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塔婆(卒塔婆)とは?立てる理由や塔婆代の相場、袋の書き方を解説

2025.07.06
2026.04.14
塔婆(卒塔婆)とは?立てる理由や塔婆代の相場、袋の書き方を解説

法要の案内を受け取って「塔婆を用意してください」と言われたとき、「そもそも塔婆って何だろう」「いくら包めばいいの?」「封筒には何と書けばいいの?」と戸惑う方は少なくありません。
私も葬祭カウンセラーとして、初めて法要の施主を任された方から同じご相談を数多く受けてきました。

この記事では、株式会社goennでCPOを務める新原秀崇が、塔婆(卒塔婆)の意味と立てる理由から、塔婆代の相場、封筒の書き方、依頼の流れ、処分方法までを一記事で丁寧に整理します。

【この記事の結論】塔婆(卒塔婆)の準備とマナーのポイント

項目内容
塔婆代の相場1本あたり2,000円〜10,000円(中心は3,000〜5,000円)。金額は寺院によって決まっているため、必ず事前に菩提寺へ確認してください。
封筒の書き方表書きは「御塔婆料」などとし、香典とは異なり濃墨を使用します。お札は肖像画を上向き(表)に入れます。
渡し方のマナー法要当日に、お布施とは別の封筒に分け、袱紗(ふくさ)に包んで僧侶へお渡しします。
依頼のタイミング法要の2週間前まで(お盆などの繁忙期は1ヶ月前まで)に、菩提寺へ本数や戒名などを伝えて申し込みます。
処分の方法古くなった塔婆の自宅での焼却は法令違反です。必ず菩提寺や霊園の専用置き場に返し、お焚き上げを依頼してください。
塔婆(卒塔婆)とは
塔婆は仏教2500年の歴史を持つ供養のかたち。五輪塔が宿す「空・風・火・水・地」の宇宙観を知れば、お墓参りがより深い祈りの時間になります。
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塔婆(卒塔婆)とは|追善供養のためにお墓の後ろに立てる縦長の木の板

塔婆は、お墓の後ろに立てる縦長の木の板のことを指します。
上部が尖って独特な凹凸のある形をしていて、戒名や命日、経文などが墨で書かれているのが特徴です。

法要の日にお墓参りをすると、墓石の裏側にずらりと並んでいる、あの板のことです。

塔婆と卒塔婆は同じもの|正式名称と略称の関係

「塔婆(とうば)」と「卒塔婆(そとうば)」という二つの呼び方を目にしますが、指し示すものは同じです。

正式名称は「卒塔婆」で、その略称が「塔婆」。どちらで呼んでも問題ありません。
語源はサンスクリット語の「ストゥーパ(Stūpa)」で、もとはお釈迦様の遺骨を納めた仏塔を意味する言葉でした。

これが中国に伝わった際に「卒塔婆」という漢字が当てられ、日本にもそのまま入ってきたという経緯があります。

つまり、お墓の後ろに立てる塔婆は、お釈迦様の遺骨を納めた仏塔のミニチュア版ともいえる存在。
板一枚とはいえ、仏教2500年の歴史を背負った供養のかたちなのです。

五輪塔の形を受け継ぐ「空・風・火・水・地」の宇宙観

塔婆の上部にある独特な凹凸の形、気になったことはありませんか。
あれは単なる装飾ではなく、仏教の宇宙観を表す「五輪塔」を簡略化した形です。

五輪塔は、仏教で世界を構成するとされる五大元素「空・風・火・水・地」を5つの形で表した供養塔のこと。
塔婆の上部も、この五大を上から順に積み重ねた形になっています。

位置形状五大
最上部宝珠形
2段目半月
3段目三角
4段目
最下部四角

一見ただの板に見えて、実は宇宙のすべてを凝縮した象徴。
そう考えると、お墓の後ろの塔婆にも手を合わせたくなるのではと思います。

塔婆の種類|板塔婆・経木塔婆・角塔婆の違い

塔婆には大きく3つの種類があります。
それぞれサイズも使われる場面も異なるので、ここで整理しておきます。

種類サイズ主な用途
板塔婆厚さ1cm・長さ60〜180cm最も一般的。お墓の後ろに立てる
経木塔婆(水塔婆)長さ27〜36cm・厚み1mm程度主に関西圏の施餓鬼法要などで使用。水に流すことも
角塔婆長さ120〜210cm・厚さ10cm墓石が完成するまでの墓標代わりとして

私たちが普段「塔婆」と聞いてイメージするのは、ほぼ板塔婆のこと。
一方、経木塔婆は薄くて小ぶりで、お盆の施餓鬼(せがき)法要などで水に浮かべたり仏壇前に供えたりする用途で使われます。

角塔婆は新しくお墓を建てる前、墓石ができあがるまでの期間に墓標として立てるもの。
用途ごとに役割が分かれている点を押さえておくと、法事で「どんな塔婆を立てるか」の話題が出たときにも落ち着いて対応できます。

塔婆を立てる理由|追善供養で故人の善行を積み重ねる仏教的な意味

「そもそも、なぜ塔婆を立てるのか?」この疑問に答える鍵が、仏教の「追善供養(ついぜんくよう)」という考え方です。

追善供養|生きている人の善行が故人の功徳になるという考え方

追善供養とは、生きている人が故人の代わりに善い行いをして、その功徳を故人に振り向けるという仏教の考え方です。

仏教の世界では、塔婆を立てること自体が善行とされています。
つまり、お墓の後ろに塔婆を立てること=故人への追善供養になる、という仕組みです。
お焼香や読経と同じく、遺族の祈りと善行を故人に届ける手段のひとつ。

葬祭カウンセラーとして多くのご家族のお話を聞いてきましたが、法要の場で「手を合わせるだけでは物足りない、もう一歩踏み込んで故人を想いたい」とおっしゃる方は本当に多いです。
塔婆は、その気持ちを具体的な「かたち」に変えてくれる存在だと、私は感じています。

故人と遺族のご縁を結び直す「手紙」のような役割

塔婆は、この世と彼の世をつなぐ「故人への手紙」とも表現されます。

戒名や命日、施主の名前を墨で書き入れる作業そのものが、故人への想いを込めるプロセスになる。
法要の日にその塔婆を墓前に立てれば、遺された家族の気持ちが形になって故人に届く、というわけです。

goennは「故人と個人のご縁を新たなかたちで結ぶ」ことをミッションに掲げています。
その視点から見ると、塔婆を立てる行為は単なる慣習ではなく、故人との縁を結び直すための具体的な手段といえます。

豪華な仏具でも高価な品でもなく、たった一枚の板。
それでも、そこに込められた想いの重さは計り知れません。

浄土真宗では基本的に立てない|「往生即成仏」の教えが理由

ここで押さえておきたいのが、宗派による違いです。
浄土真宗では、基本的に塔婆を立てません。

理由は、浄土真宗の教えにあります。
「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」といって、人は亡くなった瞬間に阿弥陀如来の力で極楽浄土へ往生し、ただちに仏になると考えられているのです。
つまり、故人の往生を祈る追善供養を必要としないという立場。

浄土真宗寺院である真宗大谷派三宝寺の公式見解でも、この点が明確に示されています(詳しくは真宗大谷派三宝寺「卒塔婆は必要ですか?」をご覧ください)。

一方、浄土宗・曹洞宗・日蓮宗・真言宗・天台宗など他の多くの宗派では、塔婆を立てる習慣があります。
ただし、書き入れる文字は宗派によって異なり、浄土宗なら「南無阿弥陀仏」、日蓮宗なら「南無妙法蓮華経」といった具合に、それぞれの宗派で大切にされているお題目が書かれます。

なお、浄土真宗でも地域や寺院によっては塔婆を立てる場合があります。
迷ったときは菩提寺(ぼだいじ/ご先祖様を供養するお寺)に直接確認するのが一番確実です。

塔婆を立てるタイミング|納骨式から年忌法要・お盆・お彼岸までの5つの節目

塔婆はいつでも立てていいわけではなく、節目となるタイミングがあります。
主に5つの場面で立てられることが多いので、順に確認していきましょう。

塔婆を立てる代表的な5つのタイミング

以下が、塔婆を立てる代表的なタイミングです。

  • 納骨式
    火葬後のご遺骨をお墓に納める儀式。最初に塔婆を立てるタイミング
  • 四十九日・年忌法要
    一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌といった節目の法要
  • 祥月命日(しょうつきめいにち)
    故人が亡くなった月日と同じ月日に行う供養
  • お彼岸
    3月の春分の日と9月の秋分の日を中日とする各7日間
  • お盆
    ご先祖様があの世から帰ってくるとされる夏の期間。施餓鬼法要とあわせて塔婆を立てることも

納骨式や年忌法要は親族が集まって行う比較的大きな法要、祥月命日は遺族だけで静かに行うことが多い供養。
お彼岸やお盆は、地域のお寺で合同法要が営まれ、その場で塔婆を立てるケースもあります。
どの場面でも「故人を想う節目」という点で共通しているのが特徴です。

塔婆を立てる人は誰か|施主だけでなく親族・知人も可能

「塔婆は施主しか立てられない」と思い込んでいる方が意外と多いのですが、実はそうではありません。

  • 施主(故人の家族・親族の代表者)が「○○家一同」としてまとめて立てる
  • 子どもたちがそれぞれ個別に立てる
  • 兄弟姉妹で「兄弟一同」としてまとめて立てる
  • 生前親しかった友人や知人が自発的に立てる

故人を想う気持ちがある方なら、基本的に誰でも立てられます。
私の知人からも「亡くなった父と仲良くしてくれた友人が、三回忌で塔婆を1本立ててくれた。とても嬉しかった」という話を聞いたことがあります。

家族以外からの塔婆は、遺族にとって「父は慕われていたんだな」という何よりの励ましになるものです。

弔い上げまでの目安|三十三回忌または五十回忌が一つの節目

年忌法要は一周忌から始まり、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌と続き、三十三回忌または五十回忌で「弔い上げ」となるのが伝統的な流れです。

弔い上げとは、年忌法要の最後として執り行う供養のこと。
三十三回忌や五十回忌までたどり着くころには、どのような魂も無罪放免となり極楽浄土へ往生するという教えに基づいています。
塔婆もこの弔い上げまで、節目の年忌法要ごとに立てるのが一般的な目安です。

ただし近年は、高齢化や家族のあり方の変化を背景に、十七回忌や二十三回忌で弔い上げとする家庭も増えてきました。
「どこで区切るのが正解」という絶対のルールはありません。
家族の状況や菩提寺の方針に合わせて柔軟に決めて問題ないのです。

塔婆代(塔婆料)の相場|1本あたり2,000円〜10,000円、3,000〜5,000円が中心

ここからは、多くの方が気にされる費用の話。塔婆代(塔婆料)の相場を具体的に見ていきます。

塔婆代の一般的な相場は1本2,000円〜10,000円

板塔婆の相場は、1本あたり2,000円〜10,000円。
中心的な価格帯は3,000円〜5,000円です。

金額に幅があるのは、塔婆のサイズ、地域、宗派、寺院の方針によって差が出るため。
関東と関西で大きく違うというより、寺院ごとの考え方や使う塔婆のサイズによる違いと考えたほうが正確です。

複数本立てる場合は、その本数分の金額が必要になります。
たとえば1本5,000円の寺院で3本立てるなら、15,000円を用意するイメージ。
家族で誰が何本立てるかを事前に話し合っておくと、当日慌てずに済みます。

費用だけで本数を決める必要はありません。
故人への想いに合う本数を、ご家族でゆっくり相談して決めていただければと思います。

塔婆料とお布施の違い|塔婆料は金額が決まっている

ここで大切なのが、塔婆料とお布施はまったく別物だということ。

お布施は「お気持ち」として渡すもので、明確な金額の決まりがありません。
一方の塔婆料は、寺院側が「1本◯円」と金額を設定していることがほとんど。
この違いを知らずに「お気持ちで」と自己判断してしまうと、当日気まずい思いをすることになりかねません。

つまり、お布施は相場を参考に自分で決める、塔婆料は寺院に確認して決まった金額を用意する、というのが基本スタンス。
混同しやすいポイントなので、しっかり分けて覚えておいてください。

事前に菩提寺へ確認するのが最も確実な方法

塔婆料は地域・寺院・宗派で差が出るため、ネット上の相場情報だけで決めるのは避けましょう。
最も確実なのは、菩提寺に直接確認することです。

電話で問い合わせる場合、こんな聞き方でまったく問題ありません。

「◯月◯日の◯◯(法要名)で塔婆を◯本立てたいのですが、塔婆料は1本おいくらになりますか?」

率直に尋ねれば、寺院側は丁寧に教えてくれます。
「相場を聞くのは失礼かも」と遠慮する方もいらっしゃいますが、むしろ事前確認しないまま当日を迎えるほうがお互いに困るもの。
気負わず電話してみてください。

塔婆料を入れる袋の書き方|表書き・中袋・お札の入れ方マナー

塔婆料が用意できたら、次は封筒の準備です。
香典とは作法が違う部分もあるので、順番に確認していきます。

封筒は白無地・奉書紙・印刷済み不祝儀袋のいずれか

塔婆料を包む封筒は、水引のついていないシンプルなものを選びます。
主な選択肢は3つ。

  • 白無地の封筒 → コンビニや文房具店で入手可能。最もシンプルで汎用性が高い
  • 奉書紙(ほうしょし) → 伝統的で格式高い和紙。仏具店や文房具店で購入できる
  • 「御塔婆料」と印刷された不祝儀袋 → 市販品。迷ったらこれが一番分かりやすい

香典用の水引付きの袋は必要ありません。
「どれを選ぶか迷う」という方は、「御塔婆料」と印刷された市販の不祝儀袋を選べば失敗がないはずです。

表書きは「御塔婆料」「塔婆料」「塔婆代」|濃墨で書く

表書きは、封筒中央のやや上に書きます。書く文字は次のいずれかです。

  • 御塔婆料
  • 塔婆料
  • 塔婆代

この下に、施主の名前(フルネーム)または「○○家」と少し小さめに書き添えます。

ここで大事なのが、筆記用具。
筆または筆ペンの濃墨を使ってください。
香典は「涙で墨が薄まった」という意味で薄墨を使うのが一般的ですが、塔婆料はそれと逆です。

塔婆料は故人に納めるお金ではなく、お寺に納めるお金だから薄墨を使わない、という明確な理由があります。
ここを間違える方が多いので、「塔婆料は濃墨」と覚えておきましょう。

中袋・裏面の書き方|金額と住所・氏名を明記

封筒に中袋がある場合とない場合で、書き方が少し変わります。

中袋がある場合は、表面の中央に金額、裏面に住所と氏名を書きます。
金額は旧字体(大字)で書くのが正式です。

金額旧字体での表記例
3,000円金参阡圓
5,000円金伍阡圓
10,000円金壱萬圓
30,000円金参萬圓
50,000円金伍萬圓

「金」で始まり「圓」で終わるのが基本の形。
旧字体が難しければ、「金10,000円」のような漢数字+現代の表記でも問題ありません。
中袋がない封筒の場合は、封筒の裏面左下に住所・氏名・金額をまとめて小さめに書けば大丈夫です。

お札の入れ方|肖像画を上向き・取り出したとき顔が最初に出るように

塔婆料のお札の入れ方は、香典と逆になります。
ここもよく間違える部分なので、しっかり確認してください。

  • お札は肖像画の面が中袋の上面になるように向きをそろえる
  • 封筒から取り出したとき、肖像画が最初に現れる向きで入れる

香典は「悲しみで顔を伏せる」意味合いで肖像画を下向きにしますが、塔婆料は慶事と同じ扱いで上向きが正解。

新札・旧札のどちらでも問題ありません。
「香典のように新札を避ける必要があるのでは?」と気にされる方もいますが、塔婆料はお寺へのお礼なのでその心配は不要です。

ただし、極端に折り目のついたお札や汚れたお札は避けるのが望ましいですね。

複数人で立てる場合の書き方|「◯◯家塔婆建立者」+別紙

兄弟や親族で連名で塔婆を立てるケースもよくあります。
その場合の書き方は次の通り。

表書きは「御塔婆料」の下に「◯◯家塔婆建立者」と書きます。
個々の名前は封筒表面には書かず、封筒の中に建立者全員の氏名を記した別紙を同封する形が一般的です。

別紙には、全員の氏名に加えて読み仮名を付けておくと丁寧。
お寺が塔婆に名前を書き入れる際、読み間違いを防げます。
葬祭カウンセラーとして、「父の塔婆に叔父の名前が間違って書かれていた」という残念な経験を聞いたこともあるので、この一手間は意外と効いてくるポイントです。

塔婆の依頼方法と渡し方|法要の2週間前までに菩提寺へ申し込み

塔婆を当日慌てず準備するには、依頼のタイミングと伝える内容が鍵になります。

申し込みは法要の2週間前まで|繁忙期はさらに早めに

塔婆には戒名、没年月日、建立年月日、施主名など、多くの文字を一つひとつ墨で書き入れる必要があります。
当然、作成には時間がかかる。
そのため、希望日の2週間前までに菩提寺へ連絡するのが理想です。

特に注意したいのが、お盆・お彼岸・お正月周りといった寺院の繁忙期。
この時期は全国から塔婆の依頼が集中するため、2週間前では間に合わないことも出てきます。
お盆の塔婆を用意したい場合は、1か月前には相談しておくと安心です。

法要の前日や当日に「塔婆をお願いします」と言っても、断られる可能性が高いという点は押さえておきましょう。

依頼時に伝えるべき情報|戒名・命日・施主名・本数

菩提寺に連絡するとき、伝えるべき情報は次の通りです。

  • 故人の戒名(法名)
  • 故人の俗名
  • 命日(没年月日)
  • 施主の氏名
  • 建立者が複数いる場合は全員の氏名(読み仮名付き)
  • 塔婆の本数
  • 法要の日付

戒名が手元で分からない場合は、位牌やお仏壇の過去帳を確認しておきましょう。
うろ覚えの漢字で伝えると誤字の原因になるので、事前に正確な情報を押さえておくのが親切です。

電話だけで済ませるのが不安なら、FAXやメールでの申し込みを受け付けている寺院もあります。
その場合は、上記の項目を箇条書きで整理して送れば確実。

私は相談者に「電話で伝えつつ、念のためメールでも同じ内容を送っておくと安心ですよ」とお伝えすることが多いです。

塔婆料の渡し方|法要当日にお布施とは別の封筒で

塔婆料は、法要当日に僧侶へお渡しするのが基本です。
タイミングは、法要前の挨拶のとき、または法要後のお礼を伝える場面のどちらでも問題ありません。

ここで絶対に守っていただきたいルールが2つあります。

  • お布施と同じ封筒に入れない → 塔婆料とお布施は用途が違うため、必ず別の封筒で準備する
  • 袱紗(ふくさ)に包んで持参する → 直接手で持つのではなく、袱紗から取り出して渡すのが作法

袱紗の色は、紫・グレー・紺など落ち着いた色を選びます。
渡すときは袱紗から封筒を取り出し、文字が僧侶側から読める向きにして、両手で差し出す。
これが丁寧な渡し方です。

慣れていない方には少し緊張する場面ですが、型を知っていれば自然にこなせるもの。
当日の流れをイメージしながら、事前に一度練習しておくのもおすすめです。

古くなった塔婆の処分方法|菩提寺でのお焚き上げが基本

塔婆は一度立てたら半永久的にそのままにしておくものではありません。
古くなった塔婆をどう処分するか、最後に確認しておきましょう。

処分のタイミング|初七日・四十九日の塔婆は一周忌を目安に

処分のタイミングに絶対のルールはないものの、一つの目安はあります。

  • 初七日や四十九日に立てた塔婆 → 一周忌を目安に処分
  • それ以降に立てた塔婆 → 次の塔婆を立てるときか、塔婆立てが満杯になる前に順次処分

お墓の後ろには「塔婆立て」という塔婆を立てるためのスペースがあります。
ここが満杯になる前に、古いものから順番に引き上げていくのが自然な流れです。
家の方針やお墓のスペースに応じて調整して問題ありません。

処分方法は菩提寺・霊園へ|自宅での焼却は法令違反

古い塔婆は、菩提寺や霊園の専用置き場に返すのが基本です。
多くの寺院・霊園には古い塔婆を集める場所が用意されていて、お寺側でお焚き上げ供養を行ってくれます。

ここで必ず押さえておきたいのが、自宅での焼却は法令違反になるという点。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の改正により、平成13年4月から野外焼却(野焼き)は原則禁止となっています。
違反すると5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(両方が科されることもあります)という重い罰則が科される決まりです。
「自宅の庭で焼いてしまおう」という判断は絶対にしないでください。

処分の選択肢は、主に次の3つです。

  • 菩提寺・霊園の専用置き場に返す → 最も一般的で安心な方法
  • 僧侶に自宅へ来ていただく → 魂抜き供養の後、塔婆を持ち帰って廃棄処分してもらう
  • 宅配便で供養代行業者に送る → 遠方で菩提寺に行けない場合の選択肢

どの方法を選ぶにしても、まずは菩提寺に相談するのが安心。
地域やお寺の慣習に合わせて、最適な方法を教えてもらえます。

よくある質問(FAQ)

Q. 塔婆は絶対に立てなければいけないのですか?

塔婆は必須ではありません。
仏教の多くの宗派で推奨される供養方法ですが、浄土真宗のように基本的に立てない宗派もあります。

「故人への想いを形にしたい」「追善供養を行いたい」と感じる場合に立てれば十分で、立てないからといって供養にならないわけではありません。
大切なのは、故人を想う気持ちそのものです。

Q. 塔婆代はいくらくらい用意すればよいですか?

1本あたり2,000円〜10,000円が相場で、3,000〜5,000円の寺院が中心的な価格帯です。
本数分が必要になるため、事前に菩提寺へ「1本いくらで何本立てたい」と確認すれば正確な金額が分かります。
ネットの相場情報だけで判断せず、必ずお寺に直接聞くのが確実です。

Q. 塔婆料の封筒には何と書けばよいですか?

表書きは「御塔婆料」「塔婆料」「塔婆代」のいずれかを濃墨で書き、その下に施主名を書きます。
香典と違って薄墨ではなく濃墨を使う点が重要です。
塔婆料は故人ではなくお寺に納めるお金なので、薄墨は不要と覚えておいてください。

Q. お布施と一緒の封筒に入れてもいいですか?

お布施と塔婆料は必ず別の封筒に入れてください。
用途が異なるため、一緒にするのはマナー違反となります。
袱紗に包んで別々に準備し、当日僧侶へお渡しするのが正しい作法です。

Q. 塔婆は何回忌まで立てるものですか?

一般的には三十三回忌または五十回忌の「弔い上げ」まで立てます。
ただし近年は、十七回忌や二十三回忌で弔い上げとする家庭も増えています。
家族の状況や地域の慣習、菩提寺の方針に合わせて柔軟に判断して問題ありません。
絶対のルールはない、と覚えておいてください。

Q. 古い塔婆は自分で処分してもいいですか?

自宅での焼却は廃棄物処理法で禁止されています。
違反すると重い罰則が科されるため、絶対に行わないでください。

古い塔婆は菩提寺や霊園の専用置き場に返し、お焚き上げしてもらうのが基本です。
遠方の場合は、宅配便で供養代行業者に送る方法もあります。

Q. 浄土真宗でも塔婆を立てることはありますか?

浄土真宗は教義上、基本的に塔婆を立てません。
「往生即成仏」の教えにより、故人はすぐに極楽浄土へ往生するため、追善供養を必要としないという考え方です。

ただし地域や寺院によっては塔婆を立てる場合もあるため、菩提寺に直接確認するのが最も確実です(公式見解は真宗大谷派三宝寺「卒塔婆は必要ですか?」もあわせてご参照ください)。

まとめ

塔婆(卒塔婆)は、追善供養のためにお墓の後ろに立てる縦長の木の板で、サンスクリット語の「ストゥーパ」を起源とする仏教の供養塔です。

塔婆代の相場は1本2,000〜10,000円で、3,000〜5,000円の寺院が中心。
封筒には「御塔婆料」と濃墨で書き、お布施とは必ず別の封筒で法要当日にお渡しします。
申し込みは2週間前まで、繁忙期は1か月前が理想。
古くなった塔婆は自宅で焼却せず、菩提寺にお焚き上げしてもらってください。

宗派や地域で慣習は異なります。
迷ったときは、まず菩提寺に電話一本入れて相談してみる。
これが一番の近道です。
初めての法要で不安に感じる方も、この記事の順番に沿って準備を進めれば、落ち着いて当日を迎えられるはずです。
故人を想うお気持ちを、ぜひご自身のかたちで表してみてください。

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