永代供養墓
送骨とは?遺骨を郵送する方法・流れ・費用を初心者向けに解説
「お墓が遠くてなかなか納骨に行けない」「跡継ぎがおらず、お墓の管理が難しい」
近年、このようなお悩みから「送骨(そうこつ)」という新しい供養の形を選ぶ方が増えています。
送骨とは、ご遺骨を寺院や霊園に郵送し、永代供養をしてもらう方法のことです。
しかし、大切なご遺骨を郵送することに、不安やためらいを感じる方も少なくないのではないでしょうか。
葬祭カウンセラーとして、そして供養サービスの開発に携わる専門家として、皆様のそのお気持ちに寄り添いながら、送骨の基本から具体的な手順、費用、そして何より大切な注意点まで、どこよりも分かりやすく、丁寧にご説明します。
【この記事の結論】送骨とは?基本情報と進め方
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送骨の定義 | ご遺骨を寺院や霊園に郵送し、永代にわたる管理・供養を託す方法です。お墓が遠い、跡継ぎがいない、費用を抑えたいといった現代のニーズに対応した供養の形です。 |
| 郵送方法 | 法律上は問題ありませんが、日本郵便の「ゆうパック」のみ利用可能です。ヤマト運輸や佐川急便などの他の宅配業者は利用できません。 |
| 費用の目安 | 供養方法によって異なります。最も一般的な「合祀(ごうし)」は約3万円~10万円、個別安置の場合は10万円~30万円以上となります。 |
| 基本的な流れ | ①送骨先を決定 → ②必要書類を準備(埋葬許可証など)→ ③ご遺骨を梱包 → ④ゆうパックで発送 → ⑤納骨完了の連絡を受け取る |
| 最大の注意点 | 一度「合祀(他のご遺骨と一緒に埋葬)」されると、ご遺骨を個別に取り出すことは二度とできません。必ず事前に親族とよく話し合い、全員の合意を得てから進めてください。 |

送骨とは?多様化する現代の新しい供養の形
そもそも「送骨」とは?
送骨とは、ご遺骨を骨壷に収めた状態で寺院や霊園などに郵送し、納骨から永代供養までを依頼する一連の流れを指します。
「送骨納骨」とも呼ばれ、物理的な距離や時間的な制約から、直接納骨に伺うことが難しい方々のために生まれました。
【用語解説】永代供養(えいたいくよう)とは?
ご遺族に代わって、寺院や霊園がご遺骨を永代にわたって管理・供養してくれる仕組みのことです。 お墓の承継者がいない場合でも、無縁仏になる心配がありません。
送骨は、単にご遺骨を送るだけでなく、その後の供養までを託す、現代のニーズに合った合理的な選択肢の一つと言えるでしょう。
関連記事: 浄土真宗の永代供養にかかる費用はいくら?永代経・合祀墓・個別墓の料金相場まとめ
なぜ今、送骨を選ぶ人が増えているのか?
送骨が選ばれる背景には、現代社会が抱える様々な変化があります。
葬祭カウンセラーとして日々ご相談を受ける中で、特に多いのは以下のようなケースです。
跡継ぎがいない
少子化により、お墓を継承する方がいない。自分の代で墓じまいを考え、ご先祖様のご遺骨を永代供養するために送骨を選ぶ。
お墓が遠方にある
故郷を離れて都市部で暮らしており、お墓参りや管理のために帰省するのが難しい。
経済的な負担を減らしたい
新しくお墓を建てるには多額の費用がかかりますが、送骨による永代供養は比較的費用を抑えられます。
ご遺族が高齢である
ご遺骨を持って長距離を移動するのが体力的に困難な場合。
墓じまいを考えている
先祖代々のお墓を整理する「墓じまい」の際に、取り出した複数のご遺骨をまとめて送骨する。
このように、ライフスタイルの多様化や核家族化といった社会構造の変化が、送骨という新しい供養の形への需要を高めているのです。
送骨は法律的に問題ない?ご遺骨の郵送は「ゆうパック」のみ可能
「大切なご遺骨を郵送しても、法律的に問題はないのだろうか?」
これは、多くの方が抱く最も大きな不安の一つだと思います。
結論から申し上げますと、日本国内でご遺骨を郵送すること自体は、法律で禁止されていません。
ご遺骨の取り扱いについては「墓地、埋葬等に関する法律(通称:墓地埋葬法)」で定められていますが、この法律は墓地以外への「埋葬」を禁止するものであり、ご遺骨の「移動(運搬)」を規制するものではありません。
ただし、どの配送業者でも利用できるわけではない点に、細心の注意が必要です。
現在、ご遺骨の郵送を受け付けているのは、日本郵便の「ゆうパック」のみです。
ヤマト運輸や佐川急便などの他の宅配業者では、利用規約でご遺骨の取り扱いを不可としています。
万が一の紛失時に金銭的な価値に換算できない、という理由からですが、ゆうパックを利用すれば、合法的に、そして安全にご遺骨を送ることが可能です。

【5ステップで解説】送骨の具体的な流れ・手順
それでは、実際に送骨を行う際の具体的な流れを5つのステップに分けて解説します。
一つひとつの手順を丁寧に行うことが、故人様への何よりの供養につながります。
ステップ1:送骨先(永代供養先)を決める
まず、ご遺骨を送る寺院や霊園、専門業者を決めます。
インターネットで「送骨 永代供養」などと検索すると、全国各地の受け入れ先を見つけることができます。
依頼先を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。
- 供養方法:他のご遺骨と一緒に埋葬される「合祀(ごうし)」か、一定期間は個別に安置されるのか。
- 宗派:ご自身の家の宗派は問われるのか。
- 費用:総額でいくらかかるのか、追加費用は発生しないか。
- 立地:将来、お参りに行く可能性も考え、場所を確認しておく。
後悔しないためにも、複数の候補を比較検討し、信頼できる依頼先を見つけることが重要です。
ステップ2:必要な書類を準備する
ご遺骨を納骨するためには、法的に定められた書類が必要です。
状況によって必要な書類が異なりますので、ご自身のケースを確認してください。
| 状況 | 必要な書類 | 取得場所 |
|---|---|---|
| 火葬後、一度も納骨していないご遺骨 | 埋葬許可証 | 死亡届を提出した市区町村の役所 |
| お墓から取り出したご遺骨(墓じまいなど) | 改葬許可証 | 現在お墓がある市区町村の役所 |
特に、墓じまいを伴う場合は「改葬許可証」の取得手続きが少し複雑になります。
「現在のお墓の管理者からの証明(埋蔵証明書)」と「新しい納骨先からの証明(受入証明書)」を用意して、役所で申請する必要があります。
手続きに不安がある場合は、送骨先の業者や行政書士などの専門家に相談しましょう。
ステップ3:ご遺骨を丁寧に梱包する
ご遺骨を安全に送るため、梱包は丁寧に行いましょう。
多くの送骨サービスでは、専用の「送骨キット(梱包セット)」を用意しているので、それを利用すると安心です。
ご自身で梱包する場合の手順は以下の通りです。
1. 骨壷の蓋を固定する
配送中に蓋が開かないよう、布製のガムテープなどで数カ所しっかりと固定します。
2. 緩衝材で包む
骨壷全体をプチプチなどの緩衝材で何重にも包み、衝撃から守ります。
3. 段ボール箱に入れる
骨壷のサイズに合った丈夫な段ボール箱を用意し、底にも緩衝材を敷きます。
4. 隙間を埋める
骨壷を箱の中央に入れ、新聞紙を丸めたものや緩衝材を隙間なく詰め、箱の中で動かないようにします。
5. 書類を同封する
ステップ2で準備した「埋葬許可証」または「改葬許可証」の原本を忘れずに同封します。
【葬祭カウンセラーからのワンポイントアドバイス】
梱包作業は、故人様と向き合う大切な時間でもあります。
作業を始める前に、静かな環境を整え、故人様に「これから新しい場所へお移りしますね」と心の中で語りかけるなど、ご自身の気持ちを整理する時間を持つことをお勧めします。
ステップ4:「ゆうパック」で発送する
梱包が完了したら、郵便局の窓口へ持ち込み、「ゆうパック」で発送します。
発送手続きの際は、以下の点に注意してください。
- 品名欄:送り状の品名欄には、正直に「遺骨」と記載します。 デリケートな荷物であることを伝えることで、より丁寧な取り扱いを期待できます。
- ワレモノ指定:「ワレモノ(こわれもの)」のシールを貼ってもらいましょう。
- コンビニからの発送:コンビニでもゆうパックは発送できますが、セキュリティサービス(損害賠償の上限額引き上げ)が利用できない場合があります。大切なご遺骨ですので、できるだけ郵便局の窓口から発送することをお勧めします。
発送後は、伝票に記載されている「お問い合わせ番号」で配送状況を追跡できるので安心です。
ステップ5:納骨完了の連絡を待つ
ご遺骨が送骨先に無事到着すると、寺院や霊園で納骨・供養が行われます。
その後、依頼先から「納骨完了通知書」や「永代供養許可証」といった書類が郵送されてきます。
この連絡をもって、一連の送骨手続きは完了です。
送骨にかかる費用はどれくらい?内訳と相場を解説
送骨費用の内訳は「永代供養料」+「郵送費」
送骨にかかる費用は、大きく分けて以下の2つで構成されます。
- 永代供養料:費用の大部分を占めるのが、ご遺骨の管理・供養を永代にわたって行ってもらうための料金です。
- 郵送費・手数料:ゆうパックの送料や、送骨キット代、事務手数料などが含まれます。
このほか、墓じまいを伴う場合は、お墓の解体・撤去費用や、僧侶へのお布施(閉眼供養など)が別途必要になります。
【費用相場】約3万円~が目安。供養方法によって変動
送骨の費用は、供養の方法によって大きく異なります。
最も費用を抑えられるのは、他の人のご遺骨と一緒に埋葬される「合祀墓(ごうしぼ)」で、3万円~5万円程度が相場です。
費用の目安
- 合祀墓(他のご遺骨と一緒):約3万円~10万円
- 集合個別墓(個別のスペースに安置):約10万円~30万円
- 納骨堂(屋内のお墓):約20万円~
※上記はあくまで目安です。依頼する寺院や霊園、ご遺骨の数によって異なります。
依頼先が寺院なのか、NPO法人なのか、あるいは民間の専門業者なのかによっても料金体系は様々です。
必ず事前に総額の見積もりを取り、内訳をしっかりと確認しましょう。

送骨のメリット・デメリットと後悔しないための注意点
送骨は多くのメリットがある一方で、知っておくべきデメリットや注意点も存在します。
双方を正しく理解し、ご自身とご家族にとって最善の選択をすることが大切です。
送骨の3つのメリット
送骨を選ぶことの主なメリットは、以下の3点です。
1. 費用を抑えられる
新しくお墓を建てる場合、数百万円の費用がかかることも珍しくありません。送骨による永代供養であれば、その費用を大幅に抑えることができます。
2. 距離の問題を解決できる
お墓や納骨先が遠方にあっても、郵送することで納骨・供養が可能です。 高齢で移動が難しい方や、海外にお住まいの方にとっても大きなメリットとなります。
3. 管理の手間が不要になる
永代供養を依頼すれば、その後の管理はすべて寺院や霊園に任せられます。お墓の掃除や管理費の支払いが不要になり、将来お墓を継ぐ方がいなくても無縁仏になる心配がありません。
知っておくべき3つのデメリットと注意点
安易な選択で後悔しないよう、専門家の視点から特に注意していただきたい点を3つお伝えします。
1. 一度合祀するとご遺骨は取り出せない
これが最も重要な注意点です。合祀墓に納骨されると、他の多くのご遺骨と一緒になるため、後から特定のご遺骨だけを取り出すことは物理的に不可能になります。将来、分骨や別のお墓への改葬を考える可能性が少しでもある場合は、一定期間個別に安置してくれるプランを選ぶ必要があります。
2. 郵送中の紛失リスクがゼロではない
ゆうパックは信頼性の高いサービスですが、天災や事故などによる紛失・破損のリスクが完全にゼロとは言い切れません。ゆうパックには損害賠償制度がありますが、金銭的価値のつけられないご遺骨そのものは補償の対象外となる可能性が高いです。
3. 親族の理解が得られない場合がある
「ご遺骨を郵送する」という行為に対して、心理的な抵抗を感じる方や、「故人に失礼だ」と考えるご親族がいる可能性も十分に考えられます。トラブルを避けるためにも、必ず事前に家族や近しい親族とよく話し合い、全員の理解と合意を得てから進めることが不可欠です。
失敗しない「送骨サービス」の選び方
大切なご遺骨を託すのですから、送骨サービスの提供者は慎重に選ばなければなりません。
信頼できる業者を見極めるための3つのチェックポイントをご紹介します。
チェックポイント1:供養方法と安置期間を確認する
契約する前に、ご遺骨がどのように供養されるのかを具体的に確認しましょう。
- 送ってすぐに合祀されるのか?
- それとも、十三回忌や三十三回忌など、一定期間は個別の骨壷で安置してくれるのか?
- 個別安置の期間は延長できるのか?
特に、前述の通り「一度合祀すると取り出せない」という点を踏まえ、ご自身の希望に合った供養方法を提供しているかどうかが最も重要なポイントです。
チェックポイント2:運営元が信頼できるかを見極める
送骨サービスの運営元が、信頼に足る組織かどうかを見極めることも大切です。
- 運営元の情報開示:事業所の住所や連絡先、代表者名が明確に記載されているか。実際にその場所に事業所が存在するか確認するのも有効です。
- 問い合わせへの対応:電話やメールで問い合わせた際のスタッフの対応は丁寧か。専門的な質問にも誠実に答えてくれるか。
- 実績や口コミ:これまでの実績は豊富か。実際に利用した人の口コミや評判も参考にしましょう。
「料金が安すぎる」「良いことばかりを強調する」といった業者には注意が必要です。
チェックポイント3:料金体系が明確であるか
料金トラブルを避けるため、費用に関する説明が明確かどうかを必ず確認してください。
- 見積もりの内訳:基本料金に何が含まれていて、何がオプション(追加料金)なのかを詳細に確認する。
- 追加費用の有無:「お布施」「年間管理費」などの名目で、後から追加費用を請求されることがないか、契約前に書面で確認しましょう。
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金を比較検討することをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
Q: 送骨は自分で行うこともできますか?
A: はい、可能です。ご自身で永代供養先を探して契約し、必要な書類を準備してゆうパックで発送することで送骨を行えます。ただし、梱包や手続きに不安がある場合は、梱包材などがセットになった「送骨キット」を提供している専門業者に依頼するとスムーズです。
Q: 墓じまいしたお墓から出てきた複数のご遺骨も送骨できますか?
A: はい、可能です。墓じまいでは複数のご遺骨を運ぶのが大変なため、送骨がよく利用されます。 ただし、原則としてご遺骨1柱(柱:はしら、ご遺骨を数える単位)ごとに行政手続き(改葬許可申請)が必要になります。 手続きが複雑になる場合があるため、事前に自治体の窓口でしっかり確認しましょう。
Q: 送り状の品名には何と書けばよいですか?
A: 品名には正直に「遺骨」と記載してください。 ゆうパックではご遺骨の配送が認められていますので、隠す必要はありません。むしろ、デリケートな荷物であることを配送員に正しく伝えることで、より丁寧な取り扱いを期待できます。
Q: 海外へ送骨することはできますか?
A: 国によって規制が異なり、原則として禁止されている場合が多いため、非常に難しいのが現状です。 日本郵便の国際郵便サービスでは、ご遺骨は禁制品に指定されており、発送できません。 どうしても必要な場合は、外務省や相手国の大使館、国際輸送を専門とする業者への確認が必須となります。
Q: ペットの遺骨も送骨できますか?
A: はい、ペット霊園や供養業者の中には、ペットの遺骨の送骨を受け付けているところもあります。 人間の場合とは法律や手続きが異なりますので、必ず専門のペット供養サービスに問い合わせてください。ゆうパックで送ること自体は可能ですが、受け入れ先のルールに従う必要があります。
まとめ
今回は、新しい供養の形である「送骨」について、その意味から具体的な流れ、費用、注意点までを解説しました。
送骨は、お墓に関する様々な悩みを解決できる有効な選択肢の一つです。
しかし、一度合祀するとご遺骨を取り出せなくなるなど、後戻りできない側面もあります。
最も大切なのは、ご自身とご家族が心から納得できる方法を選ぶことです。
この記事が、故人様を想う皆様の心に寄り添い、最善の選択をするためのお力になれましたら幸いです。
もし、まだ不安なことや分からないことがあれば、一人で抱え込まず、私たちのような専門家にご相談ください。
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また、日本葬祭アカデミー教務研修室にて「葬祭カウンセラー」資格を取得し、エンディング領域における専門性を活かした取り組みを進めている。
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