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無縁仏の費用は誰が払う?行政の対応と家族が取るべき行動

2026.04.16
2026.04.16

身寄りのない親族が亡くなったとき、葬儀や火葬の費用はいったい誰が払うのでしょうか。
自分自身が無縁仏になってしまったらどうなるのか、家族に迷惑はかからないのか、そんな不安を抱える方は少なくありません。

本記事では、無縁仏の費用を誰が最終的に負担するのか、市区町村がどのように対応するのか、そしてご家族が今すぐ取れる具体的な行動まで、法律の根拠と実務の両面から丁寧に解説します。
ご自身やご家族の安心のために、ぜひ最後までお読みください。

【この記事の結論】無縁仏の費用負担と対応のポイント

項目内容
費用の一次負担原則として死亡地の市区町村(行政)が立て替えます。
費用の最終負担故人の財産から優先して回収され、不足分は相続人や扶養義務者に請求される可能性があります。
引き取り拒否の注意点遺体の引き取りを拒否しても「相続放棄」にはなりません。(相続放棄は死後3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述が必要)
生前にできる対策永代供養墓の生前契約や、死後事務委任契約の活用が有効です。
無縁仏の費用は誰が払う?
「行政が払う」は一時立て替えに過ぎません。故人の財産や相続人への求償が先にある仕組みを、生前に正しく理解しておきましょう。
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無縁仏の費用は基本的に「市区町村(行政)」が負担する

「無縁仏になったら、費用は誰が払うのか」
結論から申し上げます。
身寄りのない方が亡くなられた場合、火葬や埋葬にかかる費用は死亡地の市区町村(行政)が負担するのが原則です。

身寄りのない方の火葬・埋葬費用は死亡地の市区町村長が負担する

これは単なる慣例ではなく、「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」第9条という法律で明確に定められています。
葬儀を執り行う人や埋葬する人がいない、または誰がそれを行うべきか判明しないとき、死亡地の市区町村長が行わなければならないとされているのです。

費用は各自治体の予算から支出され、市民税や固定資産税といった地方税などが原資になります。
身寄りがない、あるいは家族が遠方にいて対応できない場合でも、ご遺体が放置される心配はありません。

「行政が払う」の正確な意味|一時負担と最終負担の違い

ただし、ここで誤解を避けていただきたい点があります。
行政が「全額をタダで最後まで負担する」というわけではありません。
市区町村が負担するのは、あくまで一時的な立て替えという性質です。

故人に預貯金などの財産があれば、そこから優先的に費用が回収されます。
さらに、相続人や扶養義務者がいれば、後から請求される可能性もあります。
「行政が払うから安心」と考えていると、後日ご遺族のもとに費用請求が届いて驚かれる、というケースも現場ではよくあるご相談です。

この一時負担と最終負担の違いは、記事後半の「自治体が立て替えた費用は遺族・相続人に請求されるのか」のセクションで詳しく解説します。

なぜ市区町村が費用を負担するのか|墓地埋葬法第9条が定める仕組み

なぜ市区町村には、縁もゆかりもない方の火葬費用を負担する義務があるのでしょうか。
その根拠となる法律を、正確な条文と合わせて見ていきます。

墓地、埋葬等に関する法律 第9条の条文と意味

墓地埋葬法(昭和23年法律第48号)第9条の条文は次のように定められています。

第9条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
2 前項の規定により埋葬又は火葬を行つたときは、その費用に関しては、行旅病人及び行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)の規定を準用する。

ポイントは「行わなければならない」という文言です。
これは努力義務ではなく、市区町村長に課された法的な義務です。
ご遺体の放置は公衆衛生上の問題にも直結するため、国としても行政に強い責務を負わせています。

詳しい法律の概要は厚生労働省の墓地、埋葬等に関する法律の概要をご覧ください。

行旅病人及び行旅死亡人取扱法の準用|費用の処理ルール

第9条第2項に登場する「行旅病人及び行旅死亡人取扱法」は、旅先で亡くなった方や身元不明の方の取り扱いを定めた明治32年の法律です。
墓地埋葬法はこの法律を準用することで、費用の処理方法を定めています。

具体的な優先順位は次のとおりです。

  • 第1優先:故人の遺留金品(預貯金、現金、有価証券など)から弁済
  • 第2優先:相続人や扶養義務者への請求
  • 最終負担:それでも費用を回収できなかった場合、自治体(都道府県)が最終的に負担

つまり行政の負担は最後の砦であって、故人の財産や親族の責任が先にあるのです。
このルールは「自治体がタダで葬儀してくれる」という誤解を解く大切なポイントになります。

生活保護法に基づく葬祭扶助との違い

ここで混同されやすいのが「葬祭扶助」です。
生活保護法第18条に基づく葬祭扶助は、葬儀を執り行う方はいるものの、その方に費用を支払う経済的余裕がない場合に支給される制度です。

墓地埋葬法第9条と葬祭扶助の違いを整理すると次のようになります。

制度根拠法適用されるケース費用負担者
墓地埋葬法第9条墓地、埋葬等に関する法律葬儀を執り行う人がいない・判明しない市区町村が直接行い、後に遺産や遺族から回収
葬祭扶助生活保護法第18条葬儀を執り行う人はいるが、費用が払えない自治体が葬祭執行者に支給(上限約20万円)

同じ「自治体が関わる」仕組みでも、誰が葬儀を行うかという点で全く別の制度です。
ご自身の状況に応じて、どちらが該当するのかを確認することが大切です。

自治体が無縁仏に対応する具体的な流れ|火葬から納骨までの手続き

では実際に、身寄りのない方が亡くなったとき、市区町村はどのような流れで対応するのでしょうか。
葬祭カウンセラーとして各地の実務を見てきた立場から、一般的な3つのステップを解説します。

ステップ1:死亡確認と縁故者の調査

市区町村が死亡を把握すると、まず戸籍や住民票を辿って縁故者(親族)の調査を行います。
病院や施設、警察からの連絡を起点に、自治体職員が地道に関係者を探していく作業です。

ただし、この調査には限界があります。
総務省が2023年9月に公表した「墓地行政に関する調査」でも、墓地使用者の縁故者情報の把握が自治体側で進んでおらず、無縁墳墓が発生する要因の一つとして指摘されています。
戸籍情報と実際の人間関係には大きなギャップがあり、書類上の親族が連絡すら取れないケースも珍しくありません。

ステップ2:火葬の実施と遺骨の保管

縁故者が見つからない、または連絡が取れても引き取りを拒否される場合、自治体は葬儀社を手配して火葬を行います。
儀式は省略され、いわゆる「直葬」と呼ばれる最小限の形式が一般的です。

関連記事: 直葬で後悔した人の声|よくある失敗パターンと事前にできる対策

火葬後の遺骨は、各自治体が定める保管期間の間、役所や指定の保管場所で管理されます。
保管期間は自治体によって異なり、おおむね1年から5年程度が多いとされます。
この期間中に親族が現れれば、遺骨の引き渡しが行われます。

興味深い事例として、大阪市では「斎場保管遺骨取扱要綱」により、保管期間経過後の最初の9月1日以降に処理する、と明確に定められています。
自治体ごとに運用が違うため、ご自身の住む地域の対応を確認しておくと安心です。

ステップ3:合祀墓・無縁塚への納骨と供養

保管期間が過ぎても引き取り手がない場合、遺骨は自治体が委託する寺院や霊園の合祀墓(ごうしぼ)へ納められます。
合祀墓とは、複数の故人様の遺骨を一緒に埋葬する共同のお墓のことです。

合祀にかかる費用は1柱あたりおおむね数万円から10万円程度で、これも自治体が負担します。
年に一度の合同法要を行う自治体も多く、委託先の寺院の僧侶による読経で供養されるのが通例です。

ここで重要な点をお伝えします。
合祀墓に納骨された遺骨は、他の方の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から個別に取り戻すことは原則できません
「後で落ち着いたら引き取ろうと思っていた」というご家族が、合祀後に遺骨を返してほしいとご相談に来られるケースがありますが、このタイミングを逃すと手遅れになってしまいます。

自治体ごとに対応が異なる現状

ここまで一般的な流れを解説しましたが、実は国としての統一ルールは存在しません
保管期間、合祀のタイミング、費用処理の方法は、すべて各自治体の判断に委ねられています。

ご家族が「どの市区町村で亡くなるか」によって、対応のスピードや内容は変わります。
ご自身やご親族が心配な場合は、住民票のある市区町村の福祉課や市民課に問い合わせてみましょう。

自治体が立て替えた費用は遺族・相続人に請求されるのか|法的責任の整理

ここからが、多くの方が見落としがちな最重要ポイントです。
行政が火葬費用を立て替えた後、その費用は誰にどう請求されるのかを、制度の順序に沿って整理します。

故人の遺留金品から優先的に弁済される

先に触れた行旅病人及び行旅死亡人取扱法の規定に基づき、まず故人の遺留金品から費用が回収されます。
具体的には預貯金、現金、有価証券、動産などが対象です。

孤独死された方の銀行口座から、自治体が立て替えた火葬費用が引き落とされるというケースも実際に発生しています。
故人に財産が残っていれば、ご遺族の負担は発生しないこともあります。

相続人・扶養義務者への請求が発生するケース

遺留金品だけでは費用を賄えない場合、自治体は相続人や扶養義務者に費用を請求できます。

相続人とは、民法で定められた法定相続人(配偶者、子、親、兄弟姉妹など)を指します。
扶養義務者は、民法第877条第1項により「直系血族及び兄弟姉妹」が該当します。

つまり父母・祖父母・子・孫・兄弟姉妹は、原則として互いに扶養義務を負う関係にあります。
さらに家庭裁判所の判断によっては、三親等内の親族(おじ・おば・甥・姪など)にも扶養義務が認められるケースがあります。

葬祭カウンセラーとしてお話を伺う中で、「何年も会っていなかった親族の火葬費用を、突然役所から請求されて困っている」というご相談をお受けすることがあります。
疎遠になっていたとしても、法律上の親族関係が残っている限り、請求の対象になり得ます。

「遺体引き取り拒否」と「相続放棄」は別の手続き

ここで最も誤解の多いポイントをお伝えします。
遺体や遺骨の引き取りを拒否することと、相続放棄は全く別の手続きです。

遺体の引き取りを拒否すること自体は、法律上可能です。
しかしそれによって自動的に相続放棄が成立するわけではありません。
相続放棄を希望する場合は、相続開始(通常は被相続人の死亡を知った日)から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申述を行う必要があります。

引き取りを拒否しただけで何も手続きをしないと、相続人として故人の財産と負債の両方を承継したとみなされます。
後日、故人名義の借金が発覚したり、不動産の管理責任を問われたりする可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

祭祀承継は相続放棄しても放棄できない

もう一つ、見落とされがちな点があります。
お墓、仏壇、位牌といった祭祀財産は、通常の相続財産とは別の扱いです。
民法第897条により、祭祀の承継は慣習や指定によって決まり、相続放棄をしても祭祀承継者としての立場は放棄できません。

「相続放棄したから親のお墓は関係ないと思っていたら、祭祀承継者に指定されていて、管理費の請求が来た」というご相談も実際にあります。
相続と祭祀は別問題という理解が欠かせません。

増え続ける無縁仏の実態|身元判明でも引き取り拒否される時代

社会の変化とともに、無縁仏の実態も大きく変わってきました。
最新のデータから、現代の無縁仏問題をお伝えします。

全国の無縁遺骨は約6万柱|総務省調査が示す衝撃の実態

総務省が2023年5月に公表した調査では、2021年10月末時点で全国の市区町村が保管する引き取り手のない「無縁遺骨」は少なくとも約6万柱にのぼると報告されています。
このうち約9割の5万4千柱は身元が判明しているにもかかわらず、引き取り手が見つからないか親族に拒否された遺骨でした。

さらに、総務省が2023年9月に公表した「墓地行政に関する調査結果に基づく通知」では、公営墓地を管理する765市町村のうち445市町村(58.2%)で無縁墳墓等が1基以上発生していることが明らかになりました。
これらの調査は無縁仏が一部の特殊事情ではなく、すでに全国的な社会問題となっていることを明確に示しています。
詳細は総務省の公式発表ページで確認できます。

「身寄りはあるけど無縁仏」が主流に

かつての無縁仏は「身元不明の行き倒れ」がイメージされていましたが、現代はまったく様相が異なります。
象徴的なのが横須賀市の事例です。
同市では、2017年度に引き取り手のなかった遺骨49柱のうち、身元不明だったのはわずか1柱
残りの48柱は、親族が特定されていたにもかかわらず引き取りを拒否された、あるいは連絡が取れなかったケースでした。
横須賀市では1柱あたり約25万円の火葬費用を市が負担したと報じられています。

つまり今や、「身元が分からないから無縁仏」ではなく、「身元は分かっているのに無縁仏」になる事例が圧倒的多数です。
家族関係の変化が、供養のあり方を根本から変えつつあります。

引き取り拒否される主な3つの理由

現場でお話を伺っていると、引き取り拒否の背景には次の3つの理由が多く見られます。

  • 経済的負担への不安
    火葬費用、納骨費用、お墓の維持費まで含めると、数十万円以上の出費を覚悟しなければならない
  • 長年の疎遠や感情的な確執
    離婚・絶縁など、生前に関係が断絶していた親族への心理的な抵抗
  • 核家族化で墓を持たない世代の増加
    引き取ったとしても納める場所がない、という物理的な問題

理由はどれも理解できるものばかりです。
ただ一方で、放置すれば故人の尊厳や残されたご家族の心にも影響します。
次で、生前にできる対策を一緒に考えていきましょう。

家族・自分が無縁仏にならないために生前にできる5つの行動

「自分も無縁仏になるかもしれない」という不安を抱える方に、今からできる具体的な行動を5つご紹介します。
どれか1つでも着手すれば、ご家族の負担を大きく減らせます。

行動1:永代供養墓の生前契約

最も確実で効果が高いのは、永代供養墓の生前契約です。
永代供養とは、寺院や霊園が継承者に代わって永続的に供養・管理を行う仕組みで、生前に契約しておけば継承者がいなくても安心して眠れる場所を確保できます。

費用相場は供養の形式によって異なります。

形式費用相場特徴
合祀型(他の方と一緒に埋葬)5万〜30万円最も安価。最初から合祀される
樹木葬5万〜150万円樹木や草花をシンボルにする自然志向
納骨堂20万〜150万円屋内型。都市部でも立地が良い
個別安置型永代供養50万〜200万円一定期間は個別、その後合祀

予算と希望に応じて選べる幅が広がっており、ご自分のライフスタイルに合う形を選べます。

行動2:樹木葬・納骨堂など継承不要の供養先を選ぶ

永代供養の中でも、近年急速に人気が高まっているのが樹木葬納骨堂です。
いずれも継承者を必要としない設計で、都市部でもアクセスの良い場所に増えています。

樹木葬は自然回帰を重視する方に、納骨堂は天候を気にせずお参りしたい方に向いています。
葬祭カウンセラーとしてご相談を受けていると、「お墓掃除の負担を子どもに残したくない」という理由で選ばれる方が非常に増えています。

行動3:エンディングノート・遺言書の作成

ご自身の希望を書面に残すことも、無縁仏を防ぐうえで大きな意味を持ちます。
葬儀の形式、納骨先、遺骨の取り扱い、供養してほしい方法など、具体的な意思表示をしておくことで、ご家族が迷わずに済みます。

エンディングノートは法的拘束力はありませんが、希望を伝える手段として有効です。
財産の分配など法的な効力を持たせたい場合は、公正証書遺言など法的拘束力のある遺言書を作成しましょう。
行政書士や司法書士に相談すれば、確実な書式で作成できます。

行動4:死後事務委任契約の活用

身寄りがない方や、家族に負担をかけたくない方には、死後事務委任契約という選択肢があります。
これは行政書士、司法書士、弁護士、NPO法人などの第三者に、葬儀・納骨・遺品整理などの手続きを生前に委任しておく契約です。

費用相場は契約内容や依頼先によって異なります。

依頼先契約書作成実際の事務手続き時
士業(行政書士・司法書士・弁護士)数万円〜20万円30万〜100万円
NPO法人・民間企業数万円〜10万円30万〜150万円(預託金が必要な場合あり)

包括的に任せる場合は総額で100万円を超えることもあります。
複数の依頼先から見積もりを取り、信頼できる相手を選ぶことが大切です。

行動5:オンライン対応型の供養サービスを検討する

近年は、インターネットを活用した新しい供養の形も広がっています。
遠方にお住まいの方、ご家族が離れて暮らしている方、多忙で寺院まで足を運べない方にとって、オンラインで完結する納骨や預骨のサービスは心強い選択肢です。

goennが運営するタグル(taguru)もそうした新しい供養のかたちの一つです。
ご遺骨を送るだけで提携寺院に納骨してもらえる「おくるだけ」と、スタッフがご自宅までお迎えに伺う「おむかえ」の2プランがあり、ご事情に合わせて選べます。

継承者がいない方や、ご家族に物理的な負担をかけたくない方にとって、納骨先の選択肢として検討してみる価値があります。

親族が無縁仏になりそうなとき家族が取るべき5つの行動

役所から「ご親族が亡くなった」という連絡を受けたら、慌てずに次の5つを押さえて判断してください。
法律的にも心理的にも負担の大きい場面ですが、順序を守れば落ち着いて対応できます。

行動1:自治体からの連絡を無視しない

まず何より、自治体からの連絡を無視しないことです。
長年疎遠だった親族であっても、無視したところで法的責任が消えるわけではありません。
後から火葬費用の請求が届くケースもあります。

電話や書面で連絡があった段階で、自治体の担当者に現状を確認し、ご自身の立場をはっきり伝えるところから始めましょう。

行動2:火葬・葬儀の引き受けを判断する

次に、葬儀や火葬を引き受けるかどうかを決めます。
引き受ける場合、費用負担の目安は次のとおりです。

  • 直葬(火葬のみ):全国平均で約20万〜40万円、公営火葬場を使えば10万円以下の場合もある
  • 一日葬:30万〜50万円程度
  • 家族葬:50万〜150万円程度

費用に不安がある場合は、葬祭扶助の申請を検討しましょう。
生活保護の受給者、または葬儀を執り行う方が経済的に困窮している場合、自治体から大人約21万5,000円、子供約17万2,000円を上限とする補助が出ます。

重要なのは、葬儀前に市区町村の福祉事務所で申請する必要があることです。
葬儀後の申請は原則認められません。

行動3:相続放棄を検討する場合は3か月以内に家庭裁判所へ

費用負担を避けたい、故人の借金を相続したくないという場合は、相続放棄を検討します。
期限は厳格で、相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所への申述が必要です。

前述のとおり、遺体の引き取りを拒否しただけでは相続放棄は成立しません。
また、相続放棄をしても祭祀承継は別問題です。
判断に迷う場合は、弁護士や司法書士への相談を強くおすすめします。

行動4:遺骨を引き取る場合の納骨先を決める

遺骨を引き取ると決めた場合、次に考えるのが納骨先です。
選択肢は豊富にあります。

  • 既存のお墓に納骨する
  • 永代供養墓や樹木葬、納骨堂に納める
  • 散骨(海洋葬など)を行う
  • 手元供養として自宅で保管する

自治体の保管期間中であれば、落ち着いて検討する時間はあります。
焦って決める必要はありません。
ご自身の生活スタイルや故人との関係性を踏まえて、納得のいく選択をしていただければと思います。

行動5:専門家への相談を活用する

一人で抱え込まず、専門家に相談するのも大切な行動です。
相談先には次のような選択肢があります。

  • 葬祭カウンセラー・終活アドバイザー:供養全般の相談
  • 行政書士・司法書士・弁護士:相続放棄、死後事務委任契約、遺言書
  • 市区町村の福祉課・地域包括支援センター:公的な支援制度の案内

どの専門家も初回無料相談を受け付けているケースが多くあります。
まずは電話1本から始めてみてください。

無縁仏に関する費用相場一覧|火葬から永代供養まで

費用の全体像を把握しておくと、判断がしやすくなります。
ここでは立場別に、発生する費用を一覧で整理します。

行政が負担する場合の費用内訳

身寄りがなく、市区町村が対応するケースで発生する費用の目安です。

項目金額目安負担者
火葬費用5万〜10万円自治体(後日求償の可能性あり)
遺骨保管費用年間数千円程度自治体
合祀墓納骨費用数万〜10万円自治体
合同法要費用年数千円程度自治体

金額は自治体や地域によって異なりますが、おおむねこの範囲に収まります。

家族が引き受ける場合の費用内訳

ご家族が葬儀から納骨までを担う場合の目安は次のとおりです。

項目金額目安
直葬20万〜40万円(公営火葬場なら10万円以下も可)
一日葬30万〜50万円
家族葬50万〜150万円
永代供養墓5万〜200万円(形式により大きく変動)
樹木葬5万〜150万円
納骨堂20万〜150万円
手元供養数千円〜10万円

最小構成であれば数十万円から、手厚く行う場合は数百万円規模になります。
ご予算と希望を丁寧に話し合って決めることが大切です。

葬祭扶助の上限金額

生活保護法第18条に基づく葬祭扶助の上限は、大人は約21万5,000円、子供(小人)は約17万2,000円が基準となっています(自治体により多少の差があります)。
この範囲内で、死亡診断書発行費、遺体搬送、安置料、棺、骨壺、火葬料などが支給対象になります。

葬祭扶助だけで葬儀の大部分を賄えるため、経済的に厳しい方は迷わず申請を検討してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 無縁仏の費用は最終的に誰が負担しますか?

一次的には死亡地の市区町村が立て替えますが、故人の遺留金品(預貯金や現金など)があれば、そこから優先的に弁済されます。
不足する場合は、相続人や扶養義務者に請求されることもあります。
完全に自治体が最終負担するのは、故人に財産がなく、相続人・扶養義務者からも回収できない場合に限られます。

Q. 親族の遺骨の引き取りを拒否することはできますか?

法律上、遺体や遺骨の引き取り拒否は可能です。
ただし、引き取り拒否は相続放棄にはなりません。
相続財産や負債を放棄したい場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続き(死亡を知った時から3か月以内)を別途行う必要があります。

さらに、自治体が立て替えた火葬費用は、後日、相続人や扶養義務者に請求される可能性があります。

Q. 身寄りがない人が亡くなった場合、葬儀はどうなりますか?

墓地埋葬法第9条により、死亡地の市町村長が火葬を行います。
儀式は最小限の直葬形式が一般的で、火葬後の遺骨は自治体が一定期間(おおむね1〜5年)保管された後、合祀墓に納骨されます。
詳しい対応は自治体ごとに異なるため、住民票のある市区町村にご確認ください。

Q. 無縁仏として一度合祀された遺骨は取り戻せますか?

合祀墓に納骨された遺骨は他の方の遺骨と一緒になるため、個別に取り戻すことは原則できません。
ご家族が引き取りを希望される場合は、必ず自治体の保管期間内に申し出てください。
このタイミングを逃すと、後から手を尽くしても遺骨を戻せなくなります。

Q. 自分が無縁仏にならないためには何をすればいいですか?

永代供養墓や樹木葬の生前契約、エンディングノートや遺言書の作成、死後事務委任契約の活用などが効果的です。
継承者がいなくても供養が続く仕組みを生前に整えておくことで、ご自身の希望通りの供養を受けられます。
費用や形式に幅広い選択肢があるため、まずはご自身のライフスタイルに合う方法を検討してみてください。

Q. 生活保護を受けている親族が亡くなった場合、葬儀費用はどうなりますか?

葬祭執行者(葬儀を行う方)に経済的な余裕がない場合、生活保護法第18条に基づく葬祭扶助が支給されます。
上限は大人が約21万5,000円、子供が約17万2,000円が目安です。
申請は葬儀前に市区町村の福祉事務所で行う必要があります。
葬儀後の申請は認められないケースが多いため、亡くなられた直後に窓口へ相談してください。

Q. 墓地の管理費を払い続けないと無縁仏になりますか?

はい、なります。
墓地や霊園の使用規約に基づき、管理料の長期滞納(多くは3〜5年)が続くと、墓地管理者は無縁墳墓として整理する手続きに入ります。
手続きでは、官報公告と墓地への立て札による1年間の公示期間を経て、改葬許可を取得してからお墓を整理します。
管理料の支払いが難しくなった場合は、墓じまいや改葬を早めに検討しましょう。

Q. 行政から「ご親族の遺骨を引き取ってほしい」と連絡が来ました。費用はかかりますか?

行政の保管中に遺骨を引き取る場合、自治体が立て替えた火葬費用の請求を受ける可能性があります。
また、引き取った後の納骨先(永代供養墓など)の費用はご家族負担です。
引き取りを判断する前に、自治体に費用の総額を確認してから決められることをおすすめします。

まとめ

無縁仏の費用は、原則として死亡地の市区町村が一時的に負担します。
ただしそれは最終的な負担ではなく、故人の財産や相続人・扶養義務者に求償される可能性がある点は、多くの方が見落としがちな重要ポイントです。

身寄りのない方が亡くなったときの対応は墓地埋葬法第9条に基づき、火葬から合祀までが行政の責任で進められます。
一方で、自治体が保管する無縁遺骨は約6万柱、公営墓地を管理する市町村の58.2%で無縁墳墓が発生しているという総務省の数字が示すとおり、現代の無縁仏は「身元判明でも引き取り拒否」が主流です。
家族関係の希薄化が進む今、誰にとっても他人事ではありません。

葬祭カウンセラーとして多くのご相談を受けてきた経験から申し上げると、生前の準備こそが最大の安心です。
永代供養の生前契約、エンディングノートや遺言書の作成、死後事務委任契約、オンライン対応の供養サービスなど、選択肢は年々広がっています。
ご自身のライフスタイルや価値観に合う方法を、一つずつ検討してみてください。

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