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お墓参りの持ち物すべて解説!基本リストからマナー、宗派の違いまで
お盆やお彼岸、故人の命日。
久しぶりにお墓参りへ行こうと考えたとき、「何を持っていけばいいんだっけ?」と不安に感じていませんか?
ご先祖様や大切な方を偲ぶ大切な時間だからこそ、準備は万全にして、心穏やかにお参りしたいものですよね。
葬祭カウンセラーとして、これまで多くの方のご供養に寄り添ってきた私、新原が、お墓参りに必要な持ち物のすべてを、基本から応用まで徹底的に解説します。
この記事を読めば、持ち物リストはもちろん、それぞれの意味やマナー、さらには宗派による違いまで理解でき、自信を持ってお墓参りに臨めるようになります。
【この記事の結論】お墓参りで必ず揃えたい持ち物
| カテゴリ | 持ち物 | 役割・意味 |
|---|---|---|
| お供え物(五供) | お花 | 故人の心を慰め、参拝者の心を穏やかにします |
| 故人が好きだった食べ物・飲み物 | 故人への感謝と敬意を表します | |
| お参りの道具 | お線香 | 香りを故人の食事として届け、場を清めます |
| ろうそく | 仏の智慧を象徴し、故人に姿を見せます | |
| ライター(風防付き推奨) | お線香とろうそくに火をつけるために必須です | |
| 掃除道具 | 雑巾・タオル | 墓石を傷つけないよう柔らかい素材を選びます |
| ほうき・ちりとり | 落ち葉やゴミを集めます | |
| ゴミ袋 | 掃除で出たゴミを持ち帰ります |

【基本編】これだけは揃えたい!お墓参りの持ち物チェックリスト
お墓参りの持ち物の基本は、仏教の「五供(ごくう)」という考え方に基づいています。
これは「香」「花」「灯燭(とうしょく)」「浄水」「飲食(おんじき)」の5つのお供え物を指し、故人やご先祖様への感謝と敬意を表すための最も大切な要素です。
まずは、この五供を中心に、最低限揃えたい持ち物を確認しましょう。
仏教の基本「五供(ごくう)」に基づいたお供え物
五供は、お墓参りにおけるお供え物の土台となる考え方です。
それぞれに深い意味が込められており、これらを揃えることで、故人への想いを形として示すことができます。
お線香(香)
自身と場を清め、立ち上る香りを故人の食事として届ける意味があります。
また、お線香の香りは、お参りする人の心身を清めるとも言われています。
お花(供花)
故人の心を慰め、お参りする人の心を穏やかにしてくれます。
美しい花を供えることは、ご先祖様への感謝の気持ちを表すことにも繋がります。
ろうそく(灯燭)
お線香に火を灯すだけでなく、その光は煩悩の闇を照らす仏の智慧を象徴します。
ろうそくの灯りは、お参りに来た人の顔を明るく照らし、故人に姿を見せるためのものとも言われています。
水(浄水)
清らかな水は、故人の喉の渇きを潤し、お参りする人の心を清める意味があります。
墓石にある水鉢(お水を溜めるくぼみ)に新しい水を満たしましょう。
食べ物・飲み物(飲食)
故人が生前好きだったお菓子や果物、飲み物をお供えします。
これは、私たちが今、食べ物に困らず生かされていることへの感謝を示す意味も込められています。
お参りに欠かせない仏具・道具
五供のお供え物と合わせて、お参りの作法に必要となる道具も準備しましょう。
これらは故人や仏様と向き合うための大切なアイテムです。
数珠(じゅず)
仏様やご先祖様と心を通わせるための大切な法具です。
数珠を手に持つことで心が落ち着き、より深く祈りを捧げることができます。
必須ではありませんが、仏教徒であれば持参するのが望ましいでしょう。
ライターやマッチ
ろうそくやお線香に火をつけるために必須です。
屋外のお墓は風が強いことも多いため、炎が消えにくい風防付きのライターやチャッカマンがあると非常に便利です。
【掃除編】お墓を清めるための掃除道具リスト
お墓に着いたら、まずはお墓とその周りをきれいに掃除することから始めます。
これは、ご先祖様が気持ちよく過ごせる場所を整えるという、大切な供養の一つです。
霊園やお寺によっては掃除道具を貸し出している場合もありますが、事前に確認しておくと安心です。
基本の掃除道具
まずは、基本的な掃除に必要な道具を揃えましょう。
これらがあれば、一通りのお墓掃除が可能です。
ほうき・ちりとり
墓所の区画内の落ち葉やゴミを集めるために使います。
雑巾やタオル
墓石を水拭き、乾拭きするために複数枚あると便利です。
墓石を傷つけないよう、柔らかい素材のものを選びましょう。
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墓石の水洗いに使います。こちらも墓石を傷つけないよう、柔らかい素材のものを選びましょう。
硬いタワシは墓石に傷をつける原因になるため避けてください。
バケツや手桶
水を運ぶために必要です。
多くの霊園やお寺には水道と貸し出し用の手桶がありますが、持参するとよりスムーズです。
ゴミ袋
掃除で出たゴミや、古くなったお花などをまとめるために必須です。
出たゴミは必ず持ち帰るのがマナーです。
あると便利な専門道具
より丁寧にお墓をきれいにしたい場合に役立つ道具です。
最近では100円ショップなどで手軽に揃えられるものも多くあります。
歯ブラシ
墓石に彫刻された文字の部分など、細かい場所の汚れを落とすのに役立ちます。
軍手やゴム手袋
草むしりや水仕事から手を守ってくれます。
植木ばさみや鎌
植木が伸びていたり、雑草がたくさん生えていたりする場合に便利です。
【応用編】季節や状況で変わる!あると便利な持ち物
お墓参りは屋外で行うことがほとんどです。
季節によっては暑さや寒さが厳しくなるため、快適かつ安全にお参りできるよう、状況に応じた準備を心がけましょう。
夏のお墓参り(暑さ・虫対策)
夏の炎天下でのお墓参りは、熱中症や虫刺されのリスクが伴います。
特にご高齢の方やお子様連れの場合は、万全の対策が必要です。
飲み物
熱中症対策として、水分と塩分が補給できるスポーツドリンクなどがおすすめです。
帽子や日傘
直射日光を避けるために必須です。
虫よけスプレー、かゆみ止め
山間部などの墓地では蚊やブヨなどの虫対策も大切です。
冷却グッズ
首元を冷やすクールタオルや携帯扇風機、冷却シートなどがあると、体温の上昇を抑えるのに役立ちます。
冬のお墓参り(寒さ・雪対策)
冬のお墓参りは、厳しい寒さとの戦いです。
また、地域によっては積雪への備えも必要になります。安全を第一に考え、無理のない範囲でお参りしましょう。
防寒具
手袋、マフラー、帽子、カイロなどで体を冷やさないようにしましょう。
お湯を入れたペットボトル
冷たい水での掃除は手がかじかんで大変です。
ぬるま湯を持参すると、掃除がしやすくなります。ただし、熱湯は墓石を傷める可能性があるので避けましょう。
スコップ(プラスチック製)
積雪がある場合に、お墓の周りの雪かきに使います。
墓石を傷つけないよう、金属製ではなくプラスチック製のものを選びましょう。
【マナー編】持ち物に関する作法と注意点
お墓参りは、故人を想う気持ちが最も大切ですが、守るべき作法やマナーも存在します。
特に、お供え物の扱い方には注意が必要です。周りの方への配慮も忘れず、皆が気持ちよくお参りできる環境を保ちましょう。
お供え物のマナーとタブー
心を込めて準備したお供え物も、扱い方を間違えるとマナー違反になったり、お墓を汚す原因になったりします。
食べ物は半紙の上に
お供え物を墓石に直接置くと、シミや変色の原因になることがあります。 必ず半紙や懐紙を敷いた上にお供えしましょう。
お酒やジュースを墓石にかけない
故人が好きだったからといって、お酒やジュースを墓石にかけるのは絶対にやめましょう。
糖分やアルコールが墓石を傷めたり、変色させたりする原因になります。
また、虫が寄ってくる原因にもなります。お供えする際は、コップや湯呑みに注ぎましょう。
お供え物は必ず持ち帰る
お参りが終わったら、お供えした食べ物や飲み物は必ず持ち帰りましょう。
そのままにしておくと、カラスや動物に荒らされたり、腐敗して墓石を汚したりする原因になります。
持ち帰ったお供え物は、家族でいただくことで「お下がり」となり、故人への供養になるとされています。
避けるべきお供え物
肉や魚などの生ものは、仏教の教え(殺生を禁じる)から避けるのが一般的です。
また、ニンニクやニラなど香りの強い「五辛(ごしん)」も避けた方が良いとされています。
お花の選び方と注意点
お墓を彩るお花にも、選び方や供え方にいくつかのマナーがあります。
避けた方が良い花
- トゲのある花: バラなどトゲのある花は、攻撃的な印象を与え、他のお参り客や掃除の際に危険なため避けるのが無難です。 どうしても供えたい場合は、トゲをすべて取り除きましょう。
- 香りが強すぎる花: 香りが強すぎると、虫を寄せ付けたり、周りの人に不快感を与えたりする可能性があります。
- 花粉が多い花: ユリなど花粉が多い花は、墓石に付着するとシミの原因になることがあります。
- 毒のある花: 彼岸花や水仙など、毒を持つ花はお供えには不向きとされています。
おすすめの花
菊やカーネーション、リンドウ、キンセンカなどが長持ちし、仏花としてよく用いられます。
しかし、最も大切なのは故人を想う気持ちです。
近年ではマナーにこだわりすぎず、故人が生前好きだった花をお供えする方も増えています。
本数は奇数で
仏事では奇数が良いとされており、3本、5本、7本といった本数で用意するのが一般的です。
左右の花立てに対になるように、2つの花束を用意しましょう。
【宗派編】知っておきたい持ち物の違い
基本的な持ち物やマナーは多くの宗派で共通していますが、一部の宗派や宗教では独自の作法や考え方があります。
もしご自身の家の宗派が分からない場合は、親族に確認しておくと良いでしょう。
仏教の中でも違いはある?
ほとんどの仏教宗派で、これまで解説してきた持ち物やマナーは共通しています。しかし、一部の宗派では特徴的な作法が見られます。
基本的な持ち物は共通
多くの宗派では、五供を中心としたお供え物や掃除道具を持参するスタイルに大きな違いはありません。
浄土真宗の場合
浄土真宗では、「往生即成仏」という教えから、亡くなった方はすぐに仏様になると考えられています。
そのため、故人の霊を慰めるための「供養」という概念が他宗派と少し異なります。
- お線香: 立てずに、香炉の大きさに合わせて折り、火をつけた側を左にして横に寝かせます。
- 水: 仏様は喉が渇くことがないと考えられているため、基本的にお水はお供えしません。
- 卒塔婆: 追善供養の必要がないため、卒塔婆は立てません。
日蓮正宗など
お花の代わりに、香りの良い常緑樹である樒(しきみ)を供える場合があります。
キリスト教や神道の場合
仏教以外のお墓参りでは、持ち物や作法が大きく異なります。
キリスト教
仏教のようなお線香やお供え物の習慣はありません。お墓は故人が生きた「記念碑」と捉えられています。
- 持ち物: 白いカーネーションやユリなどの生花を手向けるのが一般的です。 故人が好きだった花でも構いません。数珠は仏教の法具なので不要です。
- 作法: お墓を掃除した後、お花を供え、静かにお祈りを捧げます。
神道
神道では、故人は家の守り神になると考えられています。
- 持ち物: 仏教のお線香の代わりに、榊(さかき)を供えます。お供え物は「神饌(しんせん)」と呼ばれ、お米、お酒、塩、水などが基本です。
- 作法: お参りの作法は神社での参拝と同様に「二礼二拍手一礼」が基本となります。
よくある質問(FAQ)
お墓参りの持ち物に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
Q: お墓参りの持ち物は100円ショップで揃えても大丈夫ですか?
A: はい、問題ありません。
掃除道具やお線香、ろうそくなど、多くの持ち物は100円ショップで揃えることができます。 大切なのは、道具の値段ではなく、ご先祖様を敬い、心を込めてお参りする気持ちです。
Q: 友人の家のお墓参りに行く場合、持ち物で気をつけることはありますか?
A: 基本的な持ち物(お花、お線香、故人が好きだったお菓子など)を持参すれば十分です。
お墓の掃除はご家族が行うのが基本なので、大掛かりな掃除道具まで持参する必要はありません。 事前にご家族に何が必要か確認すると、より丁寧な印象になります。
Q: お墓参りに行く服装に決まりはありますか?
A: 法要などが伴わない普段のお墓参りであれば、普段着で問題ありません。ただし、ご先祖様への敬意を示す場ですので、派手な色や露出の多い服装は避け、落ち着いた色合いの清潔感のある服装を心がけましょう。 また、掃除がしやすい動きやすい服装がおすすめです。
Q: ろうそくやお線香の火はどうやって消すのがマナーですか?
A: 仏教では人の息は「不浄」なものとされるため、口で吹き消すのはマナー違反とされています。 手であおいで消すか、専用の火消しを使いましょう。 ろうそくの火は火災防止のため、お参りが終わったら必ず消して帰るのがマナーです。
Q: お供えしたお花は持ち帰るべきですか?
A: 食べ物と違い、お花はそのまま供えておくのが一般的です。
ただし、霊園のルールで持ち帰りが定められている場合もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。また、次のお参りの際には、枯れた花はきれいに片付けるようにしましょう。
まとめ
お墓参りの持ち物について、ご理解いただけたでしょうか。
基本の持ち物から掃除道具、マナーに至るまで、大切なのは「故人を敬い、感謝する心」です。
完璧なリストを揃えること以上に、ご先祖様との対話の時間を大切にしてください。
この記事が、あなたの心穏やかなお墓参りの一助となれば、葬祭カウンセラーとしてこれほど嬉しいことはありません。
持ち物の準備が整ったら、ぜひ故人との思い出を胸に、お墓へと足を運んでみてください。あなたのその想いは、きっと届くはずです。
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また、日本葬祭アカデミー教務研修室にて「葬祭カウンセラー」資格を取得し、エンディング領域における専門性を活かした取り組みを進めている。
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