旧札ではなく新札またはできるだけ綺麗なお札を入れるのが望ましいです。お札は、肖像画が封筒の表側にくるように、向きを揃えて入れることを覚えておきましょう。
塔婆料を包む際は、地域や寺院などの相場を考慮し、習慣に従った金額を準備しましょう。塔婆料やお布施など、法要やお彼岸では用意すべきものが多いため、事前にどのようなお金が必要なのか・準備すべきものは何かなどをしっかりと確認することが大切です。
塔婆料の準備から渡すまでの正しいマナー
ここまで紹介した内容もあわせて、塔婆料を渡す際の正しいマナーをしっかりと確認しておきましょう。
<塔婆料を準備する際の注意点>
- 塔婆料を包む封筒は水引のない白無地の封筒
- 封筒は中身が透けて見えないものを選ぶ
- 表書き、中袋、裏書を丁寧に記載する
- 4と9の入る金額は避ける
- できるだ綺麗なお札を選ぶ
準備段階でしっかりと確認できていると、安心して当日を迎えられるでしょう。
<塔婆料を渡す際の注意点>
- 僧侶に挨拶するタイミングで渡す
- 手渡しせずに切手盆に載せて渡すのが望ましい
- 切手盆がない場合は袱紗に包んで渡す
- お布施は別の封筒で渡す(お布施と一緒に入れた場合は「塔婆料とお布施です」と伝える)
塔婆料を渡す際は、「どうぞよろしくお願いいたします」と一言を添えると、より丁寧な印象を与えられます。
塔婆料は法要の一部として重要な役割を果たすため、正しいマナーを守ることで、故人に対する敬意を示せるでしょう。上記のポイントを押さえて、当日は安心して法要に臨みましょう。正しい知識を持って心を込めて行動することが、より良い法要の時間を作り出します。
塔婆・塔婆料に関する疑問を解決!よくある質問4選
ここまで塔婆・塔婆料に関する知識を解説してきましたが、まだ疑問が残っている方もいるでしょう。そこで、塔婆・塔婆料に関してよくある質問をまとめました。
- 塔婆の注文はどこにする?
- 塔婆の申し込みはいつまでにしたら良い?
- 塔婆料の支払いは誰がする?
- 塔婆の処分はどうしたらいい?
これらの質問に対して、わかりやすくお応えします。塔婆料に関する不安や疑問を解決して、安心した状態で法要に臨めるようにしましょう。
塔婆の注文はどこにしたら良い?
塔婆の注文は、通常は菩提寺や施主の関係する寺院、お坊さんに依頼するのが一般的です(※)。寺院によっては塔婆のサイズやデザインが異なる場合があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
もしも具体的な寺院がない場合は、葬儀社に相談すると適切な手配をサポートしてくれることが多いです。近年では、一部の霊園や墓地で塔婆の受付をしていたり、通販サイトで購入できるところもあります。通販サイトなら気軽に購入できますが、あくまでも菩提寺やお坊さんに依頼するのが原則であることを理解しておきましょう。
※参照:https://www.osohshiki.jp/column/article/1254/#h787f570ff8
塔婆の申し込みはいつするの?
塔婆の申し込み時期は、法要や命日の少なくとも数週間前には行うのが推奨されます。寺院によっては塔婆の準備に時間がかかることがあるため、余裕をもって申し込みを行うことが大切です。特に、お盆やお彼岸の時期は塔婆を立てる方が多く手続きが集中する傾向があります。そのため、なるべく早めに手続きしておくほうが良いでしょう。
当日になって「塔婆を立てられない」ということにならないように、余裕を持って申し込みをしておくのがおすすめです。
塔婆料は誰が支払うのか?
塔婆料は、施主または参列者と分担して支払うことがあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。施主とは、故人の供養を行う責任者のことを指し、多くの場合は故人の家族や親族が施主となります。ただし、親族や他の関係者が参加する場合は、費用を分担することもあるため、事前に関係者と相談しておくと良いでしょう。
また、塔婆は誰が何枚立てても良いとされているため、施主以外の親族や友人が個別で立てることもあります。その際は、誰が支払うのかを、あらかじめ話し合っておくとスムーズです。
塔婆の処分方法は?
塔婆の処分は、寺院に依頼してお焚き上げを行ってもらうのがよくある処分方法の一つです。昔は各家庭で燃やすことも珍しくありませんでしたが、現在は焼却炉規制により自由に燃やすことはできません。安全に塔婆を処分するためにも、お焚き上げを行っている寺院や霊園に依頼するのが良いでしょう。
ただし、都心の寺院ではお焚き上げを行っていなかったり費用がかかったりすることもあるため、事前に確認しておくと安心です。また、お焚き上げを行っていない寺院や霊園の場合、古くなった塔婆を回収しているところもあります。あらかじめ回収方法を確認しておきましょう。
塔婆は、供養の大切な一部であるため、敬意を持って取り扱うことが重要です。
まとめ|塔婆料の重要性と正しい準備の仕方
塔婆料についての理解を深められれば、法要の準備がスムーズに進むでしょう。本記事で紹介したように、塔婆料は故人を偲ぶ上で欠かせない要素であり、その準備には適切な知識とマナーが求められます。
法要当日に焦らないようにするためにも、費用の相場や封筒の選び方、書き方、渡し方のタイミングなど、基本的なポイントを押さえておくと安心です。また、地域や寺院によって異なる場合もあるため、事前に確認することが大切です。
塔婆の注文や申し込み時期についても、早めに対応することで慌てずに済みます。これらの知識を活用して、心を込めて故人を偲び、大切な法要を無事に終えるためのサポートをいたします。ぜひ、この機会に塔婆料についての理解を深め、次回の法要に備えてください。準備が整ったら、お寺や専門家にも相談しながら、スムーズに進めていきましょう。
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また、日本葬祭アカデミー教務研修室にて「葬祭カウンセラー」資格を取得し、エンディング領域における専門性を活かした取り組みを進めている。